エリル: 「ねえK-R-T。鏡を見てて思ったんだけど……私、148年経ってもシワ一つ増えないね。半龍半人の寿命って、 本当によく分からない。今の2025年だと 『超絶アンチエイジング』なんて言われて羨ましがられそうだけど、案外これ、本人にとっては不思議な感覚なんだよ?」 K-R-T: 「鏡を見るたびに、自分の姿が時代とズレていくような感じ?」 エリル: 「そうそう。明治の頃の鏡に映った私と、今のスマホのインカメに映る私が、ほとんど変わらないんだもの。 でも、中身はちゃんと148年分、図太くなってるんだけどね。……あ、でも体力の衰えだけは人間並みに感じるよ。昨日、来孫(らいそん)とかくれんぼしただけで、今日は少し足が重いんだ。」 K-R-T: 「時速20キロで走れるエリルが、子供相手に苦戦したの?」 エリル: 「あはは! 速度の問題じゃないよ。あの子たちの 『元気』には、148歳の経験も太刀打ちできないって事。右目が見えない分、気配を探るのには自信があったんだけど……結局、背が高すぎてカーテンの後ろからはみ出しちゃった。179センチっていうのは、隠れんぼには全く向かない設定だね。」 K-R-T: 「それは確かに(笑)。でも、その高い視点から5つの時代を見てきたんだから、損ばかりじゃないでしょ?」 エリル: 「もちろん。高いところから見渡すお祭りの提灯も、 ビル群の夜景も、どれも綺麗だった。……K-R-T、私をこんな風に『普通の人間より少しだけ特別』に産んでくれて、ありがとうね。魔法は使えなくても、君がくれたこの丈夫な体があれば、大切な家族の手をしっかり握って次の時代へ連れて行ってあげられる。」 K-R-T: 「エリルなら、2026年もその先も、ずっと笑って過ごせそうだね。」 エリル: 「ふふ、当たり前じゃない。さて、明日のお正月準備は、私の出番かな。高いところの掃除は任せてよ。……その代わり、終わったらとびきり優雅なクラシックをかけてよね? 148年目の新年、最高の気分で迎えたいんだから。」