第三話「邂逅遭遇」 〜???追憶〜 雪原に足跡を残す。 しゃりしゃりと音を立てて雪が沈んでいった。 吐息は白く宙に残り、空へと昇る。息遣いが荒くなっていく、聞こえるほどに心臓が脈打つ。喉は冷えて凍るような痛みに蝕まれる。 流した涙は瞬間に凍てつき、目の周りに氷の粒がいくつもできる。凍らないままの汗が、頬に伝い落ちる。 なんで、なんで、なんで! 「なんで…わたし…あぁ…」 滑稽な私を膝が嘲笑う。白く濁る視界が、現実を押し付けてくる。なぜ、私は私を生かしてしまったのか。 凍るように冷たい片手を手袋越しにさらりと撫でる。 …たしかに、たしかにこの手が氷の剣を創り出していた。耳慣れのしない声に囁かれた通りだった。 「私、は…」 記憶が曖昧になった。 _________ 〜雪乃視点〜 冷たすぎる風に目を細めた。風の向かう方に足を進める。 「…あの、これってどこに…」 「軍事基地よ。食料がいるでしょう?」 「軍事基地…」 _________ 「ここなら少しは持つわ。窮屈だけど、死ぬよりはマシ。」 そう言ってつららさんは埃を被った段ボールのテープを破る。音が倉庫を反響し、跳ね回って耳に戻ってくる。そんな音に混じって、地面を硬い靴で叩く音がする。瞬間的に振り返った。そこにいたのは…______ 「……黒い…人」