ꜰ|○ˢ ◻︎八°々ℙv (検索避けみたいなのをやってみたかっただけです。) 背景の花たち↓ オシロイバナ (白色) 「臆病」「内気」 ミムラス (赤色) 「笑顔を見せて」 ブルースター (青色)「信じ合う心」 ヘリクリサム (橙色) 「永遠の思い出」 イヌホオズキ (白色) 「嘘つき」「真実」 ニゲラ (青色) 「困惑」「当惑」 ハーデンベルギア (紫色) 「出会えてよかった」 ラナンキュラス (黄色) 「優しい心遣い」
Music: flos / R Sound Design https://www.youtube.com/watch?v=bUbOc97FpUA PV: 水蓮 この作品の子のストーリー↓ 「好きなことだけをして生きていたい。そんなこと叶うわけないけれど、思うのは自由でしょう、先生?」 私はいつもこう先生に話しかけている。もう呆れられているけれど、いつも返してくれる。私の好きなことにも付き合ってくれる。私の好きなことは花を見ること。どんなところにも花を置いていたい。 「ただ咲いているだけの花でなくても、つぼみでも、枯れていても、咲いていなくても。どんな姿も素晴らしいと思うんです。例外はあっても、生きているものは動いていると思うんです。その瞬間で同じことは一度も起こっていなくて、また動く。そして世界が動いている。その瞬間が分かりにくいのが植物です。その動いている瞬間を、この目で見ているのが、とても幸せなんです。」 『そう。確かに植物は分かりづらいよね。でもね、どんな生きているものも分かりづらいんだよ。』 「どう言うことですか?」 『ほら、私は今動いているよね。でも、この体は細胞でできている。その細胞一つ一つも生きていて動いている。その動きは見えないでしょう?』 「確かにそうですね、先生。新しい見方が増えました。」 先生はいつも優しい。落ち着いた声で、それでも鮮明に話をしてくれる。 新しい見方を知ったけれど、やっぱり私は花が好きだ。あの曲線、形、動き、匂い、音。でも、いまだに私は見ることができないものがある。 色が、見えないのだ。 私は色盲の中の1色型色覚で、視力も0.3ほど。全てがモノクロと呼ばれる景色で、本当は花には赤や青などの色があるという。少しの明暗の違いはわかるが、皆の言う「グラデーションがきれい」「美しい色」というのが分からない。 私は顔に花を近づけて動きを見た。それしかできないから。それでしか花を見れないから。先生は動きが分からないという。なら、色が見えないからこそ、きっと花の動きが分かるのだろうか。 ある日、先生に話しかけた。 「先生は、色が見えていますけれど…この花はどんな色ですか?私の予想では黄色です」 『ああ……1つ、言い忘れていたことがあるんだ。』 「なんでしょうか、先生?」 『私はね、何も見えないんだ。』 思考が凍ったように冷たくなった気がした。急激な頭痛がきた。先生は…どういうことなんだ?何も見えない? 「っ…どういうことですか?何をおっしゃられて…」 『言ったとおりだよ。私は何も見えない。』 「え…?」 『……全盲…といって…目が見えないんだ』 何が起こっているのかがわからなかった。先生は悲しそうな顔をした。 「っそう…だったのですか?」 私がこう先生に聞くのには少し時間がかかった。今まで、何度も色を教えてもらったのだ。どうして…そんなことが起きているのかがわからない。先生と最初に会った時、私は怖かった。だから先生の話をよく聞いていなかった。でもその時は全盲だなんて言っていなかった。隠していたのか?先生と会うのは学校に来ている時だけだった。そういえば、先生はいつも何か棒を持っていた。あれは白杖だったのか?どうして隠していたんだ?どうして… 『言いたいことは聞かなくてもよく分かるよ。どうして今まで言わなかったのかって…ね。私は、君に希望を持って欲しかった。ただそれだけだった。見えないとはいえ、緑内障で…後天性なんだ。知っている色を、色が見えない君に教えたかった。素晴らしい世界があるということを、知って欲しかった。それだけだ。嘘をついたのは…悪かった。』 今まで全てと言って良いほど色については先生に縋ってきた。でも先生は、今の世界の色が見えない。過去しか分からない。それでも、少しでも私に色のある世界を見せようとしてくれていたのか。知らなかったのは申し訳なかった。知らない色を聞かれた時は、きっと困ったのだろうな。…そういえば、私の一番好きな花…ラナンキュラスの色。 この花の色は聞いていなかった。 「…先生、この花は、何色ですか?」 『これは、黄色だよ』