かけにきは神
* 起きたら天野がいなくなっていた。 俺は知らない場所でベッドに横たわっていて、ベッドヘッドには見慣れた袋が置いてあった。 俺……俺……そうだ、確か蛇に噛まれて……。 ぼんやりと浮かんできた記憶に、顔が青くなった。 もしかして、天野、俺を庇って…… 「嘘だろ、天野、死んだのか……?」 耳の裏で心臓の音が響く。まるで血が沸騰しているかのように体が熱い。嘘だ、そんな………。 もし、俺が何でも屋をやろうなんて言わなかったら_____。 「ちょっと、どうしたの!?」 聞き慣れた声がした。 見るとそこには天野が傷だらけで立っていた。フードはボロボロで、髪の毛も少し短くなっている。「生きてる」と信じられなくなって言うと、「勝手に殺すな」と笑われた。……俺にとっては一大事だって言うのに、こいつは…。小憎たらしい笑みを浮かべた天野は、何一つ変わっていなかった。 「おま、なんでそんなボロボロに……」 「んー? 依頼こなしてきたんだよ、ひとりで」 「依頼って……」 「ほら、物探し」 見れば天野の手には複数の金貨が握られている。しかし、そこまでボロボロになるのだろうか、ただの物探しで。そう訝しんでいたのが顔に出ていたのか、天野はそこに至るまでの経緯を説明し始めた。 「あの後、私は天野をここに寝かせてから依頼を受けたんだけどね……、物探しって言っても簡単じゃなかったのよ。」 依頼人が落としたものは腕輪だった。それも希少な素材でできた腕輪。それがキラキラと光っていたせいか、そう言ったものを好むモンスター……「カラス」のようなモンスターに奪われてしまったらしい。 「ははあ、なるほど、そのカラスと戦ってきたんだな、お前」 「そ。もうほんと骨が折れる作業だったんだから……おかげで大量だけどね」 「報酬高くないか?」 「ん?……いや、違うんだなこれが」 ニヤリと笑った天野はリュックからいろいろと防具を取り出してきた。 聞くと、これは全てそのカラスが集めていたものらしい。 簡単に言うとネコババである。 「おま、これ犯罪…」 「ん~?持ち主分かんないんだから仕方ないよね!!!ね???」 「……お、おう」 天野の手の中でちゃりちゃりと揺れる防具たちに、俺は深いため息をついたのだった。 (許せサスケ)