【架空戦争】 「本日は、どうしてわが新聞社へ?『話さねばならないことがある』とおっしゃってたそうですが……。」 「世界で最も無駄な装置を作ってしまったのです。このままでは世界が崩壊してしまうかもしれない。その前に、メディアという形で広めていただきたいのです。」 「はあ。ともかく本日はよろしくお願いいたします。」 「はい、よろしくお願いします。」 「……単刀直入にお伺いしましょう。一体全体あなたは何を作られたのですか。」 「戦争をする装置です。といっても、架空の世界ですが。」 「戦争?いったいなぜそんなものを……。」 「人類の科学力が発展するのは、いつだと思いますか?」 「新たな技術が作られたときでしょうか。」 「それが生まれるのがいつか、というお話です。」 「……。」 「戦争の時ですよ。戦争という必要に駆られてこそ科学力は発展してきました。しかし、今は人間でなく暴れ回る自然に対し戦う時代です。これでは新たな技術など、あくびが出るような年月がかかります。」 「そういうものなのでしょうか。」 「少なくとも、私たち開発者はその思想の元これを作り上げました。」 「なるほど。具体的にはどのような働きをするのですか?」 「自国のシュミレートをしながら、どこに何の戦闘機を送り付けるのか、何の弾を落とすのか、各々の首相が選択していきます。政策から金銭面まで、ほとんど現実で戦争しているように仕上げてあります。当然下手を打てば容赦なく国民は消えてゆく。架空でも国民は国民ですから、努めて戦争に勝利しようとします。しかも、対戦相手は世界各国の首相たち。負けるわけにはいきません。」 「なるほど、それはすごい。架空の世界で世界規模の戦争をしているというわけだ。」 「はい。じきに、彼らは技術が足りないと感じ始める。しかしこの装置では、実在の兵器しか使うことができません。そこで、新たな技術を完成させるというわけです。」 「すばらしい。誰も傷つかずに世界の発展を見込めるのですね。しかし、何故『世界一無駄』な装置なのでしょう?」 「実際に被害を出さず、ずっと飽きずに対戦できるのですよ。今では全世界の首相が中毒のゲームになってしまいました。」
昔、この研究者みたいな思想だった友人がおりまして。そいつは嫌な中二病の拗らせ方をしていたのですが、寛解したのでしょうか。