設定の分かりにくさが自己満足。 [設定1 -脇役-] 芦場 白(アシバ シロ) 15歳 完璧主義者で優等生でいい子ちゃん。地味な服装を好むのでほぼ全身モノクロ。口うるさいわけではないが冗談が通じないあたりが嫌われ者。プライドが高い。鍋を被っていること以外まともで年長者には気に入られている。鍋を被っているくせに他の制服はバッチリと着ている。鍋を被っているくせに礼儀を大切にしている。鍋を被っているくせに視野は広く自分の状況や社会の状況を客観的に把握することができる。ただ人の気持ちは分からない。だからこそ人間関係で苦悩しがち。ナンセンスなジョークが好きでDEATH NOTE風の書体で「MATH NOTE」と書かれたノートを愛用しているようだが、それがDEATH NOTEのパロディだなんて普段の行いのせいか誰にも通じない。好きな食べ物はムール・フリット。その手持ちの鍋にムール貝を入れて蒸すのだ。 ー過去ー 私には友達でもなんでもないけれど、気に入った同級生がいた。真面目な彼がクラスから浮いたりしないように、私は自らいい子ちゃんの嫌われ役を引き受けて真面目になることにした。私には友達も何にもいないけれど、気に入ったクラスがあった。うるさかったし不真面目だったけど煩くはなかった。厳しい教頭先生がクラスに土足で入れないように、私がクラスの顔になって清廉に見せることにした。そんなもの全部自己満足だった。それでも自分が何かのためになっていることが嬉しかった。それが私の始まりだった。 私は中学に入るとすぐに孤立した。学校は行儀が良ければ褒められる世界ではなくなった。一年生にして早々にクラスのアルゴンになってしまった。大手を振って動く酸素や、うまく溶け込む窒素たちに紛れる0.93%の歪な虚無。でもクラスの中で孤立してもいい子を貫いていれば満たされていた。自己満足万歳である。まあ、こっそりやってたTwitterでリアルの代わりに充実してたなんてことが心の支えになったこともなくもないけど。 でもそんな暮らしの中でクラス内の「村八分」を見つけてしまった。見つけるのは簡単だった。洞察力には自信があるのだ。村八分の対象はクラスの中心人物、一軍ちゃん(あまり人の名前は覚えていないから仮にこう呼ぶ)だった。彼女はそれまで所謂一軍で、当然私とは真逆の存在で、私は不真面目なだけのような彼女のことが嫌いだったし彼女も私が嫌いだったと思う。しかし彼女は絶対に私の陰口を言わなかったし、陰で努力を怠らなかった。根は責任感がある性格であることは分かっていたし、だからこそ急に無責任な取り巻きたちに手のひら返されることも不思議ではなかった。だから私は彼女の凋落を見たくはなかったのだ。彼女を助けようと思ったのだ。今まで話しかけなかった分際で烏滸がましいとは思うけれども。だが普段クラスメートと話してこなかった私に一軍ちゃんを助けられるだけの影響力がないことは自明だった。周囲の人間を見限ってきた強い自分の弱さを改めて実感した。そして一軍ちゃんとバスの隣に座ってお互いの趣味の話をすることしかできない日々が続いた。これで助けるだとか寄り添うだとか大口を叩いて、やはり自己満足甚だしいのである。 結局私がしたことは本来一人の不登校をもう一人増やすことだったのだ。「成績優秀で真面目な生徒が不真面目な劣等生と道連れに不登校になった!」こんな情報が教師達の頭を煩わせただろうが、結局彼らがしたことは私を一軍ちゃんが虐めていたという事実無根な噂を立てることだった。結局教師も私もいじめの解決なんてできない。おあいこだ。計画的で突発的な不登校。全くどうかしているのだ。彼女を一人にするべきでないというもはや恐怖すら感じる独りよがりである。結局不登校になった後も一軍ちゃんは私のことが嫌いだったかもしれない。部屋のこたつで隣に座って勉強するだけの日々が続いた。 それでも一軍ちゃんの努力が報われて第一志望に受かったということだけで私は飽和している。私が彼女のための足場になれたというだけで私は飽和している。卒業式も近い。私はあのまま学校に通い続ければきっと学校最優秀生徒として表彰されただろうか。だがあの中学の卒業式に出るつもりなんてない。フキノトウが生える季節までの辛抱である。 しかし何にせよ新生活云々以前にいい加減友人の名前くらい覚えるべきなのである。 [設定2 -主人公-] 十字 花蓮(つじ かれん) 15歳 天真爛漫。自分に厳しく他人に甘く努力家。可愛いものが好きで自分で買う服装は全部色鮮やか。アノマロカリスは可愛い判定。色んな人に好かれる分色んな人から刺されそうな目で見られる。理想主義的で空回りしやすい。昔一軍としてクラスの中心だったが、恨まれやすくもあったからいつのまにか歪な虚無になっていた。しかし、取り巻きに裏切られることは当然で自分は取り繕えなかっただけだと思っている。そんな生活を送っていたら委員長(仮称)という普段話さないがとりあえず避けていた生徒が話しかけてきた。最初はただの真面目なつまんないやつだと思ってたが思ったより面白かったし優しかった。だから一生懸命勉強して委員長(仮称)と一緒の学校に行くことに決めた。遊ぶ時間も、学校に行く時間も、無駄な時間は勉強することに決めた。絶対に自分を囲う人がいないところへ行くことに決めた。 あ、委員長(仮称)の名前今からでも聞いとこ。
Muziek:きみに回帰線/稲葉曇 Musique:ロウワー/ぬゆり