この物語は完全にフィクションです…? ーーーーー1日目。 彼女はまた、あの場所へと向かう。 少し寂れた駅前には似合わない広場に、ベンチが一つ。 そこが彼女の“待ち合わせ場所”だった。 ふと彼女は木に目をやる。 その桜の木は、1ヶ月程前には美しい花を咲かせていたが、今は青々とした緑に染まっている。 何年もこの場に座り、友を待ち続けた彼女にとってはそれは見慣れた光景だったが、しかしその光景はいつになっても彼女に儚さと寂しさを感じさせた。 「桜の花は永遠に咲くことのなく、すぐに散ってしまうが、その過程があるからこそ、桜は美しいー」 それは常々彼女が思っている事だった。だからこそ、彼女は待つのだ。 散ってしまった幸せが、また花咲くことを信じてー しかし、今日も誰も来ることはなかった。 彼女はまた、家に帰った。 『桜』 haruharu_0905 ーーーー92日目。 彼女は今日も待ち合わせ場所へと向かう。 その日は雨だった。彼女は傘を差して行った。 桜の葉に水滴が付き、そして落ちていく。 その光景を彼女はずっと、眺め続けたー ーーー193日目。 その日は少し蒸し暑かった。 桜の葉はそれでも元気だった。 風が吹くと、葉は擦れて音を立てる。 それは、どこか昔の、皆との会話を連想させて。 彼女は、少し悲しくなった。 ーー2195日目。 彼女はまた、待ち合わせ場所へと向かう。 彼女がそこへと向かう道に、人などいるわけもなく。 道端にいた猫だけが、彼女を安心させた。 だが、現実が̍͗͑͠変わるわ̄̈̓̅̚͠けで̄̀͛̒̍͠は҇͊̅̆な҇̍̐̌̊い̂̾̆̑̕。͒̉͝ ー32290日目。 彼女はまた待ち合わせ場所へと向かう。 しかし待てども待てども人は来ない。 聞こえてくるのも、風で葉が擦れる音だけ。 いつものように時間が過ぎる。 常人なら、とっくに精神が壊れていただろう。 しかし、彼女は何も言わず、何も苦しそうにせず、ただ待っていた。 それは、彼女の精神が強かったわけではない。 彼女が、もう壊れてしまっていたからだった。 132200日目。 彼女はまた、待ち合わせ場所へと向かった。 街も、駅も、全ての時間が止まってしまったかのように静かだった。 彼女は、過去のことを思い出す。 友達と一緒に色々なことをして、それでも笑い合っていた、あの日。 もし、これが夢だったら。 もし、目が覚めたら、またみんながいたのなら。 彼女は何回、こう考えたのか。 しかし、今やもうそう考えることも無くなった。 赤い夕焼けに照らされた葉は、まるで宝石のように光り輝いていた。 132220日目。 今日は「命日」だった。 彼女は待ち合わせ場所とは反対方向へと向かった。 家もないような、静かな山奥の研究所。 彼女は鍵を使い、中に入っていった。 「今日でもう、362年目なのか…」 彼女の声が部屋に響いた。 彼女は昔 ー362年前のことを思い出す。 ー 「僕が…”適合”…?」 所長の言うことが信じられなかった。僕は、みんなと一緒にタヒねると思った。 だが、どうやらその考えは甘かったようだ。 僕は研究者として長年所長と共に研究に努めてきた。 休日は大学の友達と共に全国を旅したり、幸福な毎日を過ごしていた。 そして、その幸福は一生続くと思っていた。 が、その幸福は最悪の形で幕を閉じることとなった。 地球沸騰化による異常気象により、南極の氷が溶け、何千年前もの細菌が流行することとなった。 その細菌にはどんな科学者も、歯が立つことがなく。 そんな中、うちの研究所は、皆が生きることではなく、 せめて、人類が絶滅しないように、それだけを目指した。 その細菌への特効薬は制作できないため、不老不死の薬を作ることに決まった。 そして、ついにそれは完成した。 しかしそれは非常に高額であり、ここの研究所は大規模とはいえ、資金が足りない。 他の研究所にも協力を要請したが、有名な製薬会社が特効薬製作の呼びかけをしたため、他は全て細菌へのそちらの製作をしており、全てを諦めるような僕たちの研究に協力するような研究所はいなかった。 結局、借金をして作る事になったが、それでも二人分しか作れない。 しかも、その薬は人を選ぶ。特殊な抗体を持つ者でないと体がその負荷に耐えきれず腐ってしまうのだ。 ーそれで、その抗体の持ち主を探していたのだが…。 今まで、こんなにも「タヒにたい」と思うことはなかった。 僕も、みんなと共に運命を共にできるのだと。 そう思っていたのに。 今思えば、この時点で僕は壊れていたのかもしれない。 他の適合者を探した。全力で探した。 しかし…見つからなかった。 僕の友達は、全員僕を応援してくれた。 ここまで嬉しくない、寧ろ僕にとっては嫌な応援も初めてだった。 そして、涙ながらに応援されたのも、初めてだった。 彼女たちの気持ちは、今となっては分からない。 ただ最後に、僕の妹が言ったこと。 『頑張ってね』 その言葉と、その時の彼女の、目を赤くした笑顔は、一生忘れることはない。 もう一人の適合者はいかにも気弱そうな男だった。 正直、彼と子孫を残すのは気が引けたが、適合してしまったものは仕方ない。 ただ、孤独じゃなければいいと思っていた。 孤独じゃなければ…。 目が覚めると、彼は腐っていた。 彼はただ「タヒにたくない」という思いだけで適合した、とウソを吐いていただけだった。 この瞬間。 僕の心は本当に、壊れてしまった。 ー そうして、彼女は今日も、『待ち合わせ場所』に向かう。 ここで待っていれば、旧友、それでなくとも誰か、人に逢えると信じて。 彼女にはそれ以上の思考はできなかった。 いや、したくなかった、というのが本心だろう。 考えてしまえば、孤独の恐怖が襲ってくるから。 132221日目。 彼女は簡単な朝食…最もそれは腐ってしまった食料を機械で加工してどうにか腹を壊さないよう工夫したものだがーをとった後、また『待ち合わせ場所』へと向かう。 脳裏に、過去の楽しかった日々を浮かばせながら。 まるで時間の止まってしまったような道を、彼女は一人歩く。 猫も、今日は姿を見せなかった。 そうして彼女はまた、広場のベンチに腰を下ろす。 誰かが、きっと自分を見つけてくれることは、もう頭にはない。 ただ、この現実を直視しないようにしたいだけだった。 桜の葉が、どこか懐かしい音を立てた。 ー いかがでしたでしょうか? 今回の物語。実は、完全にフィクションかと言われるとそうでもなく、実は元になっていることがあります。 えーっとですね。うちの…あの…名前は出しませんが…仮称Aさんがですね?もうね?何日顔を出さないんでしょうかと。 こんなにも待ってるのに来ない来ない! もうね、どうすりゃいいんですかね。何をすれば彼女は来てくれるんですかね!?!? そんなことを思ってると、ふとこのワンダフォォrrrアイディィィア(ネイティブ)が浮かんできたわけですね。 ちなみに、気づいたかは知りませんが。 実は1日から132291日って、結構離れてると思われると思うんですが(?) 正確には『ーーーーー1日目』から132221日目なんですよね。 どういうこと? →つまりは、このーーーーーの部分にも数字があるんです。 なので、正しく表すと132291目から132221日目なんですよね。 ちなみに、途中で一気に時間が飛ぶところあると思うんですけど、そこは正直ネタ切r(((( お許しください() 背景の色は桜の葉をイメージしました。