第一眼「失明」 夕暮れの街、14歳の少女、阿須 未来(あす みらい)は、いつものように学校からの帰り道を歩いていた。彼女の通学路は街の中心から外れた静かな路地裏でおしゃれをしてもだれにもめだたないが、今日は新しく手に入れた光るコンタクトレンズを試していた。 そのコンタクトは星のように煌めき、彼女の瞳を美しく飾っていた。 しかし、その美しい輝きが周囲のカラスの注意を引いた。 通学路にはカラスたちのたまり場と呼ばれる場所があり、未来が通りかかった時、一羽の大きなカラスがその光を見つけて飛び立った。 カラスは瞬く間に近づき、未来の目の前でコンタクトをつついた。 未来は突然の出来事に驚き、慌ててカラスを追い払おうとしたが、その時、カラスの鋭い嘴が未来の左目に当たった。激痛が彼女を襲い、未来は地面に倒れ込んだ。 ======================== 気がつくと、未来は不思議な景色が広がる異世界にいた。 未来は首を左右に振ったが、景色は変わらなかった。彼女はこれが自分の左目で見ていて彼女の新たな現実なのだということを、彼女はまだ理解していなかった。 やがて、耳には遠くでお母さんの声が聞こえ、未来は右目で病室の様子を見渡した。 そこにはベッドで横たわるお母さんの姿があり、彼女の横で泣きじゃくる未来の姿があった。 「お母さん、私の左目で見ている不思議な世界について話がしたいんだ。」 「この景色は何なの?」 未来は右目を見開きながら尋ねた。 お母さんは眉をひそめて、「未来、あなた・・左目は…失明してしまったのよ。」 未来は言葉に詰まり、混乱した。 「え、えっと…本当?」 お母さんは深くため息をつき、 「本当よ。あなたが倒れていた時にはもう、失明していたのよ。」 未来はショックを受けつつも、やがて現実を受け入れ始めた。 しかし、彼女の左目が見せてくれる異世界の景色は、まるで彼女だけの秘密の宝物のようだった。 ======================== 病室を飛び出して病院の格好のまま外に出た。 目の前に広がる景色は、失明した日の夕暮れと同じだった。 彼女は立ちすくみ、涙を流しながら大声で叫んだ。 お母さんが外に駆け寄り、声をかけようとしたが、その時、誰かの声が聞こえた。 「君、今絶望しているね。」 未来はお母さんの呼びかけを無視し、その声の主を探し始めた。 しかし、どれだけ周りを見回しても、その人影は見当たらなかった。 気がつくと、未来は誤って近くの川に転落してしまった。 水面に浮かび上がったのは、混乱した未来の姿だった。 お母さんが必死に未来を引き上げ、病院では2日後に退院することになった。 ======================== 未来は家に帰り、自分の部屋でベッドに入った。しかし、部屋の中にまたあの声が聞こえた。 「君、今絶望しているね。」 声が何度も繰り返される中、未来は恐れながらも部屋を探し始めた。 真っ暗な部屋の中、扉を開けると、誰もいなかった。 「ふう…」と未来は安堵し、再びベッドに戻り目を閉じようとした。 しかし、目を開けると、そこには奇妙な生き物が立っていた。 その生き物は目玉のような耳を持ち、全身に目玉の模様があった。 「ぎゃあああああ!」 未来は叫んだ。 生き物は慌てて言った。 「ごめんね、驚かせたつもりじゃなかったんだけど。僕の名前は目之助(あいのすけ)だよ。」 未来は驚きながらも、その生き物が話せることに更に泡を吹いて驚いた。 目之助は未来に対して、彼女の失った左目を取り戻す方法を提案した。 「魔法少女にならないか?」 目之助はそう誘った。
曲 kibaoni6