<ノロイ目線> 「ハハハ…」 さーて、一応こんなふりをしているが…。 俺は一度コイツにビビって出てこれなくなったことがある、冷静に、されど狡猾に。 できるだけ余裕をもって楽しんでいこうか。 集まれ、ここは負の巣窟。 "俺"の独壇場だ!! 「ハッハァ!!」 「おお」 俺は目の前のバケモン(←撃羅 超)に対して呪いの触手を放つ。 物量で潰したるわ! 「量だけはいっちょ前だなぁ!」 おいおいやべぇな! 全部弾きやがった。 「そらあ!!」 バケモンが俺に膝蹴りを放つ。 「ぐぅ!?」 予想以上に威力が高え、頭がおかしくなりそうだ! 掌挟んで守れたが…随分でけえ青あざができたもんだなぁ。 「…」 …なんだ? 急に目を閉じて掌をこっちに向け始めた。 色々と試してみるか。 少し移動しても、別に変わんねえな。 「なあんだつまんねえじゃん」 俺は油断して突っ込む。 それが、命取りだった。 「…」 (『豪将噴火』) 俺の鳩尾に拳が寸止めされる。 「…!!?、があ!?」 刹那、それは飛んだ。 あのバケモンが極限集中して放った拳だ。 そりゃあ、やべえだろうな。 俺はもはや数キロ先に行くんじゃねえかってくらいに吹き飛んだ。 ぶっ飛んだ先で頭をぶつけてさらにダメージアップ、もうダメだコイツは。 強すぎるもん。 もうアイツ遠くて見えねえわ。 あーもう、もーちょっとこの体で楽しみたかったのになー。 <凛坐空 雹目線> …頭が強烈に痛い。 こんな痛みはあの頃以来だ。 殴られたのか?それだけでこれだけ痛むなんて、あまりにもおかしすぎる。 畜生、不平等な世の中だな。 俺はフラついた足をなんとか力ませて立つ。 脳震盪か…立つだけでも手一杯だ。 吹っ飛んだ先を見ると、ビルが林立した市街地のような場所だった。 看板が書かれているな…。 『注意 この先、激戦区、覚悟無き者入るべからず』 これも寛容な運営がやったのか? どうでもいい、敵は多そうだが、隠れる場所はありそうだ。 俺は適当な跳躍でビルの上まで飛んでいく。 うん、いいな、ここは。 「うわぁ!!?」 「?」 「なんだお前!、ジャンプで来たのか!!?」 能天気そうな顔のガキ(←沼田 蓮牙)が俺に問いかける。 俺にはコイツを殺そうとするほどの元気も何もない。 「だったらなんだ」 「…!!?、クソッ!」 ソイツが背を向けて走り出す。 ビルの屋上だぞ、何をする気だ。 ソイツが踏み込んだとき、その足の下に亀裂が入る。 そしてソイツが跳んだとき、少し先のビルにまでそのまま行った。 最初からあれほどのパワーは出てなさそうだ、恐らく、身体能力上昇。 素人にしては踏み込みがよかった…ような気がしなくもない。 アイツの様子を見てみるか。 <沼田 蓮牙目線> なんだあの人(←凛坐空 雹)、ジャンプでビルの屋上まで来れるとかバケモノだろ!! なんとかパワー増加で逃げてきたけど、やろうと思えば俺なんか追って殺せたはずだ。 まあでも、見逃されてよかったー。 「ふうん!!」 「うおっ!?」 「あちゃー、避けられちゃった」 「なんだなんだ!?」 そこにいたのは、コウモリのような翼を生やした女子学生(←三宅 茶都華)だった。 床に亀裂が入ってる…けど、相手は女の子だし、何より年下だ、手を上げちゃいけない。 「やめてくれ、俺は人を殺したくない!!」 「大丈夫、私はほぼ吸血鬼だから」 そう言いながら急に俺の目の前に移動して薙ぎ払う。 「あっぶな!!、あ」 バックステップした先は、空だった。 まずいまずいまずい!!狭いことを忘れてた!! やばい、こんなとこで死んでたまるか!! 『…はあ、仕方ねえな』 え? なぜか俺の体が急に動いて、クールダウンを無理矢理突破して身体強化を重複させた。 そのうえで、空気を蹴りで弾いて屋上まで戻ってきた。 「戦いは久しぶりだなぁ、…はあ、おい、そこの女」 「?」 「ゲームマスターの場所は?」 「そんなの知らなi」 「そうか」 「!!?」 「じゃあ死ね」 俺の体は信じられないほど速く動き、その女子の顔面をぶん殴った。 「ふう」 何をしてる!? 『殺しただけだ』 女の子に手を上げたのか!!? 『そんなこと言ってる暇があんのか?』 ???? 『ここは激戦区、人を殺さねえと自分が死ぬ、そんな甘っちょろいやつにこの体を任せられねえ、こっからは俺がこの体を使ってやる』 「やめろ!!」 『!!?』 (体の指導権を奪い返しやがった…コイツ、普通の人間じゃねえ、何か特別なやつだ) ふう…なんとか戻れた。 …なんだろう、嫌な予感がする。 なんでか分かんない、なんで急に? どういうことだろう。 ---------------------------------------------- そのころ看板には、こう書き足されていた。 「Go」 「Run」 「away」 "逃げろ"、と。 <終わり>
「さて、始めるか」 登場人物 ・凛坐空 雹に潜むノロイ、凛坐空 雹 ↑様 ・撃羅 超 ・沼田 蓮牙 様 ・三宅 茶都華 様 ・復活した誰か