Episode3.開花 「…にしても、金出さん遅いね…」 「そうですね…そろそろ戻ってきてもおかしくないと思うんですが…」 東方面へと向かった金出。あれから10分ほど待っているものの…なかなか来ない。 すると人影のようなものが東から見えてきた。 「あ、戻ってきたみたいですね!」 喜ぶ天宮を差し置いてわたしは違和感を感じていた。 少しずつ鮮明になる彼女の姿。 はっきりと見えた彼女の体には蔦が絡まっていた。 「…!」 全身に絡まる蔦…花傀儡はなくぐつの特徴の一つだ。彼女は助けるような目でこちらをみている。 「あ…あ…雨花さん…はやく…私を…」 こちらに少しずつ近寄ってくる金出。蔦からつぼみが生えてきた。 「早く私を殺してください…!!」 彼女がそう叫ぶとつぼみがぱっと開き、金蓮花…ナスタチウムが咲いた。途端に彼女の目の光が消え、口を閉じた。 「…か、金出さん…が」 目の前で同僚が花傀儡となった。軍の決まりのため殺さなくてはならない。 後ろからも花傀儡がこちらにやってくる。 危機、かもしれない。取り敢えず軍に報告を入れよう。 「こちら『白月』所属雨花、司令部応答願います。」 『こちら司令部、どうされましたか?』 「『白月』所属の金出が花傀儡となりました。現在彼女含め二体の花傀儡に遭遇中、こちらの人数もわたしと天宮の二名、応援を頼みます。」 『かしこまりました。落合さんを呼びますので少々お待ちください。』 上官が来てくれるのであれば心強い。 「ありがとうございます。」 一言礼を言い通信を切る。金出はともかくもう一体の花傀儡がいつ花傀儡になったかによって強さが変わってくる。 「あ…」 天宮が困惑の声を出す。 「天宮さん…がんばろ…。」 背中に背負っていた鎌をとる。
#君は私を殺せない 公式スタジオ: https://scratch.mit.edu/studios/51168997/ <作者のあとがき>