なぜこの2人は結ばれないのだろうか。その答えを探すため我々はアマゾンの奥地へと向かってません。
「はっ…はァッ!?」 頭に感じる柔らかな感触。それが天野の太ももだと気づいた瞬間俺は飛び上がった。…と、その時体に走る激痛。そうだ、俺、殴られて…それで… 「なっ…んで生きてるんだ俺!?…うっ…痛え……」 ズクンと体全体が重くなるような感覚。腹のあたりが少し冷たくて、シャツをまくると氷が当てられていた。「これ、お前がやったのか…?」と聞くと得意げに頷かれて、勝手に体を見られた驚きと看病されている嬉しさが混じり合って複雑な気持ちになった。 「あんた、あの後倒れたでしょ?いや、ほんと絶体絶命って感じだったけど…まぁ、なんとかなったのよ、きっと」と天野。彼女の顔は釈然としていなくて、俺と同じで混乱していると言うことが見てとれた。 彼女によると、あの後2人とも気絶して、気づいたらここにいた___らしい。「神様は本当にいたのかもねえ」、と他人事のように天野は呟いた。 「ね、そんなことより…この後どうする?」 「この後…ってのは」 「はあ?生きていくためにどうするかってこと。ここはあの施設からかなり近い町だし、滞在はできないよ」 「おいおいおい、その地図どこから出した」 徐にリュックから地図を出してきた天野に一旦ストップをかける。こんなものは部屋にはなかったはずだ。そう思った矢先、天野は至極当然といった表情で「買ったのよ」と言った。冷静になって見てみたら、天野の手には銀貨が入った袋が握られていた。 「あ、そうだ。これ、顔が隠れるようにフード付きの服買っておいたから…着れる?」 「え…ああ……」 本当だ、天野の服も変わっている。手渡されたのは麻の布の服で、肌触りは良いものではなかったが、「あの施設のものには何ついてるかわからないでしょ。それこそ発信機とか」と返された。 「…というか、お前、ここで着替えたのか」 「は?それが何………うわ…変態」 「違う誤解だ誤解」 天野の目があまりにも冷たかったので、俺は命の危機を感じて必死に言い訳した。しょうがねえだろう思春期なんだから。別に想像はしてない。思い浮かべただけだ。 「…まあ許してあげるわ。優しいから。感謝しろよ」 「…ハイ、スミマセンデシタ……」 反省してます…と身を縮めると、フンと鼻を鳴らして許しをもらったので、体から力を抜いた。 「…で、どうするの?バイトする?」 「バイト…ってたとえば?」 「…宿屋の受付とか」 「うわー地味」 しかも安月給じゃねえかよ、と悪態をつくと、天野が「じゃあもっと良い案出しなさいよ」と叱ってきた。 「良い案なあ…」 うーんうーんと考え込んでくると、浮かんだのは前見た漫画だった。 「あ! 何でも屋をやるってのはどうだ!? かっこいいし高収入だぞ!」 「うわーこれだから厨二病は」 「はー!?じゃあもっと良い案出せよ!」 「……それは…ないけど」 「じゃあ決まりだな!…いってて」 ガバッと起き上がると、殴られたあたりがズキーッといたんで俺はうめき声をあげた。天野にハッ、と鼻で笑われたのが癪で、ほっぺを左右に伸ばした。 (ちかれた)