【一話】鮫島アオイは憧れていた ____ここは、鮫島アオイが幸せだった世界線。 「…ふわ、眠い…」 柔らかい日差しが目覚めを誘惑する。周りには暖かい空気がふんわりと漂っている。スマホのアラーム音を止めて、顔を洗う。今日はこのやつがいいかな?とかわいらしいメイク用品を取り、顔につけては可愛いと取り繕う笑顔を自然と発生させる。お気に入りの魔法少女曲をかけて朝ごはんを作る。今日はパンにスクランブルエッグを作り、野菜とヨーグルトを添える。我ながら上出来と戯言を吐きながら写真を撮り、食べる。食べ終わった後歯を磨き髪をアレンジ、時間がないことに気づき急いで制服を着て駆け出す。今日も楽しい一日の始まりを感じながら学校のドアを開けた。 「あ、鮫島ちゃん!おはよう!」 「おはよう、モブ子ちゃん。」 「今日もかわいいなー!!!」 「あれで勉強できないのってギャップだよねw」 「てか運動もできないの姫って感じ?」 「ガチかわいいー!」 周りが自然と寄ってきて、お世辞のように何かすることない?と聞いてくる。ただ悪い気はしない。 「なんか今日転校生来るらしいよー!」 「…へー。」 興味はないものの、何が来るかな?なんて考える。 「お前ら席につけー!」 「げ、センコー。」 「今日は…転校生が来るぞ。入ってこい。」 扉が乱雑かのように開けられ、長いポニーテールを揺らしながらイケメンとも呼ばれそうな女子が入ってくる。 「…ミカ・ルルア。お前らに構うつもりない。」 「ルルアっ…!お前そういうこと言うな…まぁいい、席は…鮫島アオイの隣だ。」 その態度の悪さに周りから非難の声が聞こえる。 「アイツ…何あの態度…」 「態度悪すぎじゃね?」 「どうする?鮫島ちゃんに危害出したら?」 「いじめるしかねぇだろ。」 ガタン、と隣から音がする。 「あ…えっと、よろしく。」 「…うん。」 「は?塩対応すぎ…」 周りから聞こえる雑音に、耳を背けたくなる。 「…おい、お前。鮫島ちゃんに酷い態度とりすぎなんだけど。もうちょっと優しく_」 ゴッ。 確実に、聞こえる。見えた。モブ子の顔にヒットしたミカ・ルルアのグーパンチは敵意のこもった一発だった。 「お前ら、私がどんな態度を取ろうといいだろ?」 先生が静止する間もなく、数分の間にこの出来事が起きた。ミカ・ルルアは量の多い分厚いほんを取り出して読み始めようとしたが、先生に連れて行かれた。 「…」 じっと、その場を見ていた僕は…水筒のフタのコップにたっぷりお茶を注ぎ込んで、一言つぶやいた。 『ずるい』 溢れ出て止まらない感情、嫉妬で埋め尽くされる。 「ずるいなぁ、強くて。」 鮫島アオイは、ミカ・ルルアに憧れると同時に…妬んだ。ひどく醜い顔を晒さないように平気を取り繕いながら、密かに嫉妬で溺れていた。
アニメは早かったから小説にしてみました。 登場人物 鮫島アオイ : 嫉妬 ミカ・ルルア : 憤怒 モブ : 邪魔者 曲 : 愛執染着 / かんてゐく様