あれからどれくらい走ったのだろう。 時間としては無我夢中に走り続けてはや30分。 自分にこんな体力があったのにも驚きだ。ここはおそらく街から約10km程度離れた高台というところだろう。目に映る光景は、自分の家どころか街すら跡形もなく消え去っていた。ずっと走っていた所為で、もはや立っているのも精一杯だった。 「神判の…戦争か…」 この街が、否、この国がこうなってしまったのには理由がある。 約半年前、我が国シュヴェールト連邦共和国は国家重要戦略として、大陸統一戦争を開始した。見事に短期間で統一を完了させたが、世界各国の連合である新星連合がその行動を批判、指定期間以内に占領地を連合に明け渡すことがなければ、連合軍によって平和のための特別軍事作戦を行うと発表した。まあそれに応じたかどうかはご覧の通りだ。 そして何よりも重要なのが、国民に対して具体的な説明もなしにどんどん召集令をだし、戦争に無理やり参加させ、叛逆したものは即座に粛清されていった。 これに対して国民は当然怒り狂い、ついには国民による革命軍とやらも出てきて、現状なんだかんだあって3つ巴の状態だ。 自分は18歳だが、召集令状が来る前にこんなことになったのだからラッキーとしか言いようがない。 でも事態は最悪だ。とりあえず逃げなければ。携帯電話を手に取ってみるも、友人や彼女、それから家族まで全員連絡がつかない。携帯電話の上部には圏外と表示されていた。 「電波妨害か…!」 こんな街外れでも電波は通るには通っていたはずだ。 バンッ… いきなり自分の顔の真横スレスレを何かが高速で通り抜けていった。 「止まれ!そこを動くな!」 言語はしっかりと同じだ。発音に違和感はない。 「…誰だ?」 僕は恐る恐る言葉を発した。 さっきまではまだ明るかったが、日も暮れてどこに何がいるかが分からなくなっていた。 「我らは人民革命解放軍だ。只今貴様を包囲させてもらっている」 革命軍の奴らのようだ。それにしても包囲とは、何かしたか? 「僕が何をしたというんだ?」 「とりあえず武装しているようであれば攻撃出来る武器を捨てて貰おうか」 僕は所持品を全て地面に置き、両手を挙げた。 すると懐中電灯か何かで照らされた。 「…特に怪しい素振りはなさそうだな。身分証明書を掲示して貰おうか。物は仕舞ってもらって構わない」 ここは下手なことはしない方がいいと思い、偶然持っていた連邦国民証を掲示した。 「この街出身の18歳か…召集令は来なかったのか?」 「来る前にこうなったらからな」 「そうか。我が軍に入る気は?」 「ない」 別に自分が戦争に参加しようなんて気は全く持ってない。するとさっきまで自分を尋問していた軍人が何やら無線通信で連絡を取り合っているようだった。 「…悪いが時間がない。うちの上層部が航空隊に戦闘地への一斉爆撃を命じやがった。悪いことは言わん、さっさとここから逃げろ。時間をとってすまなかったな」 そういうと軍人たちは走って市街地の方へ向かっていった。爆撃があるんじゃないのか?そう思いながら僕は更に逃げた。 すると1つの言葉が脳裏をよぎった。 “自分には何も出来やしない” いきなり足が止まった。 「自分には…何も…出来やしない…」 僕は振り返って更に爆撃されている街を見た。 変えなきゃ、この国を。 終わらせなきゃ、この国を。 いつだっていい。自分の意思を継ぐ誰かでもいい。 この国の在り方にずっと疑問を抱いてきた。 こんな惨状じゃ革命軍だって所詮国なんか救えない。 自分がやればいい。戦わないと。 僕は止めていた足をまた動かし、走った。 あれから3ヶ月後、我が国の敗戦が決まった。首都が壊滅した我が国は、占領地の解放と新星連合の国家管理を条件に降伏することになった。革命軍も解体され、街は着々と復興の道を歩んでいる。友人数名は生き残っていたものの、家族や彼女などは皆死んでいた。連合の国家管理を受けているとはいえ、いずれそれは解除され、また同じことになりかねない。僕は着々と復興している街を横目に着々と準備を進めている。 彼は後の⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎連邦の初代天帝、レオン・フリードリヒ。 これは最初の1ページである。
アニメの代わりにとりま小説書いてみたんだけどどうかな?