朝の弱々しい光が戦士部屋に差し込む。レモンシャインは伸びをして戦士部屋を出た。脇腹についた傷はまだズキズキして、薬草を塗ってもらっても、傷んでいた。数時間前の戦いの事を思い出すと、悔しさと不甲斐無さで、無意識にかぎ爪を出してしまう。今昇っている太陽がまだ顔を見せていなかった頃、レモンシャイン達フレーム族の戦士達は縄張りを守る為、攻め込んできたナイト族の戦士達を相手に戦ったが、敗れた。この戦いで、戦士猫のヘザーファーと見習いのミノウポーが亡くなった。今一族は二匹の亡骸の周りに集まり、悲しみと怒りで震えていた。レモンシャインは戦いの後、脇腹に負った傷にトクサの汁とクモの巣を使って治療してもらい、戦士部屋で、休もうとしたが、どういう訳か眠りにつけなかったので、仕方なく戦士部屋を出てきたところだ。一族の周りに集まると、段々声がはっきり聞こえてきた。ミノウポーの指導者であったファーンペルトが叫んだ。 「傲慢なナイト族め!また俺達から縄張りを奪った挙句俺の大切な弟子を殺しやがった!!」 黄土色の毛をしたマロンファーも喚く。 「まったくあいつらはどういう神経をしているんだ!?3ヶ月前に族長が変わってから、ナイト族の野郎どもはどんどん俺達の縄張りを侵し、デカい顔をするようになった!」 雌猫のブリンドルペルトも言った。 「デュークスターは族長になってから、自らの権力を伸ばす為だけに、残虐な行いをしてきて、私達を嘲笑った。元はただの飼い猫だったくせに!!」 ヘザーファーのつれあいであったアントウィスカーが嘆いた。 「何故スター族はナイト族のこの非道な行いを咎めないでいるのか?ああ教えてくれ、ヘザーファー、どうしたら君を守れた?どうしたらこんな戦いは起きなかった?どうしたらこんな悲劇を回避することができたんだよ!!?」 気の毒に…。レモンシャインは思った。ヘザーファーとアントウィスカーは見習いの頃からお互いを愛し合っていて、先月、やっと結ばれることができたのだ。その愛をこんな酷い戦いで引き裂かれるなんて…。レモンシャインはアントウィスカーの肩に自分の尻尾をまわして囁いた。 「お気の毒に、アントウィスカー。これからヘザーファーはスター族と共に狩りをするんです。」 アントウィスカーは悲しみに満ちた目を向けた。 「有難う、レモンシャイン。だが彼女はスター族のもとにいくのには早過ぎた。もっとずっと長く彼女のそばにいたかった。子供も欲しかった。自分達の愛の結晶がどんどん育っていくのを共に見てみたかった。」 それきり言うと、雄猫はうつむいた。レモンシャインはアントウィスカーに激しい同情を感じ、同時に燃え上がるような怒りも覚えた。ナイト族はデュークスターが族長になってから、フレーム族とクラウド族の縄張りを侵し始め、見習いや戦士の虐殺まで行った。シー族は早いうちにナイト族に投降した。これにより2つの部族は実質統合された巨大な1部族に立ち向かわねばならなくなった。次こそ負けない。必ず自分達の縄張りを取り返し、亡くなった仲間達の仇をとる。心の中でそう強く誓ったと同時に、頭上から声がした。 「自分で獲物を捕まえられる年齢の者はこのロックヒルの下に集まれ!一族の集会を始めるぞ!!」
※このプロジェクト内の音源の使用は厳禁です。 プロジェクト制作… https://scratch.mit.edu/users/kaiza20_k/ ⚪︎音源… https://www.youtube.com/watch?v=vOyl7a9zAG0 ⚪︎キャラクター補足 •レモンシャイン この話の主人公。真っ白な毛皮に黄色い目を持つ雄 猫。若手の戦士。 •ファーンペルト 灰色の雄猫。片方の耳が裂けている。 •マロンファー 黄土色の雄猫。黄色と青のオッドアイの目をしている。 •ブリンドルペルト 小柄なブチの雌猫。 •アントウィスカー 焦茶色の雄猫。