EPISODE 33:習得!翔真の必殺拳! 「まずは、ちゃんとした殴り方だ」 そう言いながら、エースが力を一点集中したパンチを繰り出した! 「お、それ!威力が強くなりそうだぁ!」 「そう、お前にはこの技術すらない。もし全ての技術を習得できたら…お前は計り知れないほど強くなる」 「それは楽しみだ!」 ヴァルゴには俺の攻撃が通用しなかった…だから、俺は絶対!技を習得してみせる! 「厳しくなるぞ…?大丈夫か?」 「あぁ!俺はファルちゃんを守るために強くなるんだ!」 「さて…どうしたものか…」 俺はユウト。今、ヴァルゴからこの世界を守る方法を考えている。 「そもそも、ヴァルゴはこの世界の何を利用しようとしてるのかが分からない。まずはそれを知りたいな」 今喋ったのはラネン・ブライト。ゼノ社のエージェントで、雇われてファルドの護衛になっている。 「そうだな…それが分かれば対策できる」 ラネンの言う通り、奴の狙いが分かれば対策はしやすい… 「教えてやろうか?」 その時、上空から声が響いた。これは…ヴァルゴの声だ! 「お前!なんでここに!」 ここは俺とクライの家…なんで奴が! 「言い忘れた事があったからな。俺は優しいから、目的について教えてやる」 「親切にどうも…!」 俺は少しの煽りも込めて言う。 「俺の世界はなぁ、元々感情をエネルギーにして生きていたんだが…異世界戦争の影響で、感情が無くなってきてなぁ、お前らみたいな世界から吸い取る事にしたんだ。ただ生活してるだけで感情が生まれ、俺の世界はエネルギーを得る。お前らには止めようがない」 確かに…それは俺たちに止めようがない。いや、止めたくない。 「確かにそうかもな。でも!俺はお前を倒して…!この世界を守ってみせる!」 「それは無理だな。あ、そうそう。お前たちに見せたいものがある。この世界、この宇宙、この惑星、この国の時間で言うと…明日の午後二時に、天神駅と言う所に来い」 そう言うと、ヴァルゴはまた何処かへ消えた。 「ユウト…行く気か?」 数秒が経った後、ラネンが俺に聞いた。 「あぁ、もしもの時は、俺が戦って勝つから大丈夫だ」 俺はそう強がって言ったが、ヴァルゴの強さはヤバかった。今の俺じゃ勝てる可能性は低いだろう。諦めるわけにはいかない… 「じゃあ、次に行くぞ」 エースはそう言いながら、両手を構えた。 「俺に攻撃してみろ」 そして、俺にそう言った。 「分かった!」 俺は戸惑いながらも、力を込めまくったパンチを放つ!だが… 「え!?」 その拳はエースに当たらず、エースが構えていた両手の片方によって受け流された。しかも!エースはもう片方の腕でカウンターを放った! 「えぇ!?嘘だろ!?」 エースの拳は眼前で止まった。 「お前、どこでそのパワーと戦闘法を手に入れた?」 エースがそのまま俺に聞く。 「1人で頑張って身につけた!」 「やっぱ独学か…」 「あぁ!子供の時から父さんが旅に出て、母さんも死んじゃったからな…」 「へぇ…旅に出た、か。まぁいい。この技術は受けと攻めを両立する技術だ」 「なるほどな…!」 俺は見様見真似でエースがしていた構えを取る。 「見様見真似…それで良いか確かめさせてもらう」 すると、エースはそう言いながらさっきの一点集中の拳を放った。 「こうか…!」 俺はエースの拳を受け流し、もう片方の腕でパンチを放つ。そのパンチをエースは受け止めた。 「うお、手が痺れたぜ…」 エースは俺のパンチをガードしてみせた! 「やっぱお前才能あるな」 「よっしゃ!」 「さて、次行こ次」 次に、エースはまた別の構えを取った。多分、また俺が攻撃するんだ。 「この技術は間合いと読み…」 そう呟きながら、エースは俺の攻撃を避けた。 「相手の攻撃を読み、間合いを管理する…」 エースがまた、そう呟いた。俺はその言葉をヒントに構えてみる。 「よし、ここまで学んだ全てを活用しろ!」 エースが俺に殴りかかる!だが、俺はその拳を受け流し、カウンターの拳を素早く放つ。 「なら、これはどうだ?」 エースが素早い蹴りを放つ!だが…俺はその攻撃の範囲を読み、必要最小限の間合いを取った。そして、力を一点集中したパンチを放つ!エースはそれを避けながら、こう言った。 「よし!完璧だ!やっぱり…お前には才能がある!」 「よし!じゃあこれで…」 「いや、ちょっと待て!あともう一つ、常に冷静でいろ。だが、その心の熱は忘れるな!」 「分かった!」 「よし、良いぞ…これで全て身につけた」 エースが俺に言った。つまりは、これで俺は強くなれた!? 「じゃあ!エース!これで俺は強くなれたのか!?」 「あぁ、翔真!行ってこい!」 「あぁ!エース!じゃあな〜!」 俺はそのまま走り去った… あれから1日が経ち、ヴァルゴとの約束の時間になり、俺はヴァルゴが指定した場所に来た。 「来たな…」 少し先にいるヴァルゴが呟いた。 「で、何の用だ?」 俺はあいつに聞く。 「見せたいものがあるって言っただろう?お前の心の準備のために時間を置いた」 「なら…早く見せろ」 俺がそう言うと、ヴァルゴはパチンと指を鳴らした。すると、俺の眼前に懐かしい景色が…見たくなかった景色が広がった。 「懐かしいだろ?お前が元いた殺し屋組織だ」 「ここで…何を見せたい」 「この組織は俺が支配した。お前は元仲間と戦う事になる。どんな強い感情が湧くかが楽しみだ。さて、見せたいものは見せた。あとはこいつに任せよう」 ヴァルゴはそう言いながら、再び指を鳴らす。そして、景色は天神駅に戻り、俺の前にはヴァルゴと似た…新たな敵がいた。 「お前は私が潰す…」 敵はそう呟きながら、パンチを繰り出す。肉弾戦特化の戦闘スタイルみたいだな… 「クライ!」 「分かっている」 俺は繋がっているクライに話しかけ、神秘の力を銃に付与してもらう。そしてそのまま、連射を開始する! 「弾丸が効かない…」 マスターマグナムの弾丸が効かない。クライが力を剛力に切り替えようとするも… 「遅いぃ!」 敵の攻撃の方が速かった。 「しまった!」 敵の攻撃が迫る!だが…その攻撃は当たる寸前で止まった! 「やっぱり来てくれたな…!」 目の前には、翔真が居た。 「あぁ!護衛仲間のピンチには駆けつける!それがファルちゃん護衛の必須事項!」 言ってることは意味不明だが…前よりずっと強くなってることが、雰囲気から分かる。 「エースから習ったことを…活用する!」 しかも、翔真と思えないほど冷静だ。ドォーンとかの擬音も使ってない。 「破ぁ!」 翔真が強烈な拳を放つ!力が一点に集められた、超強力な拳。 「ぐはぁ!」 敵はそれを喰らい、怯んだ。あまりの威力に、余波だけでこの世界と周辺の世界が壊れて再生した。それが50回ぐらい。この世界は宇宙が分岐によって無限に増えているにも関わらずだ。 「この程度で私が倒れるか…!」 だが、敵は立ち上がり、翔真に殴りかかった。 「ふぅ…」 敵の攻撃が迫る中でも、翔真は冷静…それどころか、精神統一をしていた。そしてそのまま、攻撃を受け流し、敵が続けて放った手刀も回避した。 「これで終わらせる…この必殺拳、名付けて"天破神翔拳"で!」 翔真は力を一点集中させ、溜め続ける。そして、怯んでいる敵に全力の拳を喰らわせる! 「うわぁぁ!」 余波の影響が凄すぎて、俺にも何が起こったのか認識すらできなかった。だが、クライは認識できていたようだ。 「クライ、何が起こってた?」 「表現しようがないよ…」 まぁ、クライも表現できなかったみたいだ。 「ぐぅ…」 敵は完全に力尽き、倒れた。 「あ、クライ、マスターセイバーだ」 「了解」 俺はマスターセイバーの力で歪みを創り、翔真がそこに敵をぶち込んだ。 「翔真、強くなって帰ってきてくれたな!」 「あぁ!これが俺の新しい強さだ!」 「翔真、誰かに鍛えてもらったのか?」 「あぁ!あ、あれ?でも…エースに俺の名前は教えてなかったはず…」 「どうかしたか?」 「あ、いや!大丈夫だ!」 翔真も格段に強くなった。この戦いにも、光が見えてきた気がする…
EPISODE 34:ユウトの作戦 「それがヴァルゴの狙いだったってことだ」 俺はファルドにヴァルゴの目的を説明した。 「感情が目的…それは防ぎようがないですね」 「あぁ、感情を無くすなんて俺にはできない。あと…ヴァルゴの世界だって異世界戦争の被害者だ。戦争のせいで感情がなくなり、生活のためのエネルギーがなくなった。だけど!この世界の笑顔は絶対に守る!」 俺は決意を語る。 「そうだな!この世界を終わらせることは防がないと!」 翔真も俺に同意してくれた。 「クライ、ファルド、翔真、ラネン。俺に一つ作戦がある…」 そう、俺は奴を止める策を思いついていた… 「クライ、見つけられたか?」 俺はクライに、ヴァルゴがこの世界の感情を集めるために恐らく使っている装置の場所の調査を頼んでいた。クライはその場に直接行かなくても、世界を見ることができる。なぜできるのかは分からないが。 「あぁ、天神街の廃工場にあった。以前、他の世界で見つけた物と同じだったよ。恐らくヴァルゴはあの世界で造られていた装置を奪い、使用しているんだろうね」 「今、そこにヴァルゴは居るか?」 「あぁ、居るよ」 「よし、作戦決行だ!」 クライの報告を受け、俺は翔真とラネンに電話する。 「翔真!ラネン!今がチャンスだ!クライがお前らの脳内に場所を送るからそこに来てくれ」 電話を終えると、俺とクライは廃工場に走る。 「クライ!今が最大のチャンスだ!急ぐぞ!」 「了解!」 俺とクライは走りながら会話し、クライは俺が懐に隠している剣に神速の力を宿す。 「全力ダッ〜シュ!」 俺はクライを引っ張りながら、建物が壊れない程度にスピードを調整し、天神街を駆け抜け、廃工場に到着した。 「ほう…ここまで来たか。戦士よ」 廃工場の中で装置を弄っていたヴァルゴが俺たちに気付き、話しかける。 「戦士は正解だ。だけど、俺はユウト。笑顔を守る戦士だ。しっかり名前覚えてくれよ?」 「で、狙いは何だ?」 ヴァルゴが俺たちに問う。 「その装置だ」 クライが俺の代わりに答えた。 「ハハハ!」 それを聞いた瞬間、ヴァルゴが急に笑い出す。 「この装置は破壊不可能だ。お前たちは目的を果たせずにここで終焉を迎える…!」 破壊不可能、ね… 「クライ、マスターマグナムだ」 クライは頷き、俺の銃に神秘の力を宿した。 「失敗して戦闘しか頼れなくなったか!」 ヴァルゴは俺に切り掛かってくる!俺はバックステップで避け、銃撃する。 「無駄だ」 だが、弾丸はヴァルゴに当たる前に無になる。 「その攻撃無効化の仕組みはもう分かってる」 だけど…!俺はその仕組みをもう理解してる!クライがヴァルゴとの初めての戦いを解析し、正体が判明した。 「そいつの正体はお前の圧力だ!」 クライが力を超越に変える。そして俺が銃撃し、超越の弾丸はヴァルゴの圧を超越、ヴァルゴに攻撃を与えることに成功した。 「ふん…この程度の攻撃、無駄だ!」 だが、ヴァルゴに攻撃は通じていなかった。 「そろそろかな…?時間稼ぎは終わりだ…」 俺はクライの方を振り向いてから呟く。 「こっから逆転だ!」 俺は指を鳴らす。すると、ヴァルゴがダメージで苦しみ始める。まるで、力が無くなり今まで無効化していたものが無効化できなくなったかのように。 「何が…起きた…!?」 ヴァルゴが動揺する。流石にこれは想定外だったか? 「あの装置が吸い取る対象を書き換えたのさ。クライは一度、あの装置を使ったことがあるんだよ。別の世界でな」 「何に…書き換えた!?」 「ヴァルゴ、お前の力だ!」 「俺の力…だから力が抜けていったのか」 ヴァルゴが動揺しながらも推測する。 「その通りだ!これが俺の、いや、俺たちの狙いだ!」 廃工場の窓を割りながら、翔真とラネンが突っ込んでくる! 「天破神翔拳!」 翔真の必殺拳、天破神翔拳がヴァルゴに炸裂する。しかも、ラネンが絶対必中を付与してる。 「翔真!これで決めろ!」 俺に宿る力が無くなり、クライがその超越の力を翔真の拳を宿す。そして、ラネンも絶対必殺を付与する。 「天破神翔拳…超・絶!!破ぁぁぁ!!!」 翔真が全力で、力を一点集中させた拳を、クライのビヨンド、ラネンのアブソリュート、俺の想いも乗った拳をヴァルゴに叩き込む! 「ぐぅぅ!!」 拳は、見事ヴァルゴに命中し、その余波で全ての世界が震え、一部の世界は壊れ、また再生した。廃工場では、ヴァルゴを中心に大爆発が起こる…!