小説:『君の透明な素顔』続き 第2章:夕暮れの謝罪 事件の翌日、蓮は葵の姿を見かけるたびに、胸を締め付けられるような罪悪感に苛まれていた。葵は、蓮の存在を空気のように無視し、さらに周囲を避けるようになっていた。 その日の下校時。蓮は意を決し、人通りが少ない裏門へ向かう葵の姿を追いかけた。 校門を出て少し歩いた、夕焼けが色濃く空を染める路地。蓮は、早足で歩く葵の背中に声をかけた。 「葵!」 葵は一瞬肩を震わせたが、振り返らない。歩くスピードを速め、蓮から逃れようとする。 蓮は焦って一歩踏み出し、彼女の前に回り込んだ。 「待てよ、頼むから。少しだけでいいから話を聞いてくれ。」 葵は顔の大部分を覆うマスクの下で、強く唇を結んでいるのが分かった。視線は合わせようとしない。 「…話すことなんて、ありません」 絞り出すような、弱々しい声。 蓮は、自分がどれだけ愚かなことをしたか、この声を聞いて痛感した。彼は、道端に立っている彼女の視界に入らないように、一歩下がって、深く頭を下げた。 「あのさ、昨日は…本当にごめん。俺、ふざけすぎてた。お前の大事な秘密を、あんな風に勝手に暴いて、怖がらせた。最低だった。…謝って済むことじゃないって分かってるけど、本当に…悪かった。」 頭を下げる蓮の髪が、夕焼けに照らされて赤く光る。学園のトップカーストにいるような彼が、こんなにも真剣に、ひたすら謝罪している姿を、葵は初めて見た。 「…もう、いいです」 葵は依然として俯いたままだ。 「良くないよ!俺は、お前が誰かに嫌な思いをさせられたくないから隠してたってこと、ちゃんと分かってる。…なのに、俺が一番お前を傷つけた。」 蓮は顔を上げ、言葉を選びながら、静かに続けた。 「昨日、マスクが取れた時の…お前の顔を見て、驚いたのは事実だ。でもな、俺がお前に話しかけたいと思ったのは、その前からだ。誰も見てないところで、金魚の世話をしてたのを知ってる。誰にも気づかれない優しさを持ってるって、知ってるからだ。」 蓮の言葉が、葵の心を少しだけ、チクチクと刺した。誰も知らないと思っていた自分の行動を、このイケメンで人気者の彼が見ていたなんて。 「俺は、お前の優しさに興味を持ったんだ。顔がどうとか、そんなことは関係ない。…ただ、壁を作らないで、話をしてほしかった。」 葵はマスクの下で、そっと目を閉じた。蓮が、自分の内面を見ていてくれたことに、驚きと同時に、微かな温かさを感じた。
前回:https://scratch.mit.edu/projects/1246511810 次回:12月11日19時公開予定! 拡散してくれた方(フォロー推奨!!) @3-3-20 @Ruri_01-22 @yuduki-seira3(6スタ拡散) @ @ 第2章です!!今回はめっちゃ上手く描けたと思う急にナルシスト()ぜひ、♡と☆よろしくお願いします!