下書き ※筆者が行方不明となったため公開。
「ああ、あの時の話ですか?別にいいですよ、怖いけど実害があったわけでもないので。 いつだったかな...多分、夏?かな。うん、夏です。 そのころ、まあ若かったので。よく友人とドライブとか行ってたんですけど。そのときの話ですね。 どこだったっけ。すみません、忘れちゃったんですけど。どこかに行った帰り、ちょっと道間違えちゃったみたいで。山奥のほうに来ちゃってたんですね。んで、軽く周り見てみたらそこが墓地で。いやまあ、いうほど山奥でも無かったかもしれないですが。 それが他の人たちであれば肝試しに行こう、とかなるかもしれませんけど。そのとき集まってたグループは全員怖がりで、そういう空気にはならなかったんですよ。 ただ、山奥の見知らぬ墓地、ってだけで全員もう震えるくらい怖くなっちゃって。 誰かが言ったんです。"ラジオでもつけよう"って。そう言われて、ラジオをつけて、音量を上げたんです。そうすると、あんまり音質の良くない...なんだろう、その頃って個人で狭い範囲にラジオを流す、っていう趣味を持ってる人たちが一定数いたんですよね。今はどうなんだろ、分からないですけど。 で、多分そのたぐいの放送だ、ってすぐ分かるような番組だったんですよ、流れたのが。 それでまあ、別にその時はみんな恐怖が勝ってて、何も思わなかったんですけど。おかしいですよね、そんな送信元のアンテナも置けないような山奥だったのに、個人で制作したラジオが流れてくるなんて。 ...すみません、本当にこれだけなんです。 ほかの怪談だったらそのあともう一回見に行く、とかそういうのが入るかもしれないんですが、まあなんせさっきも言った通り怖がりの集団だったんで。 みんな違和感は感じてたと思いますけど、誰ももう一度行こうなんて言い出しませんでしたね。」 [紙をめくるSE] 「えー、続いてのお便り...質問かな、です。 "なんであなたはもう一度赴いたのですか" そうですね、何回か言ってるんですけど。呼ばれたからですね、やっぱり聞いてしまったのに自分だけ逃れようとするのは良くないと思ったんで。ハイ。次行きましょうか。」 [紙をめくるSE] 「"他のご友人はどうなるんですか?" うーん、難しいですね... いや、僕も呼んではいるんですが。ここまで来れない、っていう人もいれば、来たくない、って人もいるんで。 やっぱり厳しいですよね、全員呼ぶのは。 ああでも、この前一人来ましたよ。わかるかな、来栖です来栖。言い出しっぺなんでちゃんと来てもらいました。はは、めっちゃひどい顔してましたね。隈濃かったです。他人事すぎるかな? えっと、次が最後ですかね。」 [紙をめくるSE] 「"あなたは今どこにいるんですか" とっくにわかってますよね?笑」 ----- 僕がこのラジオをたまたま聞いた日の二日前、■■県に住む、来栖 修さんが行方不明になりました。彼は幻聴、幻覚等の症状に悩まされていたこと、また精神病院に通院していたことが調査で分かっていて、それらが原因となって家を出て、行方不明になってしまったそうです。 でも本当にそうだったんでしょうかね。まあ、もうどうでもいいですけど。 ----- 件名:この前の取材について 送信者:鷹野優 本文:見つけました。 [添付画像 : 頭の取れた地蔵。本来頭があるであろう場所には送信用のアンテナを小さくしたような物が刺さっている。] ----- 件名:RE:RE:この前の取材について 送信者:鷹野優 本文:すみません。もう受けられないです。 呼ばれちゃったので。 ----- メモ ・取材を基にして制作したラジオの文字起こしと、取材対象の発言切り抜き。 ・実地調査(できれば!) ・それっぽい資料の作成(実地調査できなかったり、いい画像無かった場合) ----- [メモ用紙の画像] なんで? (手書きの赤文字) ----- あとがき 私も呼ばれました。聞いてないのに。酷いですよね、ほんと。