説明: 森の奥に、小さな家がひとつ立っている。その家から手足が伸び、静かに地球を抱えている存在がいる。名はプラネタリ・セコラー。 彼が抱えている地球は、本物の地球ではない。いくつも作られた世界のうちの一つで、試されるために置かれた世界だ。文明が進みすぎていないか、争いが増えすぎていないか、世界の重さが限界を超えていないか。それを確かめるため、プラネタリ・セコラーは森の中で黙って立ち続けている。 彼が地球を抱えているあいだ、大きな崩壊や取り返しのつかない破滅は起こりにくい。まるで世界そのものが、彼の腕の中でかろうじて形を保っているかのようだ。もし腕が緩めば、世界は一気に不安定になる。 世界が限界に近づいたとき、プラネタリ・セコラーは時間をわずかに巻き戻すことができる。ただし、そのたびに彼の周囲の森は静かに衰えていく。何度も使える力ではなく、救いは常に代償と引き換えだ。 彼は言葉を使わない。だが、人類が危険な選択をしようとすると、現実の中に奇妙な偏りが現れる。同じ数字、同じ配置、同じ偶然。それは彼なりの警告だと考えられている。 プラネタリ・セコラーが人類をどう思っているのかは分からない。好意も敵意も示さない。ただ世界を抱え、その重さに耐え、役目を果たしているだけだ。 世界が重くなりすぎれば、彼は動けなくなる。それは欲望と争いが積み重なった結果でもある。もし彼の家が壊れれば、この世界を支えている基準そのものが失われるとも言われている。 彼は神ではない。支配者でもない。観測者と呼ぶにも足りない。ただ、世界が完全に壊れてしまう前に、最後まで抱え続ける存在だ。 世界は、まだ抱えられている。
今回はかなり長い。