↓Scroll to Read.↓ 私がこの世界を創ったのは、霏霏(ひひ)と舞いおちてくる雪を眺めながら、大切な「仲間たち」と一緒に私だけの世界をつくりあげたいと思ったから。 たった、それだけの理由だった。 私はこれを、「雪と言の葉の降る世界」と名付け、その名前を紙に書き起こした___途端に、私の後ろで強い光が放たれたから、何かと思って振り返った。 そこにあったのは、さっきまでただの押入れの襖(ふすま)だったはずの、雪の結晶の模様が一面に描かれた薄い水色の扉だった。 そんなことあるのかと内心驚きながら、その反面期待しながら、その扉をおもむろに押し開けた。 その扉を押し開けた先、そこには一面の銀世界が広がっていた。 立ち尽くしながらもふと頭上を見上げると、真っ青な鳥居があって、不思議な気持ちになりながらそれをくぐり抜ける。 すると、雪原に露草の色をした三角屋根の大きな一軒家が突然現れ、その家の扉が開かれる。 「待っていたよ、“Nocturne(ノクターン)”」 私よりもほんの少しだけ低くて、穏やかな声音をした彼女___Serenade(セレナーデ)は、柄にもなく私を温かく出迎えてくれた。 「え、なんで私って分かったの?」と言いかけて、私は改めて自分の姿を確認してみる。 薄群青色の長い髪は後ろでひとつの三つ編みにまとめられ、顔には空色の丸眼鏡、鮮やかな浅葱色(あさぎいろ)に、水色と(線がなく色だけがついた)青色の雪の結晶が重なったベレー帽、花色(はないろ)のTシャツに桔梗色(ききょういろ)のズボンを履いていた___それは、私の『代理』と呼ぶに相応しいといえる服装で。 少し暗い藤の花のような色で、毛先が肩に届くぐらいの髪を揺らしたSerenadeもといセレンは、ただ自分の容姿を眺めるだけだった私の顔を覗いてくる。 「ノク、大丈夫か?」 「えっと……うん、大丈夫。あまりにも突然だったから、信じられなくて」 苦笑を浮かべながらも答えると、彼女は一瞬逡巡(しゅんじゅん)の表情を浮かべ、そして「そうか…そうだよな」と納得したように返答した。 「そういえば、霖羽(りんう)ちゃんと【雪文字 (ゆきもじ)】は?」 「あぁ…二人なら、もうすぐ来るはずなんだが…」 彼女が心配そうに一軒家の扉へ目をやると同時に、例の二人が扉を開けてこちらへ駆けてきた。 「作者さん…ようやく来てくれたんですね!てか、あたしたちがどれだけ待ったと思ってるんですか…!」 まだ可愛げのある(幼さの残る)高い声で、静かに怒りをたぎらせてたのは、この世界のアイドル的存在の潮凪 霖羽(しおなぎ りんう)。 「あ、ノクちゃん。こっちでずーっと待ってたけど、こんなときに来るなんて…まぁ、予想外だったよ」 いかにも怪しい口調で話しかけてきたのは、「虚」という漢字一字に、雪の結晶を散りばめた紙を顔に貼り付けた【雪文字】で。 「二人も、待たせちゃってごめん。なかなか世界線自体の名前が決まらなくて…ここの名前が決まるのが、たまたま早かっただけ。…だから、ほかの世界線の名前も、できればみんなの意見を取り入れながら決めたいんだけど、どうかな?」 吃(ども)りながらも謝罪と提案の言葉を吐露すると、三人は顔を見合わせてから、私へ視線を向ける。 「もちろん、一緒にやろう」 「作者さんが困ってるなら、あたしも助けますよ!」 「わたしに出来ることはあんまり無いけど……ちょっとだけなら、手助けしてもいいよ?」 彼女たちの賛同の声に、私は図らずも安堵して、 「じゃあ、早速会議で決めよっか!」 物語の本当のはじまり(始発点)は、きっとここからなのだ。 私はそんなことを思いながら、私が創り出した世界線の名前を決める会議を始めた。 【To be continued ...?】
https://scratch.mit.edu/projects/943144858 ↑これのリメイクみたいな物語です 【使用曲】 身体の分解と再構築、または神話の円環性について/こんにちは谷田さん feat.雪歌ユフ