【夢乃side】 暗い夜道をできるだけ足音を立てない様駆け足に進んでいく。右手にあるスーツケースには先程手に入れたブラッドが入っている。早く本拠点に戻らなければ。 「お、ちょっと嬢ちゃん。少し時間くれねぇか?」 ふと目の前にフードを被った若い男が現れた。 「すみませんが急いでいるので。他をあたってください。」 そう横を通り過ぎようとしたとき引き留められるように彼に腕をつかまれた。 「俺は嬢ちゃんがいいんだよ。ね、そのスーツケース重くねぇか?俺、持つぞ。」 彼がスーツケースを取ろうとする。私は強くスーツケースを胸の前で抱き、彼に強くにらんだ。 「あーなるほど。ビンゴってわけか。」 しまったっ。彼はスーツケースの中身を知りたくてわたしに近づいたのだ。きっとわたしたちと敵対しているスパイチーム「Current」の一人だろう。 「嬢ちゃん、怪我したくなきゃあそいつをよこしな。」 先程よりもスーツケースを強く抱きしめる。戦いたいところだがスーツケースが邪魔で戦えない。攻撃を避けつつ逃げるしかない。ただ追いかけられると本拠点にご招待してしまうためしばらく逃げ続けるしかない。 数時間後 「っ…。」 彼の武器は斧。動きが遅いと予想していたが大外れ。戦況はかなり不利。応援を頼むしかない。 「和泉さん、現在どちらにいますか?」 任務完了から帰宅が遅いため司令官が連絡をしてきた。 「現在『Current』の者に狙われ戦況がかなり不利です。誰かわたしの代わりに戦闘できる人を呼んでください。」 「かしこまりました。応援がつくまで少し時間がかかります、そこまで耐えていてください。」 そう司令官が言うと通信を切った。 「なに…嬢ちゃん応援呼ぶの?だる…。白石、出れるか?」 すると建物の陰からまるで人形のような女性が現れた。右手に鉄扇を握っている。 「山内さん、油断しちゃだめだよ。応援なんて呼ばれちゃだめじゃん。」 「悪いって」 まずい。あちらも応援を呼ぶことを想定していなかった。 白い肌の少女がこちらに鉄扇を向け攻撃をしかけてくる。あまりにも突然のことすぎてただわたしには呆然と見ていることしかできなかった。 思わず目をつむる_ がいつまでたっても攻撃は来ない。恐る恐る目を開くと青い髪のツインテールの少女が鉄扇を剣で受け止めていた。 「夜月さん…」 「遅れてごめんなさい…すぐ片づけますんでスーツケースを早く本部へ…!」 そういい彼女が鉄扇を剣で弾く。後ろから先程の男が斧を持って襲い掛かってきている。 「わかったわ…ありがとう。」 わたしはそう言い立ち上がるとスーツケースを強く抱き走り出した。 【To be continued ...?】
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