#2 翌日。 訓練は朝からだということで皆と食堂で朝食を取った後、先々日に入った新人とその教育係は大きな体育館に集められた。 「ようお前ら、早速訓練を開始する。戦闘育成の担当をしている天部 鐘(あまべ しょう)だ。よろしく頼む。」 私たちの目の前で支給された服を軍服のように少し細工を施した彼、天部さんが挨拶をする。喋り方からして頼りになりそうなのだが…。ただ一つ言うとするならば彼は私たちよりも小さい。一瞬子供かと疑うほどに小さい。ただそのことに触れるな、と言われているような圧を感じる。 「おっと、人数確認を忘れていたな。…っとおい一宮、神威(かむい)はどうした?」 「それが少し探したんですが見つからなくて…。鐘さんの方にも連絡入ってないんすか?」 一宮、と呼ばれた男性が焦り気味に答える。その神威という人は私と同じ新人らしい。 「まあいい。神威には今度教える。じゃあまずPleyの発動方法だが脳内の想像が重要となる。その想像を具現化することで放てるようになる。脳内の想像がはっきりすることが鍵だ。だから兎に角想像に集中しろ。新人と教育係の二人一組になって各自練習しろ。はじめ。」 天部さんの合図の後、四人組と独りぼっちの一宮さんが距離を取って練習を始める。私のPleyは時間操作。細かく言えば少しの時間停止と物体や人の速度変化とのこと。蓮灘さんにハンカチを落としてもらって能力を試す。蓮灘さんのハンカチの落下速度を落とすこと、それが今やるべきこと。これで五回目。 蓮灘さんの手からハンカチが舞い落ちる。それに手をかざし思考を巡らせる。細かい想像…私は速度が重要なのだろう。0.25倍の速さで落ちればいい。 するとハンカチの落下速度が急に遅くなった。ゆっくりと降下し、床に着く。 「おめでとう!望月ちゃん」 成功したことに驚いていると蓮灘さんに嬉々とした声でそう言われた。 「ありがとうございます!」 「五回目でこれは大分早いね。凄いよ!」 そう蓮灘さんに褒められ、照れくさくなる。 「いやいや…そんなことないですよ。蓮灘さんや天部さんの説明がお上手なだけです。」 そう言い終えた途端急にブザー音が鳴りだした。部屋の赤いランプが点灯する。 "基地内一階奥のテラス外にてカニバリーが出現しました。近くにいる部隊は討伐に向かってください。" ブザー音と共にアナウンスが流れる。この基地の一階の奥には外は殺風景であるもののテラスがあり、非常口ともなっている扉が設置されている。そこから基地の敷地内であれば外出が許可されており、カニバリーはそこで出現したとみられる。基地の近くにはカニバリーがあまりいないため少しは安全と言われている。今回のカニバリーはどこからか移動してきたのだろう。シェルターに入る前も入った後も一度もこれまでカニバリーを見た事が無かったためどこか信じられずにいたが、政府の言葉に間違いはなかったらしい。 それどころではないこの状況。基地外であれば逃げることができるのだが…。そんな私を差し置いて天部さんは指示をしていた。 「テラス外に一番近いのは俺たちだ。第五部隊、久々の仕事だ!行くぞ!」 天部さんは素早く扉を開き走っていく。私たちの教育係_第五部隊も続けてあの人の後を追う。新人である私たちは戦えないからという理由でおいて行かれてしまった。きっとそれが正しい判断なのかもしれない。ただ実物のカニバリーを見てみたい。戦闘風景も気になる。 後を追いかけようか? ♡→追いかけない ☆→追いかける
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