【親愛なる過去人へ】 「ねーミロク、オシゴトもう終わったぁ?」 「ちょくちょく邪魔にしに来る誰かさんのせいで全くだ。」 「誰それ?シイナちゃん分かんないな〜。」 「……。」 「しっかし今日の外うるさいね。なんかでスピーチしてんのかな?」 「どうせ陰謀論者だろ。ギリギリ知能テストに引っかかってないだけの。」 「なんであんなのでも通過できちゃうんだろうねー。そりゃ大して難しくはないけどさぁ……。」 「どうせ次くらいで引っかかってしょっぴかれるぜ。」 「そうかなー?ああいうのは意外としぶといイメージ……あ、見てよミロク!ベランダに猫ちゃん来た!よーこそ、あたしたちの仕事場へ〜。」 「なんか餌やるか?」 「いい。きっと他でもらってるよ。」 「……人間が猫に弱いのは、ずっと昔かららしいな。」 「お金がかからない娯楽だもんね。」 「昔の奴らはむしろ無茶苦茶金かけて自分専用のを飼ってたんだと。」 「へー、お金使ってまで。独占欲強いね。」 「……お前、歴史とか民俗学とかを学ぶ意味ないって主張してたタイプか?」 「うん。よくわかんないし。」 「そーかよ。」 「ミロクは好きなの?」 「まあまあ。」 「ふーん。じゃーさ、今までに勉強した中で何の話か好きだった?」 「……名前、とか。」 「名前?」 「昔は個体識別の方法が番号制じゃなかったらしい。漢字使って決めてたとかなんとか。」 「それって何桁くらいなの?」 「3~5文字が一般的らしい。」 「それ結構な確率で被らない?」 「漢字は種類が多いだろ。それに、意味を込められる。」 「ふーん。やっぱりよく分かんない。」 「全く……。次の知能テストでしょっぴかれるのはお前かもな。」 「えー、やだなー。バックれちゃダメ?」 「人間の義務だぞ?命を捨ててまで逃げたいのか?」 「ミロクがいるならいいかなー!なんちゃって!」 「俺は絶対に嫌だからな?」 「ハイハイ、分かってるよ。」 「……ただ、」 「ん?」 「……かつての人間の生活を学んでいると、この時代の生活はひどく窮屈に見える。」 「あれ、もしかして嫌になった?」 「そんなわけじゃ……」 「いーや!嘘だね!ミロクはミロクに嘘をついてる!それじゃあさ______ ___逃げてみる?」
サイバーパンクな会話文を書いてみました。 【補足】 この時代は、個人を番号で識別しています。 ミロクはXXXXXXXXX369、 シイナはXXXXXXXXX417という番号のためそう呼んでいるようです。 あと、国民は知能テストの結果で厳選されているらしいですね。引っかかったら……どうなってしまうのでしょうか。