小説:『君の透明な素顔』続き 第4章:真実の光 蓮との下校中の会話から数日後。葵は、まだ蓮に完全に心を開いたわけではなかったが、彼を以前のように避けることはしなくなった。蓮も、焦らず、時折挨拶を交わしたり、誰もいない場所で金魚の様子を話したりと、静かに距離を縮めていた。 事件は、体育の授業後、校舎の裏側にある誰も使わない階段で起こった。 葵がマスクをつけたまま階段を上がっていると、二人の女子生徒に呼び止められた。彼女たちは、葵の美貌を妬み、教室で彼女が話そうとしないのを**「私たちを見下している」**と勝手に解釈しているグループだった。 「ねえ、日向さん。あんたさ、いつまでそのマスクでいい子ぶってるわけ?」 「ほんと、気持ち悪い。その顔で、私たちより優等生でいようとしてるんでしょ?自信過剰なのよ」 二人は葵を取り囲み、陰湿な言葉を浴びせる。葵は反論せず、ただ耐えていた。マスクをしているとはいえ、美貌は隠しきれない。彼女の悲しい瞳を見るたびに、女子たちはさらに苛立った。 「ねえ、そのマスク取ってみなよ。また、みんなに見てほしいんでしょ?この階段でなら、誰も見ないからさ」 一人が、再び葵のマスクに手を伸ばした。 『やめて…!』 葵が咄嗟にその手を払いのけようとした、その瞬間―― 「何やってんだ、お前ら」 冷たく、威圧感のある声が響き渡った。 階段の下に立っていたのは、部活帰りの桜庭蓮だった。彼は、汗で髪を濡らし、普段の明るい表情とはかけ離れた、鋭い怒りの目をしていた。 女子たちは、学園の人気者である蓮がここにいることに驚き、顔色を変えた。 「さ、桜庭くん?違うの、私たちただ、日向さんと…」 「言い訳はいい。陰で一人を責めるのが、お前らの言う『優等生』のやることか?」蓮の言葉は、まるで氷のように冷たかった。「日向がマスクをしていようが、していまいが、お前らには関係ない。人の心を土足で踏みにじる権利は、誰にもねぇよ」 蓮はそう言い放つと、迷わず階段を上がり、二人の女子生徒を押し分け、葵の前に立った。 「…行くぞ、日向」 彼は、一言だけ言って、背中で葵を庇った。その背中は、広くて、頼もしく、まるで外部からの全ての攻撃を防ぐ盾のようだった。 女子生徒たちは、蓮の冷たい視線に耐えられず、何も言えずにその場を逃げ去った。 静寂が戻った階段で、蓮は静かに振り返った。 「大丈夫か?」 蓮の顔には、まだ怒りの余韻が残っていたが、葵に向ける瞳は、心底心配の色を浮かべていた。 葵は、マスクの下で溢れそうになる涙を必死にこらえた。 —顔じゃない。優しさでもない。 彼女のトラウマは、美しさゆえに誰からも守ってもらえないという孤独感だった。しかし今、この蓮という少年は、自分の人気や立場を一切気にせず、ただ**「日向葵」**という一人の人間を守ってくれた。 蓮の視線は、彼女のマスク越しにある素顔ではなく、彼女の心だけを見ていた。 その瞬間、葵の中にあった厚い氷の壁が、ガラガラと音を立てて崩れ去った。 「…ありがとう、桜庭くん」 震える声で感謝を伝えると、葵は意を決したように、初めて自分から蓮の目を見つめ返した。その瞳には、もう恐怖や拒絶の色はなかった。 「蓮くんに、助けてもらった…」 初めて、下の名前で呼ばれた蓮は、一瞬目を見開いたが、すぐに優しく微笑んだ。 「当たり前だろ。もう、一人で我慢するなよ、葵」
前回:https://scratch.mit.edu/projects/1246512442 次回:https://scratch.mit.edu/projects/1246513549 拡散してくれた方!!(フォロー推奨!!) @silyawa-zu @neko_121_sub_hinan @Ruri_01-22(14スタ拡散!!) @ 第4章出しました!遅くなってすみません(-_-;)いろいろと学校でありまして…まあその話は置いておいて…!今回は、仲直りしたら、なんか話し終わっちゃいそうだから、ライバル的な存在を入れてみました!結構むずかったーけど、できたんでまあまあ!いいってこと!第4章を出すの遅くなったので、第5章は早めに出したいと思いますので、応援よろしくお願いします!最近寒くなってきたので、皆さんお気をつけて!それとフォロー、♡&☆、拡散もよろでs(((殴 (旗押したら、音楽流れまーす!)