ロゴスお誕生日おめでとう作品(大遅刻)(ホンマごめん) ----- まだ猫改造で作ってないキャラとか、考えるだけ考えて表に出してない裏設定とかが普通に出てきます。 コメ欄に軽く解説書いておきますが、本文読んでからの閲覧でも大丈夫です。 ----- 『記念写真』 微睡みの中、ロゴスはいつかの思い出を見ていた。 それは、4年前のこの時期。真っ白な髪にライムグリーンの瞳。無邪気に笑ってこちらを見てくる後輩、アイザと__誠に不本意ながら__向かい合わせで、それもこんな見目麗しい女性を連れて来るような空間ではない、そんな場所で食事をしていたときのことだった。 彼女は、この業界で働いているとは思えないほど育ちが良く、そして俺達の組織に所属している中でもトップで強い。そんな彼女に憧れる奴がいるのは当然だったし、実際食事に行っただけで彼女の熱狂的なファンに刺されかけたことだって、まあ、あった。しかも何回も。 俺としては同僚、しかも後輩との仲を保つことは大事だと思っていたんだが...そんなわけで任務以外で彼女と共に行動をすることは避けていた、が。 帰宅中にバッタリ遭遇し、満面の笑みで「ご飯でも食べに行きませんか?ちょっと前に先輩が言ってたとことか!」...なんて言われてしまえば__俺が慕われること、それと後輩の頼みに弱いせいかもしれないが__断れるはずもなく。 そうして、今。 お互いにある程度食事を食べ進めたところで、先に口を開いたのはアイザだった。 「そう言えば、先輩。今日、なんで私が先輩のこと無理やり誘ったか分かってます?」 「無理やり...?」 そんなに無理やりな誘われ方だっただろうか、と首を傾げる。 「そうですよ。だって先輩、最近私のこと避けてるじゃないですか?」 「気づいてたのか...スマン、悪いことしたな。いや、ちょっとお前のことを尊敬してる奴に刺されそうになるもんで...」 「いや、別にそれはいいんです。私だって先輩を困らすのは本意じゃないですし。」 「じゃあ...なんでだ?」 そう聞くと、アイザは少しムッとした表情になった...気がする。 「先輩、ホントに今日が何の日か分かってないんですか?」 「今日......なぁ。」 何かあっただろうか?と思考を巡らせる。ああ、そういえば今日は。 「今日、先輩誕生日ですよね?」 「...そういや、そうだったな。今まで特に気にしてなかったから忘れてた。...というか、話したことあったか?俺の誕生日。」 彼女は はぁ、とひとつため息をつくとスマホを取り出し、軽い連絡を取り合うために登録していたSNSの画面を見せてきた。 「ホラ、書いてあるじゃないですか。このアプリ、誕生日が近づくと表示されるんですよ。全く、もう1年もバディとして行動してきたのに誕生日すら教えてくれないなんて。まぁ、ちゃんと聞かなかった私も悪いですけど...けさ初めてこれ見たとき焦ったんですからね。」 「ああ、そりゃ悪かった。」 正直、誕生日なんてどうでもいいのに、なんて、食事に誘われたときの表情を思い出すと口には出せなかった。 「それで、プレゼントは用意できなかったんですけど...」 そう言いながら、アイザはやにわにスマホを取り出し、こちらにレンズを向けて__ 「はい、チーズ。」 パシャリ、とシャッター音が鳴る。 「おま、何して」 「ふふん。いいじゃないですか。うちではこうやって、誕生日には絶対写真撮ってたんです。」 そう言うと、写真を見出したのであろうアイザは、画面を見たあと軽く吹き出した。 「アッハハ、先輩見てください、この間抜けな顔。」 「誰のせいだと...」 「でも、面白いのでいいと思うんですけど。」 何が面白いんだ、なんて文句を言いながらも、彼女のスマホ画面に写る自分の顔は確かに間抜けな顔をしていた。 「クソ、写真撮るのは百歩譲っていいとしても、もうちょっとちゃんとした写真をだな...」 じゃあ、先輩。そう愉快さからとは違う笑みを浮かべた彼女は話し始める。 「来年はちゃんとした写真撮りましょうよ。カメラとかも用意しておくので。」 「いや、別にそこまでしなくても...」 というか、サラッと来年も祝うことを前提に話を進めるな。 「うーん、でも確かにこれじゃ先輩がなんか可愛そうですしね...」 「無視するなよ」 少し考え込む動作をしたあと、そうだ、と言ってアイザは隣にやってきた。 「先輩、こっち向いてください。」 そう言われるがままにアイザの方向を軽く向くと、内カメが起動されたスマホを手に持っていた。 「先輩、笑って。」 そう言う彼女の表情を見て、俺は少し驚いたあと。 「...ああ。」 自然に出るものではない、作った笑みは久々で、なんとなくぎこちなかった気がする。 ----- 意識が浮上する。頭がガンガンと痛む原因は昨日の深酒か、それとも思い出したくない過去を無理やり見せられたからだろうか。 「クソ、最悪だ。」 何故今更あんな夢を見たのだろうか、なんて思いながら起き上がると、自然とため息がこぼれ落ちた。 結局、あの後写真を気に入ったのかなんだったのか、アイザは俺にその写真を送ってきて。 『壁紙にしちゃってもいいんですよ』 と、そう生意気なメッセージが送られてきていた。 ああ、本当に最悪だ。 リングホルダーでつけられた、歪んでしまった指輪を撫でるように触る。 軽く朝食を摂ろうと考えたが、家に何も食料品の類がないのを思い出した。 まだガンガンと痛む頭を抑えながら玄関に向かう。 玄関に置かれた棚の上には、今までの中で一番の笑顔を浮かべたアイザと、そのアイザに腕を組まれ、ぎこちない笑顔を浮かべた俺のツーショットが写真立てに入れられ、飾られていた。 俺はわざと目をそらすように視線を動かし、外に出た。