【小説版】 片目の勇者 #1 逃亡 淀んだ空気、煤だらけの建物、遠くに響く犬の遠吠え。 陽炎が揺らめく、廃れた集落。 「疲れた……」 俺は何のために、歩き続けるのか。 「休まないと…でも、早く逃げないと……?」 そうだ。逃げなければいけない。 「い、いたた…いたい」 はあ、頭痛が酷いなあ。 …あれ?なんだっけ。 まぁ、いいや。 「気のせいだろ_」 ぐわん 「っ、?」 頭の奥から、全身を巡るような衝撃。脳が震える程の未感覚。 「…な、なん、だ」 ぐわん、ぐわん、ぐわん 足元から崩れ落ちる。一気に、眠りへの下り坂に墜ちた。 その少年の元に、黒ずくめの男が音もなく現れる。 すぐさま髪を乱暴に掴み上げると、狂ったように笑い出した。 「は、はへ、へへへ、ははははっ、あははははは」 「その子を離せ」 深緑の疾風。 「【風の拳】」 無防備な体に、凄まじい威力の拳が直撃する。それ一つで砂埃が舞い、地鳴りがし…男の体 に大穴が開いた。 「ぐ、ふ、っ…な“ん、で、」 その体が倒れ、地に着く前に、「消えた」。 正しくは、砂のように崩れ去って「なくなった」。 その男を倒した男は、表情一つ変えない。ただ緑を帯びた髪を靡かせ、ふわりと少年の体を 受け止める。 幸い、眠っているだけのようだ。 「さて、連れて帰るとするか。」 軽々と体を抱き上げる。先刻までの殺気が嘘のように、翠の髪の間から向けられる視線は柔ら かい。細められた目は、何かを見透かすようだ。 そのまま走り出すと、砂埃を上げて建物の上まで跳躍した。一度だけではなく、その まま壊れた家々の上を飛ぶように移動していく。 「…でも、なんで…」 しかし、男の頭の中は、疑問符に満ちていた。 何故あそこに?何故倒れた?君は、何者なんだ。 「…まあ、いい。いずれわかるさ」 そのまま、二人は「捨てられた村」を後にした。
退廃した町並み、そこに1人さまよっていたロンダの異常さを伝えたい 【小説版公式スタジオ】 https://scratch.mit.edu/studios/51114310/ 次回 https://scratch.mit.edu/projects/1248319027/ 【アニメ1話】 https://scratch.mit.edu/projects/585461735/ お待たせしました。やっとこさ、小説版#1です。(アニメ最新話以降の更新はお楽しみに♡)よく分からない方は、アニメ第1話の方も見ていってくださいね! そもそものアニメ本編がとても短いため、文字にしてもかなり短いですがぜひ目を通して貰えるとありがたいです(߹ㅁ߹) アニメでは表現しきれなかった情景、表情、心情、詳しい設定などが垣間見えるのが文字の良さだと思っています! #2以降は、あまりに短すぎる話が出て来ると思うので、もしかしたらアニメの2.3話をまとめたものになるかもしれません。いつになるかはわかりません! ひとまず2月の受験まで、お付き合いくださいね #all