EPISODE 31:物語の終わり 物語の力で敵を倒した後、俺とクライは天神ベーカリーでゆっくりしていた。翔真とファルド、ラネンも一緒にな。 「ここのパンが食べたかった…」 ラネンが呟いた。そうだったな、ラネンは一回ここに来たことがあるけど…食べれてなかったみたいだな。 「じゃあ!今日は俺の奢りだ!」 今日はサービスだ。他の世界にも天神パンを広めてくれ。 「はい、お待たせ〜」 店員さんがパンを持ってきた。 「よし、食べるk」 俺たちはパンを食べようとする…だが! 「何!?バァーンって衝撃音がするぞ!」 翔真が叫んだ。何かが衝撃音を鳴らしている。何かが終末を迎える音だ。 「クライ、翔真、ラネン、行こう!」 俺たちは音の鳴る方に走る。 「ファルドはパン食べててくれ!」 「え、困ります…」 俺はファルドを無視して走り続けた。 「根源は何だ…」 ラネンが呟いた。走っている間にも衝撃は続いている。 「あそこか…!」 俺たちは、衝撃の根源に辿り着いた。 「お前は…!」 そこに居たのは、黒いロングコートを着込んだ黒髪の男だった。 「俺と…似てる」 クライが呟いた。確かに…所々クライと似てる…?いや、気のせいだな。 「お前、誰だ!」 俺は謎の男に問う。 「ん?俺か?」 そして、男は言葉を続ける。 「俺はヴァルゴ。全てに終焉を齎す者だ」 「この世界は終わらせない!俺が…この世界の笑顔を守るんだ!」 「どんな抵抗も俺の前では無意味。全ては無となり、終焉を迎える」 「そんなこと…させない!」 翔真がそう言いながら突っ込んでいく。そのまま拳を振るが…その拳はヴァルゴの目の前で止まった。まるで、その攻撃そのものが終焉を迎えたかのように。 「何!?」 「もう後悔しても遅いぞ…」 ヴァルゴはそう呟き、大剣を虚空から取り出し、振りかぶる。 「お前は終わる…」 奴は大剣を凄まじい勢いで振り払う。 「くっ!」 翔真は咄嗟に槍を取り出し、ガードするが、槍は粉々に砕け、翔真は吹き飛ばされた。 「うわぁ〜!」 そのまま翔真はどこかへ飛んで行った。そして、ヴァルゴの攻撃の余波でこの世界が、いや、周りの全ての世界も揺れる。 「こいつ…強い!」 クライが呟いた。だけど…負けない。いや、負けられない。 「クライ!最初から全力だ!」 俺は銃を取り出し、クライが物語の力を宿す。 「チャージ完了だ」 クライがそう呟いた瞬間、俺は奴に狙いを定めていた。そして、引き金を思い切り引く。 「おらぁ!」 弾丸は全ての物語の力を宿しながらヴァルゴに向かって走る。だが…! 「俺の前では…全て無に帰る」 弾丸はヴァルゴに届く前に無になった…
EPISODE 32:新たな戦い 「さて…終わらせるとするか。この世界を!」 ヴァルゴが嬉々とした表情で言う。 「そんなこと…させるか!」 だが、俺はまだ諦めない。すると、俺の言葉を聞いたヴァルゴが悩むような表情になる。 「いや…この世界にはまだ、利用価値があるかもしれんな…」 そして、何か決心がついたかのように言う。 「そうだな、この世界はまだ終わらせない」 言葉が終わった時、既に奴の姿はなかった。 「ユウト…奴は凄まじい強さだった。勝てるのか?」 ラネンが俺に聞く。 「まだ勝算はない…だけど、絶対に…守ってみせる。相棒と出会わせてくれた世界をな」 俺はクライを一瞬だけ見て言う。 「そうだね、ユウト。俺たちでこの世界を絶対に守りきろう」 「あぁ、絶対に守る」 俺は決意を宣言した。 「ところで、神野翔真はどこに行った?」 ラネンが翔真について問う。 「翔真のことだ。多分大丈夫。きっと帰ってくるよ」 「なんでそう言える?」 「あいつを信じてるからな。俺は仲間を、最後まで信じる!」 「そうか…」 そう、俺は常に仲間を、相棒を信じてる。 「クライ、一旦家に戻ろう」 「そうしようか」 俺たちは家に戻った… 「ん…ここ…どこだ」 俺は神野翔真。謎の男、ヴァルゴにぶっ飛ばされて、知らないとこに来てしまった! 「お、目が覚めたか」 見渡すと、そこは森みたいだ! 「あんた…誰だ?」 そして、木の上に誰かが居る。 「俺?そうだな…自分でも分からない。本当の名前は分からないけど、会った人からはエースって呼ばれてる」 見た目から予想すると、40歳ぐらいだ、多分! 「よろしくな!エース!」 「あぁ」 「あ、もしかして、エースが俺を助けてくれたのか?」 「そうだ!俺に感謝しろ!…とは言わない」 「エース!あんたは見るからに強そうだ!だから…俺を強くしてくれ!」 俺はエースに頼み込む! 「じゃあ、空に向かってパンチしろ」 「わかったぁ!」 俺は思い切り拳を振り上げる!余りのパワーに雲が割れ、宇宙どころか、この世界の全体が揺れた! 「パワーは文句なしだな…足りない事があるならば…」 エースはちょっと言葉を貯めてから続けた。 「技術だ」 「ぎ、技術…」 「今から、ちゃんとした武術を教えてやる」 厳しくなりそうだ…