リミックス禁止、自作発言禁止 第20話「ペアマッチ本戦」 夕日の赤がアリーナの石板を照らし、長い影の中で四人が向かい合った。 空気は張り詰め、観客席のざわめきすら遠く感じるほどの緊張が漂う。 審判が腕を下ろす。 「...開始ッ!!」 審判の声と共に、シラタマとヌシが同時に地面を蹴った。 砂が破裂するように宙へ舞い上がり、白い残光と青い影が交差し、鋭い金属音が連続して響く。 連続の踏み込み、跳躍、斬撃が風を裂き、刀身がぶつかりあうたびに火花が散った。 ヌシは未来の動きを読み取るかのように、シラタマの斬撃を紙一重で受け流す。 その目に宿った淡い光が、未来の動きを線のように見せている。 だがシラタマも負けていない。 空間が揺らぎ、シラタマの動きが二つになり、重なる。 「ミラーコード...」 分身したように見える斬撃がヌシに迫り、未来視の線をかき乱す。 ヌシの眉がわずかにゆがむ。 (見えねぇ....!) 視線が追い付かない。 その瞬間...シラタマが地面を蹴り、跳んだ。 空気が悲鳴のように裂け、白い斬撃が三方向から降りかかる。 ヌシは刀を回転させてそれらをいなすが、腕に衝撃が走った。 二人の攻防は互角だった。 後方でも激しく魔法がぶつかっていた。 ジュリアが杖を振り上げると黒い霧が渦を巻き、空気が重く沈んだ。 「ダーククリスタル!」 闇の結晶が高速で射出され、砂をえぐりながら赤チームへ一直線に迫る。 その軌道は黒くゆがみ、まるで空気を腐食させるようだった。 地面をえぐる音とルアの詠唱が重なる。 「フレイムショット!」 炎の弾と闇の結晶が激突し、爆発が起きる。 爆風が吹き荒れ、リング全体に砂ぼこりが舞い散る。 「アイスミスト!」 ルアの杖から氷の霧がまかれ、一帯が冷気に包まれる。 視界が白く曇り、足元の砂が薄い氷に変わる。 ジュリアの影が霧の中に揺れ、次の魔法の気配が走る。 「ダークスパイクッ!」 闇の槍が霧を割って突き抜ける。 恐ろしい速度で闇の先端が空を裂き、ルアの頬をわずかにかすめた。 ジュリアは次の魔法を放とうとした。 しかしその瞬間、ジュリアの視界が揺らいだ。 めまいだ。 闇魔法の代償が襲ってきたのだ。 視界の端が崩れ、立っているだけでも足が震え始める。 だが、ジュリアはまだ杖を下ろさない。 勝ちたいという思いが、彼女の限界を押し止めていた。 リングには斬撃と魔法が飛び散り、砂と氷片、黒い結晶が混じっている。 シラタマはルアの強化魔法により、さらに動きが素早くなる。 光の筋を描くほどの速度が、ヌシの未来視にノイズを走らせる。 それでもヌシは、わずかな未来を見て回避し続けている。 まるでダンスのようだった。 剣と体術が連続し、互いに隙を突こうとする激しい攻防。 ヌシは相手の攻撃を未来視して、的確に避けていたが、反応が遅れ始める。 シラタマのミラーコードにより複製された斬撃の軌道がヌシの判断力を削っていた。 (....来るッ!) ヌシは剣を構えて衝撃に備えた。 シラタマが地を滑るように走り、3つの斬撃を一気に叩き込んだ。 ヌシは受け流すが、腕がしびれ、足が下がる。 次第にヌシは防御することしかできなくなっていっていた。 そのころジュリアは息が荒くなっていた。 額の汗が頬を伝い、視界が回るようにゆがむ。 (使いすぎている...) ジュリアが使う魔法は、人間も使えるように改良されたとはいえ、元は禁忌とされた魔族の闇魔法。 人間が扱うには力が絶大すぎる。 使えば使うほど、体を闇がむしばみ、神経が乱れさせる。 それでも彼女は杖を握りしめる。 「まだ....!」 だがその瞬間、ルアのサンダーアローがジュリアの目の前で爆ぜた。 ジュリアは体勢を崩し、杖を地面に落とした。 「もう...動けない...」 戦線が完全に分断された。 シラタマとヌシの攻防も最終局面を迎えていた。 未来視の線は乱れ、ヌシの視界は揺れる。 複製された斬撃が複数の未来を生み、どれが本物か判断できない。 シラタマは静かに踏み込む。 呼吸が止まるほど静かな一瞬。 次の瞬間白い斬撃が貫いた。 ヌシの刀は弾き飛ばされ、風に乗って地面を転がる。 ヌシは片膝をつき方で息をした。 もう立ち上がれない。 リングに沈黙が広がり、審判が腕を高く上げる。 「勝者!シラタマ&ルア!!」 観客の歓声が爆発した。 砂煙と残光のなか、シラタマとルアは軽く拳を合わせた。 ーーーーーーーーー第20話終わりーーーーーーーー
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