…俺には、わからなかった。 この眼の前にいるリーフィアが、俺を拾い、俺のことを思って生きていたあの優しき少年なのだろうか。 「あの出来事」があったから、俺は彼が本物だとわからずにいた。 「俺は…オリオンみたいに…優しい兄となったのだろうか?」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 彼…ゼロは、何かを悔やんでいた。その手にはナイフが握られており、とても辛そうだった。 その時、僕はすべてを察した。 「…もう大丈夫です。」 「どんな辛いものだって、貴方の知っているオリオン・フィローシアは…背負って、寄り添って、支えてきたでしょう?まるで…今の僕みたいに。」 僕は彼の手を握って言った。 僕が死んだあと、かなりの年月が経ったようだが、彼に何があったのかはわからない。彼のその冷たかった瞳に、一筋の光が灯った。 「…すまない。お前がオリオンでなくても、俺はお前に過去会ったことを話そうと思う。」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ それから俺は、オリオンと思われる者にすべてを話した。オリオンが死んだあと、オリオンの見た目に変化するゲンガーだったり、他の色違いのみんなと兄弟関係を築いたり、最後にその兄弟と殺し合いになり、兄弟を殺すことはできないと自殺したり… 彼は、しっかりとその話を聞いてくれた。 「…成長しましたね、ゼロ。」 俺は、やはりこいつがオリオンであると信じたくなった。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 彼が辛いと思っていたのは、僕はとても良くわかった。 僕だって同じ状況にいたら、ゼロやリリア姉さんたち皆…殺せない。 ゼロは、僕以上につらい経験をたくさん積んできたんだ。 …ところでふと疑問に思ったことがある。 「ゼロの下半身が透けて見えるのは…なぜだろう。」 「ああ、これか?」 そういい、ゼロは語りだした。 結局自殺したとは言ったが、正確に言うとゼロは今現実の世界で記憶喪失で、肉体は現実にあるという。 あちらのゼロが記憶を取り戻し次第、自分は元の体に戻ることになるそう。 …不思議だな。 _ゼロの過去を聞いて、どこか心が晴れた気がした。 ============================================= 続くぞ☆