使い方の欄の本文は下↓ 題:或る生存兵 テーマ:人の感情、反戦、命 舞台:1940年~45年の第二次戦争の戦時中のとある小さな島 主な登場人物: ・桜木 迅 ・畑村清弘 ・岩崎健志郎 ・桜庭福男 ・潮弘 ・福田三太郎 ・分田七右衛門 ・塩崎榮太郎 ・稲葉正英 ・ジス・アントロニー ・ロバート・マックィーン 一言コメント「この話はフィクションです。急ごしらえなので話や設定が甘いです。ちょっと気合入れすぎてまたSTに表現を変えろって言われたりして。対策はしましたが。あと、最後まで分からない謎要素を入れることで深み(?)を出しました。そして記述が長すぎたようなので分けました」 -------------------------------------------------------------------------2010年、栃木県のある市でとある男がしんだ。 まわりと変わらぬ、平和と盆栽と子供を愛する、普通の老人であった。享年は89歳、し因は、脳卒中であった。名前は、「桜木迅(さくらぎじん)」。出生年は、1921年 11月18日。血液型はO型。一軒家に、一人で住んでいた。病院で、家族に看取られて、逝った。家族が遺品を整理しているとき、古びたズタボロの手帳が出てきた。日付は、1940年6月。そのころ世界はドイツ軍とイタリア軍の猛攻に会い、フランスが降伏していた頃であった。一番最初の記述は、彼が19歳の時、赤紙が来て召集に応じた旨が書かれていた。彼は当時福岡のある町でペンキ塗りの仕事の傍ら内職で草履を織っていた。金を稼いで、実家の農家を繁盛させようと思っていたそうだ。 そして、帝国陸軍に動員される途中の汽車で、同じ所へ動員されるという畑村清弘(はたむらきよひろ)(21)と、岩崎健志郎(いわさきけんたろう)(20)と会い、あることがきっかけで親しくなった。 前の席で談笑する同年代くらいの男二人に軽く話を聞くと、自己紹介をされた。畑村の実家は東京のさる有名な庄屋であったという。いまは福岡に場所を移し商店をやって暮らしているそうだ。岩崎は広島の中学校を中退して福岡の実家の木綿商を継いだのだという。 そして桜木は、家では虐待、そして学校ではいじめをされて育った。実家を繁盛させる理由も、本当は「貴様は役立たずなのだから倍働いて金を送って少しは親孝行をしろ」という両親の命令によるものであった。職場でも、人間不信で友達はいなかった。彼が二人に話を聞いたのも、幸せそうな二人を見て、虫唾が走ったからだった。幸せなんてものは感じていなかった。自分の命も、他者の命も、何とも思っていなかった。だから、召集に応じた。ここ数年、笑ったこともなかったし、こんな自分にはぴったりだと思ったからだ。自分のことも、明かさぬつもりでいた。しかし、二人はしつこかった。語れ語らぬの問答を小一時間も続けられ、ついに桜木は根負けした。しかし少しを語れば根掘り葉掘り聞く。これはたまらんとすべてを打ち明かすと、実は二人も酷い境遇にあったという。畑村は両親が日常的に暴力をふるい、金をむしり取っているとのことであった。岩崎は、学校で教員や生徒から酷いいじめにあっており、中学校を中退し実家の仕事を継ぐことになったという。桜木は、自分のようなひどい環境にあった人など、この世に二人といないと思っていた。然し、聞けば二人の方がむしろ修羅場をくぐってきたことが分かった。同じ境遇の男二人は、すぐに打ち解けた。この二人も、また陸軍に召集されていた。場所も、偶然にも同じであった。これは運命じゃないかと三人で話が弾んでいた矢先、車掌が目的地を告げた。支度をはじめて降りた先は、日本国旗が高々と掲げられた、基地であった。 ・・・そして何年かが過ぎた。二人は教官のしごきに耐え、二等兵として戦地に出ることになった。 そして、初陣は華々しい勝利を飾った。 敵国の基地の警備が手薄な間に侵入し破壊工作を行うというものであった。 日本軍は、勢いそのままに奇襲・強襲を重ね、順調に勝利を重ねていった。が、それは、連合軍の罠であった。日本軍は、罠に深々とはまってしまった。 勢いづいていた日本軍は、神出鬼没の昼夜を問わない攻撃、そして連合軍本来の圧倒的物量に、少しずつ押されていった。そもそも調子が良かったのは、桜木が所属する隊だけで、他の隊は大敗を喫していた。日本軍側の物資は、底を尽きかけていた。連合軍を押し戻そうとしても、押し戻せない状況になっていった。そして大本営からは、とある小さな島の基地を制圧するような命令が出た。一発起死回生に賭けた命令であった。 桜木は、桜庭福男(さくらばふくお)大尉、稲葉正英(いなばまさひで)中尉、潮弘(うしおひろむ)少尉が指揮をとる7班の所属となった。そこには、岩崎と畑村もいた。桜木は、求めなくともまわりには、人だかりができた。彼は自分が性格が歪んだ根暗だと思っていた。確かにそれは間違いではなかったのだが、真の彼は、心優しく、気遣いの上手な好青年であった。それに、仲間たちは、様々な境遇や戦地を体験していた。根暗など、それらに比べたら優しいものだったのだ。みるみる友達はできたが、彼は疎ましく、面倒くさく感じた。しかし、心の底の片隅で、少し嬉しく思う感情が芽生えていた。桜庭大尉は、50すぎであり、性格は厳しく、そして人情に厚かったため、同じく慕うものは多かった。桜木は、実は、桜庭のようになりたかった。長らく友人がいなかったからだろうか。 さて、1942年の11月19日、彼らは味方軍基地のすぐ近くに不審な塹壕があるのを発見した。中には誰もいなかったが、敵軍のものらしいということは確かだった。いよいよ戦いは差し迫ってきているようだというのは皆、口を開けずともわかりきっていた。いつ攻めてきてもいいように、厳戒態勢を敷き、武器の手入れをより丁寧にやった。実をいうと、桜木も、畑村も、岩崎も、前線に立つのは初めてであった。初陣では後方支援であり、敵もほとんどおらず、注意するべきことといえば哨戒機の警戒くらいであった。しかし、ここはそんな生やさしい後方ではなく、前方も前方、味方基地自体が敵基地の近くであった為、厳戒態勢に対して気持ちが張り詰めた日々が続いた。緊張も頂点に達しようとしていた25日の正午、基地周辺の森で、一発の銃声を皮切りに、激しい銃声が聞こえ始めた。途端に基地は騒がしくなり、桜木ら新兵らも、装備を整え、指示を待てと言われた。小一時間経った後、桜庭からこのようなことを聞いた。「2,30程の敵兵が、塹壕を掘り進め、基地に忍び込もうとしているのを友軍が発見、戦闘になったとのことだ。対応にあたっていた5班の北浦と本松が戦死、樺木と佐々木と稲垣が負傷した。忍び込んだ敵は全滅した。」と。 以後も小競り合いは続き、上官らはこのような決断を下した。「来る11月30日、敵基地に中規模な攻撃を仕掛け、敵軍を牽制する。2班11人、6班11人、7班15人、11班8人、16班15人の60名が作戦に加わる」というものだ。2班の指揮は梶野龍平大尉、6班の指揮は斎藤一騎大尉、11班の指揮は灘正治大尉、16班の指揮は桑原延太郎大尉である。本拠地である大きな第一基地の近くのやや規模の小さい基地第二基地のすぐそばの塹壕まで来た際、2班の梶野が、班を率いて勝手に奇襲を仕掛けた。敵の爆薬庫を一つ破壊したが、2班副隊長蒲野紋太が敵の狙撃兵の犠牲になり、蒲野含む5人の兵士を失って帰ってきた。熱血且つ堅物で知られていた11班の灘は、梶野の襟を掴み、「なぜ上層部の命令に背いた!貴様さては敵のスパイか!」と詰問すると、梶野は動揺した様子で、「さきほど無線に”16班と2班は奇襲を仕掛けよ”という命令が入った。途中で16班が動かないのに気付き、急いで引き返したが副隊長と尊い部下4名を犠牲にした、16班に詰め寄るつもりであった」と返した。これに対し桑原は「そのような無線は入っていない。お前の聞き間違えだろう。お前はよく聞き間違えるからな」と答えた。眉を顰め唇をかんで不満そうにする梶野の心境を察し、桜庭がこういった。「嘘か真かは無線の履歴を調べればわかること。梶野、無線を貸してくれ。」梶野は大人しく無線を桜庭に渡す。梶野の無線機は、周辺50mの電波を傍受できるものである。「確かに、無線が入った履歴がある。しかし、何故だ?信号は…第一次世界大戦頃に使われたタイプからだ。冷静に考えてつながるはずもない、それに、本部が使用しているものは、最新式の筈だ…」それを聞き、桜木は背中に冷たいものが走った。「では…ではこれは、どこから…?」落ち着き払った言葉も気の利いた言葉も出なかった。桜庭大尉と潮中尉を見ると、二人とも、額に汗を流していた。「わからない」すぐさま二人は言った。 梶野は「敵の作戦の可能性は?この距離であれば敵基地の誰かが攪乱のために使っていてもおかしくはないのでは?」ときいた。一瞬の沈黙の後、斎藤が「その可能性は、大いにあるだろう。この基地を、倒して確認すればいいことだ。異論はあるか?」と聞いた。「異論なし」「賛成」の声が兵たちから聞こえ始めた。しかし、正面突破をすれば、返り討ちをくらうことは確実であり、火を見るよりも明らかである。隊長たちの会議の末、包囲作戦をすることとなった。作戦2班は背後、6班は左、7班は右、11班は正面、16班は外部にいる敵を一掃するというものだ。実行すると、敵は当然ながら激しく応戦してきた。彼らは死に物狂いで銃を撃ってきた。だが、包囲の前に、崩れ去った。味方側に死者も、重傷者も出なかった。梶野の無線に入った不審な命令の謎を解き明かすべく、基地をくまなく探し回った。
本文続き 追記:もしかしたら明日完成してしれっと未完成という文は消えているかも? 追記2:予言(?)は本当になりました。 ------------------------------------------------------------------------ しかし、生存兵55名が血眼になって2時間探しても、基地の中から第一次世界大戦時に使われていたような無線は、見つけられなかった。そこで、数名の生き残った敵兵を捕虜として、問いただすことにした。だが、口々に、「我が最新鋭の基地にそんな、古いものはない」と言った。後味が悪いなか、帰還命令を受けて味方の基地へ戻ることとなった。序にこの謎を誰かに聞いてみようという気持ちは、そこにいた誰もが持っていた。が、この一筋の希望は、あえなく消え去った。上層部も、軍の誰かも、誰も梶野が無線を受け取った際に無線機を使用していないとのことだった。証拠に、その時間帯の無線発信履歴も、もぬけの空だった。あまりに気味の悪いものであり、また幾ら考えても手掛かりは思いつかず、結局闇に葬り去ることにした。だが、彼らの努力を嘲笑うかのように、無線が、また入っていた。しかも、就寝時に。同班の鏑場正輝中尉は、分解などをして、敵の第一基地から発せられているものではないかとの解析をしたが、最後までその怪電波の真相は分からなかった。梶野は、無線機を変えた。 何週間かが経過し、ついには夏に入り、蒸し暑くなった6月のある日、上層部から戦慄するような無線が届いた。 「サミュエルトン島(仮名)基地日本軍は、進退を極め、物資もいよいよ底を尽かんとする。ついては、来る8月1日、敵基地への総突撃を決行する。身辺を整理し、あるだけの装備を使い、来る時に備えるべし」 —————総突撃。それは、しを意味していた。 上層部からの命令を受けた皆は、動揺した。しかし、しばらくするとあきらめがついたのか、皆、身辺整理を始めた。 皆、無口だった。 桜木は視界が歪むほどの衝撃を受け、19年の命が辺境の島に散ることになることを悟った。最後の晩餐も味が全くしなかったし、誰に何と言われようが、さっぱり頭に入ってはこなかった。しぬ、ということ。それは、若き青年兵にとっては理解がしづらく、また、理解したくもないものであった。涙が、とめどなく流れた。 そして、1日が、その時が、来た。皆、頬はこけ、顔色は悪く、目の下に隈ができているものも多数いた。それもそのはず、彼らにとってし刑判決を下されたようなものだ。7班では、桜庭が重い口を開いた。「総突撃。それを聞いて心中穏やかでいられるものは誰もいないだろう。中には、遺書を書いたものも多いはず。しかし、君たちには帝の臣民として、最後のご命令を忠実に実行していただきたい。以上だ。」気丈にそう語る桜庭の目は赤く、隈ができていた。 敵軍第一基地の付近の、岩場に出た。ここから、総攻撃をかけるのだ。桜木が右を向くと、同じ班の分田が震えていた。桜木の一個下である。「これより天皇陛下万歳を唱え、敵基地に向けて玉砕覚悟の最後の突撃に入る!装備を確認!天皇陛下、ばんざーい!」潮が叫んだ。「バンザーイ!」「バンザーイ!」「バンザーイ!」「突撃ーーーーー‼‼!」火ぶたは切って落とされた。次々と、生きた銃弾と化した兵達が、敵基地に向けて突っ込んでゆく。そして、次々に、斃れてゆく。そして、仲間の体を乗り越えて、敵基地へ肉薄してゆく。驚いたのは敵である。突如として日本軍が現れ、狂ったように突っ込むさまを見た米軍の恐怖は、計り知れない。桜木は走った。頭は空っぽだったが、時折このまま走って米軍の基地へたどり着けば、あるいはこのまま捕虜になったなら、助かるのではないかという考えも頭に浮かんだが、日本を信じ突き進む仲間たちを見て、すぐにその考えは消え去った。視界の端で、灘大尉が倒れた。その近くには、斎藤が一緒に倒れていた。 息は切れ切れで、弾も残り少なくなってきた。近くをかすめる銃弾の数も、次第に増えていっている。てんで打ちまくり、目をつぶって突っ走っていると、何やら硬いものにあたった。目を恐る恐る開けてみると、それは基地の壁であった。近くを見ると、何名かの仲間が生き残り、また突撃の準備を始めていた。その何人かの中に、畑村と岩崎、そして桜庭、潮、稲葉がいた。しかし潮は左脇腹に数か所の銃創があり、その場に倒れこんで息も絶え絶えでの状態であった。仲間がすぐさま駆けつける。すると、「俺はもうだめだ、助からないんだよ!この傷を見ろ!もうじき出血多量で死ぬ。だから、無駄な体力を使うな。そんな体力があるのなら、敵へ向けろ!さぁ、皆行け!俺もただで死ぬ気はない!」といって、追い返した。そしておぼつかぬ足で走り出し、基地の入口の前に立つと、手りゅう弾のピンを抜き、足元へ置いた。「じゃぁな新兵ども!あの世で待ってるぜ!」と言い残し、周辺の敵諸共吹き飛んだ。稲葉は、「あいつは酒飲み友達だったんだ。あいつに何が何でも報いなきゃあの世で酒瓶で殴られちまうよ。弾切れだが、刀はある。千人切りでも目指すかな。俺も行くぜ!桜庭大尉!あんたは兵たちを統率しな!」と言い残し、基地の中へ消えた。そこへ、梶野と塩崎が追いついた。「あれは、稲葉…か…?あいつ、千人切りでもやる気か…?」と梶野が言った。「ていうか、あれだけいた奴らが、見た感じ10人いないんじゃないのか??」「ああ、そうだな。この人数で、何ができるか…まぁ、ビビらせるくらいはできるかな。でも、突っ込むことだけはやめてくれよ?」「なるほどダメか。」「当たり前だ」塩崎と桜庭が呑気にやり取りをしている。「よし、そろそろ行くか!」桜庭が点呼をかける。「1班隊長補佐、長崎篤弘!」「2班指揮、梶野龍平!」「2班副隊長、塩崎榮太郎!」「5班、柿村真悟と島津達哉!」「7班桜木迅!」「同じく7班畑村清弘と岩崎健志郎!」「11班石井辰巳!」「14班佐戸井萬斎!」 「よし、この隊の統率を任された桜庭福男だ!これより、最後の突入作戦を実行する!」「だが、前途ある若者たちを犬死させるつもりはない!帝の意にも背き、軍法違反ではあるが、この隊を生存決死隊と名付け、生存を目標に作戦にあたる!ここにはじき敵が来るだろう、潮が最後の力で開き、稲葉がつないでくれた道だ!そしてここにたどり着けなかった仲間のしを無駄にしないため、ここから生きて、仲間を弔おう!決行!」生き残った11名は、小さい陣形を組み、敵基地へ侵入した。次々に襲ってくる敵を打ち倒し、いま、敵基地の真ん中へ来た。しかし、敵の抵抗は激しかった。「島津伍長、被弾!」「佐戸井一等兵が戦し!」「石井二等兵被弾!」仲間が次々に凶弾に倒れてゆく。敵は手榴弾を使って隠れられる物陰をなくし、集中砲火を浴びせてくる。絶体絶命の中、誰かの投げた手榴弾が、火薬及び武器庫の前に転がった。「しまった!撤退!火薬庫が爆発するぞ!」という長崎の叫び声と同時に、火薬庫が吹き飛び、大火災を引き起こした。「おい、長崎!大丈夫か、どこだ!長崎!」誰かが叫んだが、長崎少尉は、その時には姿形がなくなってしまっていた。「撤退!撤退!下がれ、炎に巻き込まれるぞ!」生き残った数名は、急いで火薬庫から離れようと走る。地面に空いた穴をよけながら。と、その刹那、桜木の目の前が昼間かというほどに光った。 地下に、爆薬庫があり、地面の穴から炎が入り込み、引火したのだ。爆薬庫は、あたり一帯を吹き飛ばし、基地の面影はすでに無くなっていた。何時間かののち、桜木は、瓦礫の中で意識を取り戻した。全身が焼けつくように痛い。しかし、体は辛うじて動く。瓦礫の下から桜木がはい出たとき、地上は焼け野原と化していた。桜木は、自分の目が信じられず、ただ愕然と した。辛うじて起動できた無線機から終戦の知らせが届いたときには、もう、遅すぎた。生きて玉音放送を聞くものも、 誰もいなかった。 見上げると、夜空に満天の星が輝いていた。星一つ一つに、敵味方の立場を超えた、それぞれの友人の、同胞の、家族の、顔が浮かんでは消えた。 この絶海の死地で桜木は一人生き残ったのだ。 ただ、一人… そして、生きて内地へ帰ることができた桜木は、何年か経ったのちに、米軍基地を訪れた際、怪電波の出所を知ることができた。第一基地司令官のジス・アントロニーと、本部のロバート・マックィーンが共謀して秘密裏に作った、攪乱兵器であった。確かめる証拠も、証言者も、すべて瓦礫の下に沈み、永遠に口を閉ざしている。 桜木は、生前反戦の署名を集めたり、戦争反対活動をする団体に多額の寄付をしたりしていた。口を開けば戦争や反戦のことばかり口にしていた。家族はなぜそこまで戦争にこだわるのか、理解できていなかったが、この手帳が、すべてを物語っていた。