リミックス禁止、自作発言禁止 第28話「古代遺跡アルグレア」 基地の広間には、まだ料理の余韻が残っていた。 皿は片づけられ、ほんのりと温かい空気だけが漂っている。 ガルド「いやぁ~、めちゃくちゃうまかったぜ!ありがとな!」 夢「それはよかった!作った甲斐あったわ」 ネオ「口に合ってよかったです…」 ケイはその様子を見て、ふっと息をつく。 ケイ「…みんな、すっかり仲良くなったね」 やがて片づけも終わり、基地には夜の静けさが戻ってきた。 テバ「部屋は空いてる。好きなところを使ってくれ」 ガルド「ケイ、明日の作戦会議がある。俺たちの部屋に来い!」 ケイ「はいはい、わかったよ」 その時、アーベルが少しだけ手を挙げた。 アーベル「あ、君たちは先に寝てて。ちょっとやることがあるから」 そう言うと、いつもより静かな足取りで自分の部屋へと消えていった。 ガルド「最近あいつ、寝る前に手紙書いてるんだよな」 とびねこ「手紙、ですか?」 ガルド「遠い国の友達に送るとか言ってたぜ。真面目だよなぁ」 誰もその言葉を気に留めなかった。 翌朝、出発の準備が整い、基地の前に別れの空気が流れる。 ケイ「じゃあ、行ってくる」 KK「元気でな。無事に戻れよ」 夢「帰ってきたら、また飯作ってやるからな!」 アーベルは、いつもの調子で振り返った。 アーベル「あ、そうだ。残る君たちは基地の物を自由に使っていいよ」 夢「お、太っ腹じゃ...」 アーベル「その代わり、僕の部屋の掃除を頼む」 夢「あぁ!?なんでだよ!」 アーベルは困ったように笑い、 アーベル「まぁまぁ。じゃあ、行ってくるね」 勢いよく扉が閉まり、四人の姿は街の中へ消えていった。 エルダストから数キロ離れた、乾いた風が吹き抜ける荒野の奥に、それはあった。 巨大な石柱と半壊した門。 人の手で造られたとは思えないほどの威圧感が、四人を迎え入れる。 ケイ「…ここが、アルグレア」 アーベル「うん。地図通りだ」 遺跡の外壁には、風化した古代文字がびっしりと刻まれている。 意味は分からないが、見ているだけで胸の奥がざわついた。 テバ「…気をつけろ。ここ、空気が妙だ」 ガルド「敵の気配ってより…嫌な予感だな」 ケイは剣に手をかけ、一歩踏み出した。 ギィ……ゴゴゴ…… 石の門が、重たい音を立てて開く。 中は、想像以上に広かった。 天井は高く、壁には青白い魔法灯が一定間隔で灯っている。 アーベル「…まだ、灯りが生きてる。千年前の遺跡とは思えない」 ケイ「つまり、まだ機能してるってことか」 一歩進むたび、足音が不気味に反響する。 その瞬間。 カチッ。 ボタンが押される音がした。 テバ「止まれ!」 次の瞬間、床の紋章が赤く光った。 ズガァァァン!! 壁から無数の石槍が飛び出す。 ガルド「おおっと!!」 ガルドが前に出て、腕で槍を弾き飛ばす。 テバは即座に後方へ跳び、ダガーで飛来物を切り落とした。 ケイ「罠か!」 アーベル「違う…侵入者排除用の迎撃機構だ!」 罠は一度きりではなかった。 床、壁、天井、遺跡そのものが敵意を向けてくる。 ケイ「チッ…歓迎されてないな」 テバ「むしろ、よく生きてるほうだ」 通路の先、円形の広間に出た瞬間 ゴゴ……ゴゴゴ…… 床が割れ、石の巨人が立ち上がる。 アーベル「来るぞ!ゴーレムだ!」 ガルド「任せろ!!」 ガルドが地面を蹴り、正面から突っ込む。 拳が石像の胴体に叩き込まれ、衝撃波が広がる。 だが、砕けない。 ガルド「っ…硬ぇ!」 ケイ「俺が行く!」 ケイの剣が雷を帯びる。 ケイ「雷豪...回転斬り!」 雷光が走り、石像の腕を切断する。 崩れた破片が床に転がった。 テバ「今だ!」 テバのダガーが影のように走り、 石像の関節部の動力核を正確に貫いた。 石像は、音もなく崩れ落ちる。 アーベル「…やっぱり、君は勇者だ」 ケイ「まだだ。ここからが本番だろ」 戦闘のあと、広間の奥に続く階段が姿を現した。 階段の先は、闇。 アーベルは一瞬だけ、その階段を見つめてから、視線を伏せる。 ガルド「どうした?」 アーベル「…いや。なんでもない」 テバ(…嘘だな) テバは気づいていた。 アーベルの指先が、わずかに震えていることに。 ケイ「行こう。最深部は、まだ先だ」 四人は、何も言わずに階段を下り始めた。 ケイたちは遺跡内部の広間で焚き火を囲んでいた。 崩れた柱と石像に囲まれた空間。 炎の揺らぎが壁に影を映し、遺跡は不気味なほど静まり返っている。 ケイ「なぁ…なんでお前たちは、この遺跡の最深部にそこまで執着してるんだ?」 その問いに、炎がぱちりと音を立てた。 一瞬の沈黙。 ガルドが頭をかきながら、ゆっくりと口を開く。 「まぁ…簡単に言えば...いや、難しい話だ。この遺跡の最深部にあるって言われてる宝は、ただの金銀財宝じゃねぇ」 ケイ「それはいったい...」 ガルド「古代装置でな…願いを叶えるらしいんだ」 ケイ「願いを…叶える?」 アーベルが焚き火を見つめたまま、静かに続ける。 アーベル「《アルグレア・コア》この遺跡を造った技術者、アルグレアの名を冠した装置だ。」 ケイ「すごそうだな...」 アーベル「古代人の魔法と技術の結晶…そう言われている」 ケイ「へぇ…で、お前たちは、どんな願いを叶えたいんだ?」 問いかけに、テバが小さく息を吸った。 テバ「…師匠の、トールさんを…生き返らせたい」 ケイ「…生き返らせる?」 焚き火の炎が、わずかに揺れた。 アーベル「僕たちの師匠だった。昔、遺跡調査の最中、魔物に襲われてね…」 悲しそうに続ける。 アーベル「その時、まだ子どもだった僕たちを逃がすために、ひとり残った」 ガルドは拳を握りしめ、歯を食いしばる。 「あの人がいなきゃ、今の俺たちはいねぇ…なのに、俺たちは何もできなかった」 テバ「…だから、ここまで来た」 ケイ「…そうだったのか」 ケイは焚き火に視線を落とし、しばらく黙り込んだ。 ケイ「…でも生き返らせるって願いは、簡単じゃないはずだ」 その言葉に、アーベルは小さく笑った。 アーベル「さすが勇者だね。鋭い」 焚き火に手を伸ばし、指先を温めながら、アーベルは続ける。 アーベル「《アルグレア・コア》は万能じゃない。願いが大きければ…それに見合う代償が必要だ」 ケイ「…代償?」 アーベルは一瞬だけ、ケイの方を見た。 その表情は、どこか覚悟を決めたようで、同時にとても穏やかだった。 アーベル「そう、願いが叶っても、失うものは必ずある」 アーベルは、ゆっくりと焚き火から視線を外す。 「それでも……僕たちは進む。師匠を…トールさんを、もう一度この世界に戻すために」 炎が静かに揺れ、影が長く伸びた。 その夜は、誰も話さなかった。 ーーーーーーーーー第28話終わりーーーーーー
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