まえがき 前々回と前回までの更新速度を考えるとありえないくらい早い更新ですが(前が遅すぎただけ)、どうも。ロアです。前回あとがきを入れ忘れたのに気付いて今から書こうかと悩んでいましたが、よく考えれば超ふざけたあとがきなんて誰も求めてないよね(笑) では長すぎると飽きられるし本編どうぞー レアンは目を開け、周囲を見渡した。 オルタナの海はぞっとするほど冷たく、わずかに濁っていて見通しが悪かった。 あちこちに何らかの施設や家が沈んでいて、何とも言えない寂寥感を醸し出していた。 生き物の姿はない。稀にゴミ山の隅に小さな貝が蠢いている程度だ。 レ(サイト6が半分沈んでたから何となく予想してたけど、思ったより深くまで家が建ってるのね。) レアンはロウトから水を噴き出して泳ぎ始めた。 泳げない者の多いインクリングにしては珍しく、レアンは泳ぎが得意である。淡水は浸透圧の関係で息はできないが、海水ならば呼吸し長く深く潜ることもできる。 メハダはそのことを知らなかったため水に入るのを止めようとしたのだ。 レ(面白い光景は見れたけど、特に変わったものはなさそうかな?もう少し深く潜ってみよ) 一方そのころ地上では。 メ「え??そうだったんですか…水が平気なイカもいるんですね。」 1「いやー私も最初びっくりしたよ!3号がフウカちゃんと戦ってる途中、いきなりパっ!って水に飛び込んでびゅーん!って泳いで、サメさんに直接ズバババン!って!」 メ「へぇ…ズバババンはよくわかりませんでしたが凄いですね!」 あはは…と楽しそうにメハダと1号が二人で笑いあっていた。 メ「たしか我々が水に耐えられないのは、イカからヒトの姿に変態するせいで体の膜が薄くなったから簡単に破けるとかどうたらこうたら」 1「うーん…細かいことはわかんないけど、そういえば3号は敵のインクも平気そうにしてた!」 メ「成程…液体に強い体質なんですね。シャケに物理で殴られたらどうなるんでしょうね?」 1「それは見たこと無いからわかんないや…でもバイトはよく行ってるよ。」 メ「ほうほう」 そんな他愛のない会話をする二人の横で、コジャケが暇そうに大きな欠伸をした。 レ「…あんた、なんでここにいるの……」 レアンは目の前のサメ…フウカの”先生”を見つめ、溜息を吐いた。 フウカはおらず、先生単独だ。主人の指示が無いからか襲ってはこないが、気に食わなそうな顔でレアンを睨みつけている。 レ(万が一戦闘になったら面倒だし、もう撤退しよう…結局面白そうなものはなかったし。) そう考え、レアンは水面を目指して上昇した。 先生は追って来るでもなく、浮上するレアンを横目に泳ぎ去っていった。 レアンは勢いよく水面からジャンプし、派手に顔面からべしゃんと地面に突っ込んだ。 メ「うーわ、痛そう…」 レ「水から出た瞬間は体が重くてね…あ、はいこれカメラ。」 ロウトからぴゅーっと水を噴き出しながら、レアンは潰れた姿勢のままメハダにカメラを渡した。 メ「ありがとうございます。早速見ますか…って言おうと思いましたが、それ復帰に時間かかります?」 メハダはまだうつ伏せのまま少しずつ水が抜けてきているレアンに笑い半分、心配半分の目を向けた。 レ「大丈夫、もう起きれる。」 そういってレアンは身を起こし、ふと気になったように横を見た。 レ「なんかコジャケしゃべってるね?」 メ「そういえばさっき辺りの匂いを嗅ぎまわってましたね。なにか見つけたんでしょうか?」 そういって二人は声のする方に歩き出し…数秒後、絶句した。 メ「レアンさん、これ…」 レ「…存在忘れかけてたけど、そういやあったねそんな話…こいつがそれで間違いなさそうかな?」 メ「ええ…」 コジャケが跳ね回っている場所の足元に、赤黒い液体が散乱していた。しかも、それらは触ってもいないのにじわり、じわりと動いていた… 続く
BGM:甘茶の音楽工房 次回 https://scratch.mit.edu/projects/1309006031 前回 https://scratch.mit.edu/projects/1239309262 ちび解説 ロウトとは 漏斗(ろうと、hyponome)は、イカ、タコなどの頭足類において、移動のために用いられる器官。筋肉のじょうご、あるいは水を出す鞴のようなものである。漏斗は拡張し、それから縮み、水を噴射させる。このジェット水流によって、頭足類は、任意の後方に進むことができる。(Wikipediaより)