頑張って書(描)きましたよ小説!霊夢!(Klekiです) 一応言っておきますが鬼畜ルーでこうなりました⇙ https://scratch.mit.edu/projects/1170575936 次は随分後になります。この霊夢描くだけで2日(体感3ヶ月)という疲労が溜まったのでだったのでしばし休息を。次は永遠亭編か妖怪の山編になりそうです。 鬼畜ルーってこんなに大変なんだ…ぴえん超えてぱおん ちなみに冒頭からフラグが立ってますww #touhou #東方二次創作 #小説 #ねこ巫女れいむ 〈登場人物〉 博麗霊夢(HakureiReimu) 幻想郷の東側にある博麗神社13代目の巫女。 幻想郷と外の世界を分ける「博麗大結界」を監視し,異変を解決するという重要な役割がある。 霧雨魔理沙(KirisameMarisa) パワー重視(?)の人間の魔法使い。とにかく物を盗む癖があり言い訳として「死ぬまで借りるだけだぜ」という名言がある。霊夢の親友。 アリス・マーガトロイド 魔理沙の昔からの親友。元々は人間だったが色々して魔法使いという種族になった。人形を操る能力を持つ。 紅美鈴(HonMeirin) 紅魔館の門番。よくサボるので咲夜に度々しばかれる。 言っておくけど一応強いよ。 レミリア・スカーレット 湖の畔にある紅魔館の主。500年以上生きている吸血鬼で,紅霧異変の主犯。友達のパチュリーには「レミィ」と呼ばれる。 十六夜咲夜(IzayoiSakuya) 紅魔館のメイド長。レミリアといつも一緒にいる。時間を操る能力を持つ。原曲神da☆ フランドール・スカーレット レミリアの妹。ありとあらゆるものを破壊できる能力を持つ。とにかく可愛い〜! パチュリー・ノーレッジ 紅魔館に住む大魔法使い。普段は魔法図書館に引きこもっている。友達のレミリアには「パチェ」と呼ばれる。 小悪魔 地下の図書館に住んでいた悪魔。今は図書館の司書をしている。言っておくけど,悪魔と言っても悪いことはしてないよ。多分。 八雲紫 幻想郷を作った賢者の一人。 東方人化猫〜Orphan and Cat〜紅魔館編 プロローグ 「最近平和だなぁ…」 ある夏の暑い日。 まだ涼しい早朝(朝6時)に起きた博麗神社13代目の巫女・博麗霊夢は箒を持って境内へと歩いていた。 夏でもやはり博麗神社の掃除をするのは日課だ。昼は暑いので早朝に起きて掃除をする事を,一つは親友の魔理沙に勧められたから,もう一つの理由は… 「ごきげんよう,霊夢さん」「おはようございます。早くから起きているのですね。」 …紅魔館の主,レミリアとメイドの咲夜が最近日差しの弱い早朝に神社へ来るようになったからだ。鳥居の下に咲夜,傘の下にレミリアが立っていた。 「もう,やっぱりあなた達は何でそんな早起きできるの?紅魔館組は夜遅くまで起きてるイメージしかないんだけど…」じと〜っと目を細めてぼやく。 レミリアがツンとして言い返す。「失礼ね。夜ふかしするのは週に3回位よ!いつもはちゃんと10時に寝て7時に起きてるわ。まあ昨日は1時くらいに寝たけど……」 「あんた5時間くらいしか寝てないじゃない!完全に遅寝早起きよ,それ。」 咲夜は頷いた。「確かに霊夢さんの言うとおりです。お嬢様,夜ふかしは週1回にとどめたほうが目覚めはいいですし,健康にいいですよ。」 「い,言われなくてもわかるし…でもやめられないし…」レミリアは頬を膨らませてそっぽを向いた。 霊夢は思った。「レミリアのツンデレかわよ。」 咲夜も思った。「お嬢様が子供っぽくて癒やされます…」 「ま,そんな事はいいわ。中に上がりたいなら上がって。」拝殿の横を指差す。 「ありがとう。お邪魔するわっ」と言って何故かレミリアが猛ダッシュで縁側に向かった。その瞬間,霊夢の隣りにいた咲夜がいつの間にかニコニコで縁側に座っていた。霊夢は何をしてるのか,何が起こったのか判断が遅れてきょとんとした。 「うぅ…やっぱり咲夜のスピードには勝てないわ…あと,私の翼がぁ…イッつつ…」 レミリアが昨夜の横で呻いていた。どうやら咲夜と競争していたようで,少しの距離走ったので日光を浴び,翼がちょっと傷んだらしい。 「あっ,そっそうでした!大丈夫ですか?!お薬を…」咲夜は主人の天敵が日光だということを忘れていたようだ。 「なんか怖かったけどとりあえず大丈夫そうね。さっ掃除掃除ー⋯」 「おっはよー霊夢!やっぱり予想通り起きてたな!…あれ,レミリアいんの?」 今度は霊夢の親友,レミリアの前からの常連さんの魔理沙が来た。(朝6時!) 「あんたもか⋯」こんなメンバーがそろったら嫌な予感がする。「おはよう…」 「えー,もしかして迷惑?そんならアリスの家n⋯」霊夢が慌てて引き止める。 「あ,ごめん。迷惑ではないよ!逆に大歓迎!ちょっとあの二人のこと見といて。さっきもヒヤヒヤなことが…私一旦掃除終わったらすぐ行くから!」 「あぁ,やっぱりそういうことかと思った。さっきお前の目がそう言ってたぞ!」 魔理沙は先着の二人に手をふった。二人もふり返した。 「ささっっと終わらせちゃいましょう,あとはゆっくりのんびりと⋯」 /////ふふ,面白そうね。幻想郷の人間は何人くらいだったかしら。//////////////// 次の日。 同じように早く起きた朝。耳がやけに敏感になっているのに気がついた。 横向きで寝ているはずなのに。というか,耳が枕に当たってない…? 霊夢は飛び起きた。自分の耳を触ろうとした。でも耳があるはずの場所には穴すらなかった。恐る恐る鏡を見てみた。顔の横にはやはり耳がない! その代わり,頭の上には… 「ふぇっ!ねっ,猫耳?!なにこれっ!」 なんと猫の耳が生えていた。霊夢の髪の毛の色と同じ,茶色の…! …耳が動かせる。前向き,横向き…。 「さ,流石におかしいっ!一晩で耳が変わるなんて?!どういうっ…」 霊夢は自分の足に細長いもふもふな物が触れるのを感じた。 「な,なんで…」霊夢は信じられない。「なんであたしに尻尾が生えてるのぉっ?!」 …その後,霊夢は魔理沙のところへ行こうと考えた。魔理沙ならこの現象について知ってるかもしれない。霊夢は拝殿の屋根から飛んでいった。 夏で空気は湿っていて蒸し暑い。だが魔法の森の上空はもっと蒸し暑かった。 魔法の森へ差し掛かってしばらく,魔理沙の家が見えた。広い庭があるので分かりやすい。 急降下すると一気に涼しい空気が霊夢の体に触れた。きっと魔理沙が快適に過ごせるようなにか魔法が施してあるのだろう。 霊夢は希望を込めてドアフォンを押した。ぴんぽーん,と呑気な音が鳴って10秒後くらいに忙しそうな声が聞こえてきた。「魔理沙!せめて帽子は被って!誰であってもこんなの…」「ありがと!魔理沙ですが,すみませんどなたでしょうかっ?!」 どうやら声からしてアリス・マーガトロイドが家に来ているようだ。 「れ,霊夢ですっ!ちょっと聞きたいことがあって!今はだめならいいけど…」 なんだか昨日のやり取りに似ている気がする。 「あ,ごめん。だめではないよ!逆に大歓迎!今から行こうかなと思ってたんだ。ちょっとおかしなことがあって…」もしかして…魔理沙も同じことが…? ドアがキキィと音を発して開いた。魔理沙が壁にピッタリ張り付いて手招きしている。「んあれ?!お前なんでそんな服装を…!」 霊夢は耳を隠すために帽子を,耳があるアピールするために眼鏡を掛けていた。 メガネは顔がハマるくらいのキツさのためちょっと痛い。 「菫子みたい…でも入って!」魔理沙は長い廊下を走った。霊夢はついていく間見たのだ。魔理沙の黒いスカートの下から覗く黄色い尻尾を⋯ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⋯えっ,霊夢お前も?!それでそんな服装を…」魔理沙は霊夢が付けていた眼鏡と帽子をみた。やはりそれ相応の理由があったと魔理沙は気付いた。 霊夢はずっと魔理沙の耳を見ていた。私のとなんか違う‥ 「それにしても,あんたの耳はふわふわね。あたしソッチのほうが良かったなぁ」 魔理沙の猫耳はとても大きく,髪の毛と同じ黄色をしている。もしかすると猫耳ではなく狐耳かもしれない。 「こんなでかい耳なんていらないよ。帽子がかぶれない。」魔理沙は自分の耳を引っ張り始めた。「うわっ!いっててっ」…強く引っ張りずぎたようだ。 「…やっぱりこんな魔法は知らないわ。変身魔法は別として,耳と尻尾を生やすなんて魔法は…」アリスもさっきから本棚の魔導書を読み漁っていたのだが,なかなかそれっぽいのは見つからないようだ。 「昨日変なものでも飲んだ?それとも寝てるときに何か…」霊夢は部屋を行ったり来たりして考えた。「それとも朝早くで変な霧が漂ってたとか。」 魔理沙が思い立った。「そうだ!朝早くにいたレミリアたちに変なことがあったか聞いてみよう!そもそもパチェにも聞いてみないとわからないし。」 そうして紅魔館にも行ってみることにした。アリスはもう少し調べてみたいと言って霊夢と魔理沙,二人で紅魔館に行くことになった。 霊夢は再び帽子を被って出発した。眼鏡は魔理沙の家のテーブルに残しておいた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ すぴぃ…すぴぃ…聞き慣れた音だ。霊夢と魔理沙は苦笑いした。これを咲夜が見たらこの門番は大変なことになる。 紅魔館に来るといつもは美鈴を起こしてあげるのだが,今回は門を無視して上を飛んでいった。とんでもない緊急事態だ。 紅魔館の大きな扉の前でたくさんの妖精メイドたちが壁を拭いたり,草刈りをしていた。霊夢と魔理沙が着地するとメイドたちは怖がって身を寄せ合った。 紅霧異変の時こてんぱてんにやられた相手なのだから 一部の妖精たちにはまだ恐れられているのだ。霊夢と魔理沙は帽子を脱いで挨拶した。 「私は博麗霊夢。隣は霧雨魔理沙よ。怖がらないでいいわ。別になにかを退治するわけじゃないから。まあ,この館の中にこの耳と尻尾を生やしたやつがいれば別だけど。」メイドたちがハッと声を上げた。 「博麗の巫女さんですか?さ…咲夜さんが大変です…!お二方のように耳と尻尾が生えて…」 魔理沙が聞いた。「咲夜だけか?レミリアはどうなんだ?」 メイドは不思議そうに首を傾げた。「レミリアお嬢様のことは全く聞いていません」 霊夢が腕を組んで言った。「そう。ちょっと中に入っていいかしら。それも含めて色々聞きたいことがあるから。」 「お嬢様に許可をもらってきます。しばらく待っていてもらえませんか。」 「ああ,早めに頼むぞ。」そして一人のメイドが中へ入っていった。 ⋯5分後。 「許可が下りました。入ってください。」扉がゆっくりと開いた。 広間の奥にレミリアがいた。霊夢と魔理沙はほぼ小走りで奥まで移動した。 「やっぱり来てくれたのね。咲夜には休んでもらってるから。こっちよ!」 レミリアが焦った様子で部屋まで案内してくれた。そこにはベッドの端っこに座った咲夜とそれをまん丸な目で見つめるフランがいた。やはり聞いた通り耳と尻尾が生えていた。咲夜はホッキョクギツネのようにとても小さな耳だった。 「…誰か妹様の視線をそらして下さい!…すごく怖いです!」咲夜が助けを求める。 「レミリア,あなたはどうなの?耳とか尻尾とかはあるの?」扉の近くに立っていた レミリアはナイトキャップを脱いでみせた。いつもと何も変わりない。 「私は,主に異変解決を行っている者が何者かに恨まれて,こんなのを生やしたのかなぁと思っているけど。ほら,咲夜も私たちが大暴れしたあとはあなた達と一緒に異変を解決しに行ってるでしょ。」レミリアは顎に手を当ててまた考え始めた。 「もしそうだとしたら猫が好きな妖怪とか,そんなやつか?今まで見たやつの中に猫好きが?」魔理沙も深く考える。 「でもその前に他のやつにもなにか起こってないか確認してみたら?もしかしたら私の仮説が違うかもしれないじゃない。」レミリアも真剣に受け止めてくれている。 「ありがとう。それと,パチュリーにも聞いてみる。」 二人は部屋をあとにした。…続く⇩
東方人化猫〜Orphan and Cat〜紅魔館編 紅魔館の地下にあるヴワル大魔法図書館。いつも魔理沙が訪れるのは地下一階までだが,図書館全体は地下6階まであるのだ。 大魔法図書館の管理者,何百年も生きているパチュリー・ノーレッジでさえまだ読み切れていない魔導書がたくさんあるという広さで,年に一回大掃除をするくらいのためクモの巣だらけだった。 夏なのにとことん寒い地下の図書館の扉の前に来たとき,帽子を被った霊夢が振り返った。 「あんた昔ここの本たくさんかっさらってたよね。中に入ったら絶対気まずいだろうから,咲夜のところにでも行ってきなよ。」魔理沙が強がった。 「い,いや昔のことだから多分大丈夫だ。そもそもお前にパチュリーの話が通じるわけ無いだろ。」 「何よっ!ちょっとはわかるわよ…」やっぱりレベチな知識量のパチュリーの話を理解できる自信はない。 「ちょっとは完全に足りないよ。あたしでさえついていくのがやっとだからな。」 その時二人の敏感な耳に背後からの足音が聞こえた。あたりが薄暗いため,どんな物音も二人をビクリとさせる不気味な音になる場所だった。 「そこにいるのは誰だ?」魔理沙が声を上げた。すると「ひゃっ!そっちこそ誰ですかっ!」と声が返ってきた。怪奇現象じゃないことがわかって二人でホッとした。そこにいたのは重い本を抱えた小悪魔だった。 「なぁんだ,霊夢さんと魔理沙さんですか…すみません,普段は誰もいないところなのでびっくりして。」えへへっと笑いを浮かべる。 霊夢と魔理沙も思わずペコペコして帽子を被り直した。「いやこっちこそ急に…」 「あっそうそう!咲夜さんが大変なことになってるの見ました?!獣みたいになってきてるんですよ!」小悪魔は真っ先にその話題を持ち込んだ。 「ええもちろん。実はそのことで魔法図書館に入りたいんだけど…」 「パチュリーって今どこら辺にいるか教えてくれないか…?」 小悪魔はすぐに答えた。 「もしかしてパチュリー様になにか御用ですか。パチュリー様は咲夜さんを元に戻そうと地下2階で色々調べていらっしゃいますが。」 「お,察しが良いわね。ちょっと聞きたいことがあって。結局咲夜に関することだけど。」 「そうでしたか!ではこちらに…」三人は暗い方へと進んだ。 小悪魔が下に続く螺旋階段の入口まで案内してくれた。 「お二人だけでは危ないですし,入り方も知らないと思うので少し待っていてください。私はこの本を戻してきます。」小悪魔はそう言って走り去った。 魔理沙はなんだか少し馬鹿にされてようでムッとした。確かにどうやって行くかも知らないが。 「ただ図書館で暮らしてた平和なやつも働いてるっていうのに,肝心な門番は眠ってるってあべこべみたいね。」霊夢がぼやいた。 そして,ろうそくを持った小悪魔となんとも気が遠くなる長さの階段を降りていった。 「ここの大魔法図書館の1階分の高さは100m以上ありますから,2階の入口へ降りるにもそのくらい降りなければならないんですよ。いつも私は飛び降りてますが…」 小悪魔が大きなあくびをした。 「ならそれでいいぜ。あたしたちも飛べるんだから。」魔理沙が箒へ飛び乗った。 「ちょ,魔理沙さん!場所がわからないでしょう?」小悪魔が手すりから外へジャンプした。霊夢も慌てて続く。 「もうあまり遠くないのでゆっくりでいいですよ。ちょっと暗いので何かにぶつかったりしないように。」もう,ろうそくの火は消えていた。 しばらくして,三人になにか上からの不気味な視線がたくさん刺さるのが感じられた。 「小悪魔?なにか上から見られてない?たくさんいるみたい。」霊夢がおずおずと訪ねた。小悪魔が「それは人食いおばけです」なんて言わないように祈った。 小悪魔が霊夢の方を向いて笑った。 「いつものことですよ。ここものすごくコウモリがたくさんいるんです。大掃除のときに餌をあげています。コウモリは一年くらい絶食できるんです!」小悪魔は目を輝かせて話す。その声が硬い壁に反響した。 「まあコウモリは可愛いからな。わかるぜその気持ち!」魔理沙が笑顔で話す。 魔法少女たちの話にはついていけねぇ…霊夢は絶対パチュリーの話が一言も理解できないだろうなと再び思った。 「ストップ!」小悪魔が急停止した。霊夢は考え事で少し反応が遅れた。 小悪魔が壁の前にたった。二人はその後ろで何が起こるのか見ようとした。 そして,小悪魔の細い指で壁を2回コツコツと叩いた。 そのまま無言の30秒がすぎた。失敗したのだろうかと思い始めた頃,壁に大きな変化が起き一瞬二人はあっと声を上げた。 壁がみるみる歪み,ポッカリと大きな穴が空いた。「この奥です。」 小悪魔が歩き出し,二人は慌てて後を追った。「こんなの絶対誰も入れないな。あたしでさえ全くわからなかった…」魔理沙が感嘆の言葉を漏らす。 「私とパチュリー様の指でしか開きません。なので誰かが頑張ってあの壁の前まで来ても開くことはありませんよ。」 小悪魔が自慢げに話した。「2階からは,パチュリー様が大変苦労して集めた物,パチュリー様ご自身が書いた物までたくさんの魔導書がありますから,これくらい厳重でないと気がすまないんですよ」魔理沙をキッと睨みつけた。 「ですから今回入っても絶対何も盗らないでくださいよ!」魔理沙は黙って頷いた。 「あたしも監視してるからね?」霊夢もまだ疑いは晴れていない。 「もう盜るのはやめてるって。アリスの家にもそこそこあるから十分さ…」 「地下二階の図書館に着きましたよ。」そこには広大な本の世界が広がっていた。魔理沙も初めて入ったエリアだが,一階と風景はあまり変わらない。 「パチュリー様!霊夢さんと魔理沙さんがパチュリー様に聞きたいことがあると…」 霊夢は天井を見てみた。暗くて限りなく見える高さまで本棚が続いている上,ぎっしりと本が詰まっているのだからパチュリーがこの大量の本をまだ読み切れていないというのも納得できた。 霊夢が驚きを隠せないでいると,2人分の足音が聞こえてきた。 「あなた達ね。ここに入った人間は咲夜以外初めてよ。」パチュリーのしずかな声が高い天井にこだました。 「私は今咲夜のアレについて調べてるの。見たでしょう,獣耳が生えて尻尾が新たに生えた咲夜の姿を。」パチュリーは読み途中の本のページに人差し指を挟んで空いている手で三人を手招きした。四人が椅子に座るとまず「咲夜の話がしたいんでしょう。私も今調べてるのよ。一晩であんな変化が起こるなんて…正直ヤバ過ぎる。」 うんうん,と三人は頷いた。 「じゃあまず…」パチュリーは見え透いたように, 「霊夢,魔理沙。帽子を脱いでみなさい。」といった。 霊夢と魔理沙は見られてはいけないかのようにギクリとしたが,もともとの目的を思い出し,帽子を脱いだ。小悪魔は超絶高く短い悲鳴を上げた。 「やっぱりそうだと思った。霊夢が帽子を被るなんて百年に一度くらい。」 霊夢が呆れた。「前魔理沙の帽子を被ったことがあるわよ…」 「う…ま,まあ尻尾が出ているのが見えてたわ。」「「あ」」そういえば尻尾も生えてたっけ…小悪魔は,尻尾が生えていたことに気付かなかったこと自体に驚いた。 「そうそう。このことを尋ねようとしてたんだが,なにか知ってるか?」 パチュリーが待ってましたとばかりに早口で話す。 「こうなった原因はいくつか考えられる。一つは誰かが決まった人物だけに悪さをしているというもの。薬を飲ませたり…そいつの能力かも。もしかしたらあなた達以外にもこうなっているやつがいるかも知れないから,獣人化しているやつの共通点を見つければ異変解決の糸口が見えるはず。」 パチュリーは碇ゲ◯ドウのようにメガネを付けて話していた。二人は苦笑いした。 異変解決…ね。やっぱり異変として受け止めないといけないわよね。 霊夢は心のなかで呟いた。 「そしてもう一つはなにか感染性がある何かが漂っているというもの。今はあなた達だけしか影響は出ていないけど,私達も次第に症状が出てくるかもしれない。」 「…病気ってことか?赤潮浮遊系の?」そういえば,霊夢は思い出した。レミリアも紅霧を出していた。赤潮浮遊系という言葉は聞いたことないが。 「体に害を及ぼすってところでは間違ってないわ。空中を舞っているのは意外と大きめの粒子かもしれない。」⋯その後の言葉は霊夢には聞き取れなかった。 魔法少女達のちょっと高度な会話に唖然としていると,小悪魔も同じようだった。「いつもパチュリー様の話は難しいので最近わたしも勉強し始めたんですよ。霊夢さんも魔理沙さんにちょっと教わったほうがいいですよ…」 しばらくして,何かが漂っている話は終わったようだ。 「3つ目は…もしこれだと犯人候補はかなり減るけど,人間と獣の間を狭めたとか。もしこのまま調べていって幻想郷の人間全員にこの現象が起こっていたとしたら,まとめて動かしたっていうか…大規模なことができるやつが犯人だと考えるべきかしら…」パチュリーはちらりと二人の様子をうかがった。 霊夢と魔理沙が一番に思いついた人物,八雲紫。 今まで異変こそ起こしていなかったが…いや,2つの異変の元凶だ。一度は紅魔館を丸ごと幻想郷に移動させて紅霧異変の主犯,レミリア・スカーレットを幻想郷に持ち込んでしまった。二度目は外の世界からこれまた大きな守矢神社を丸ごと妖怪の山の頂上に移動させ,博麗神社が危機に陥ったということがあった。 それにいたずら好き。前霊夢が春雪異変解決のために幻想郷と冥界の境界を薄くして白玉楼へとたどり着き,見事春は取り返された。 だから後で紫に境界を直してもらうために紫の式神・八雲藍と奮闘したあと「紫様は冬眠中です…」(※4月)と言われたので直接紫を起こし,また弾幕ごっこを繰り広げた後,冥界の壁はなんと更に薄くなっていた。 しかも幻想郷の賢者であり長生きなだけあって強い。すぐ弾幕に包囲される。 あんな厄介なやつが異変の主犯になるのは流石に考えたくなかった。 パチュリーは思い詰めたように俯いていた二人を見て,静かに言葉を付け足した。 「もしかしたら今まで見たことのない妖怪の悪さかもしれないわ。そもそもこの幻想郷で三人だけかもわからないのに,勝手な推測で話を進めていたわね。ごめんなさい。」すっと立ち上がった。 ようやく二人は我に返った。「あっごめんなさい!考えてて…いっ色々ありがとう!凄くいい意見をもらったわ。」 「安心しな,この異変は絶対解決して結果で返すから!」思いは一つだった。 「いいのよ。咲夜のためにもお願いね!」「また何かあったら聞いてくださいねー!」 帰るときは案内なしに一階まで戻り,レミリアたちにもう一度お礼を言ってから紅魔館をあとにした。 たくさんのことを聞いたのだから絶対異変解決して体でしめす。そう心に決めた霊夢達だった。