SHOVEL KNIGHT:Yacht Club Games 前回: https://scratch.mit.edu/projects/1269680862/ 次回: 【⚠︎注意⚠︎】 この小説はゲーム「SHOVEL KNIGHT」の重大なネタバレを含む!未プレイの人はご注意を!! 「怪しい格好だな!調べさせてもらうぞ!」 鎧を着たおっさんがポケットやその辺りを手探りで探してゆく。何も出てこなかったので服とズボンと下着とサングラス以外隅々に没収した撲滅隊をはじめとする反ゴンザレスのことをチャンプは再度思い出した。 チャンプを大統領とし、ゴンザレスやその信者達が住む国、ゴザ国はゴンザレス撲滅隊、FBIなどに制圧され、チャンプは更生装置にぶち込まれてしまう羽目になった。 一度でもやられてしまえば人格を消され、善人として元の世界で仕えなきゃいけなくなってしまう…そんなことは嫌だ。この世界から脱出し、次の世界へ行く条件「『エンチャントレス』の討伐」を目標にするも「ブラックナイト」に行方を阻まれ、やっと村を見つけたところだ。 「うーむ…何も変なものは見つからないな…いいだろう、面倒ごとだけは起こさないでくれよ!」 と、鎧を着たおっさんは通してくれた。ブラックナイトの件もあるのでエンチャントレスについては他の別の人に聞こう…。 自分がいた元の世界では民種がいくつもあったが、人型の馬やヤギというのは見た事がなかった。全員に話が通じそうだ…ひとまず安心した。ただ、さっきまでは人全員に話をしようと考えていたのにいざ多くの人に会うとそうはいかなくなる。 腹が減り、チャンプは煙の漂う食堂に行ってみた。 「ナニカ食べ物ヲ…。」 「はいよ。あんた、食事券はあるかい?」 食事券…? 「ここで食事をするには『食事券』というのが必要なんだ。あそこにいるヤギ人が何枚か持ってたっけな…。」 チャンプは聞こえない指示に従い、下にいるヤギの前まで降りた。 「食事券タルモノをクレナイ?腹ガ減ッテテ…」 「ふむ…」 ヤギは人間のように悠長に言葉を発した。 「ただでは渡せないな。これくらい金を集めてきてくれれば…」 と『3000』と書かれた付箋を食事券に貼り、白い歯をこちらに見せドヤ顔を決めていた。 「ハイ!食事券全部アゲマス!」 裏手に回したヤギのゴンザレス化は成功。見た者をゴンザレス化する…これが「ゴザの踊り」の効果だ。 「おっ!あんた、そいつはもしや…食事券じゃないか!よし、大急ぎで作り上げるぜ!あたりは散らかるがそれは勘弁してくれ!」 食堂のお兄さんは残像を残すかのような手際さですぐに料理を完成させてくれた…が…できたものは…なんだこれ?見たことないぞ? 「イ…イタダキマス…。」 お兄さんは満面の笑みで未知の料理を口元に運ぼうとするチャンプを待っている。 その料理とは…紫のツタが絡んだようなものにさまざまな色の調味料が降りかかり、葉のようなものがついているものだった。食べれないことはなかったが食欲の問題で、チャンプはお礼を言って建物の裏に回った。 用を終わらせて今度はハシゴを使い、地下に下がってみると4人の村民?がいて、右の部屋にはリンゴの被り物をつけて踊っている変人と青い宝箱が見えた。 4人のうち1番怪しくなさそうなおじさんにチャンプはやっと聞きたいことを聞けた。 「スマナイ。ボクハ今『エンチャントレス』ッテノを探シテルンダケド…ナニカ知ッテルコトハ?」 声が大きすぎたようだ。『エンチャントレス』という言葉を口にしただけで4人全員の視線がこちらに集まり、そのうち2人は睨んできた。 まさか…口に出すべきではなかった…? おじさんは冷静な声を保ち、こう言う。 「お主は…何者じゃ?ワシはプライドムーア王。エンチャントレスの配下の者によって王座を追われた者じゃが…エンチャントレスのことは何も知らないのかね?」 チャンプは更生諸々について言うのをためらった。というので「無知な放浪者」として話を進めた。するとプライドムーア王は警戒を解き、以下のことを語った。 ー ここからでもそびえ立っているのが見える「運命の塔」は不明な要因によって姿を消した…はたまた不明な要因で再度出現したのと同時に「エンチャントレス」とそれに従う「ボクメツ騎士団」という集団が現れ、この地を混沌に陥れようとしていた…。 「…実害として、ワシはボクメツ騎士団のうちの1人、『キングナイト』に王座を強引に奪われてしまったのじゃ。ジョスタスの件では…いやなんでもない。」 チャンプはエンチャントレスを討伐しなければいけなかった。そしてそのエンチャントレスを討伐するためにボクメツ騎士団の全員を突破しなければいけなかった。つまりキングナイトとやらも倒さなければいけないようだ。 「ボク、キングナイト倒シニイクヨ。」 そう言った瞬間、3人から驚愕の視線をこちらに向けられた。 「しょ…正気かの!?キングナイトの強さはこの目で見てきた…なんなら一度手合わせだってした!それに、キングナイトは今や厳重なセキュリティを展開しておる!それでも真に行くというのかね!?」 チャンプはその凄みをあまり分かっていなかった。 「報酬ハ?」 「う、うぅむ…もちろん、10000ゴールドはくれよう!ただし金に釣られるでないぞ!彼奴は強く…」 「アト他ノボクメツ騎士団モ倒シタインダケド」 「何を申すか!?危険極まりなi」 「エンチャントレスを倒シタイカラネ…。」 プライドムーアの王は悩みに悩み、チャンプに全員の情報を教えたのち騎士団の1人討伐につき1万ゴールド、エンチャントレス討伐で3万ゴールドを渡すと約束してくれた。 以下がボクメツ騎士団のリストだ。 キングナイト。 国「プライドムーア」を奪い、多くの手下を持つ騎士。 プライドムーア城を拠点にしている。 スペクターナイト。 アンデッドを駆使し、大きな鎌を振るう冥界の騎士。 リッチの庭を拠点にしている。 プレイグナイト。 爆弾を乱用する、マスクを被った天才錬金術師兼騎士。 爆発研究所を拠点にしている。 トレジャーナイト。 ここらで最も財を持っている海賊という名の騎士。 鉄のクジラ号を拠点にしている。 モールナイト。 大きな爪で採掘し、ブラック環境を運営している騎士。 古代都市を拠点にしている。 マシンナイト。 兵器を多く作り、技術力で貢献している騎士。 時計塔を拠点にしている。 フロストナイト。 図体が大きく、腕力や戦闘スキルに長けている騎士。 難波船を拠点にしている。 プロペラナイト。 飛行船を多く所有し、空の覇者ともいえる騎士。 飛行船を拠点にしている。 そして…エンチャントレス。 ボクメツ騎士団を配下につけ、世界を混沌に陥れようとしている者。運命の塔を拠点にしている。 長い話が苦手なチャンプもここら辺の説明には耳を傾けた。心優しい王の心配な目線を横に、「ヨワソウダネww」と一言。 「あなたは…?」 プライドムーア王との取引を終わらせ、左の壁が怪しいことに気づいたチャンプは適当に触ってみると少し広い部屋に出た。 正面には病気を持ったような顔色の女性がいる。 「ナンデアノ壁ガ…?モシカシテ家ダッタ?ソレナラ申シ訳ナイ。」 「はぁ…別に家じゃないしあの壁は…その…。」 顔色の悪そうな女性は少し口籠もり、やがてこう提案した。 「ねぇ。私、ここでポイント制のゲームを運営してるんだよね。料金はかかるけど…よかったらやっていかない?ポイントを集めれば集めるほど報酬がUPするシステムなの。」 あいにく、チャンプは1ゴールドも持っていなかったので料金といっても何もなかった。 「金ナイカラ遠慮シテオクネ。」 戻ろうとしたところで地下から微かに「ドカン!!」という音が聞こえた。チャンプは何度も経験したことがある…これは爆発だ。 それに…振動の大きさ的に今足で踏んでる地面から下は空洞になっている? 女性は平穏を保つもチャンプは逆にこの女性が平穏であることを疑った。 「ナニカ下カラ音ガ…?」 「さぁ?気のせいじゃないかしら?」 全く焦りを見せない。今の音が本当に聞こえなかったか、それとも何かを隠してるか…だがこれは恐らく前者だろう。 そう判断してチャンプはくるりと向きを変え、戻ることにした…すると、前方に開いていた壁が閉じてしまった。今度はボタンも何もない。 後ろの女性に目をやる。今度は焦っていた、不覚のようだ…。 なにか「シュー…」と音がする。どこだ?チャンプは辺りを見回したのち、足元を見た。するとそこには黄色の爆弾が転がっていた。 「ウワァ!!」 チャンプが跳び上がると黄色の爆弾は1回で複数の爆発を繰り出した。チャンプが女性の方に向き直り、ゴザの踊りを準備する…と、そこには誰もいなかった。 「逃ゲヤガッタナ…。」 と言ってからチャンプが悪態をつくと、右からか左からか、前からか背後からか頭上からか足元から聞こえてきたか判別できないような声が響いた。 これはさっきの女性の声ではない、深く、低い…いわゆる不気味な声ってやつだ。 「ヒッヒッ…中々やるようだな…。」 「誰ダ!?出テコイ臆病者!!」 「臆病者?失礼な…私にはプレイグナイトという名がある。錬金術師だ。」 プレイグナイト。その名を聞いてチャンプはハッとした。ボクメツ騎士団の1人ではないか…。 「今カラボクハボクメツ騎士団を撲滅シヨウトシテルンダ。ツイデニキミ達ノ親玉モナ。ワザワザ出テキテクレテアリガトウナ。」 「地下研究所の存在の痕跡を少しでも潰して起きたかっただけだ…ヒッヒッ!そして私に勝てるとでも?」 プレイグナイトはチャンプの背後に出現した。爆弾を片手に、上に投げてはキャッチ、上に投げてはキャッチ…を繰り返して挑発していた。 チャンプは後ろ蹴りなどせず、「踊り」を繰り出した。 「ボス!?ボスがやられただって!?皆逃げよう!僕の作った装置ならすぐ研究所まで飛べる!」 青い帽子を被ったハンサムな馬人が研究員を先導して外に逃していた。チャンプはプレイグナイト…現プレイグザレスが所有していた金、爆弾などをいくつか奪った。魔法を使えるアイテムもあったがチャンプはそれを扱うための魔力を持ち合わせていなかった。 「ヒッヒッ!全部持チ合ワセテオリマスゾ!」 チャンプは以下の計画を立てた。まず、チャンプがプライドムーア城に行き、キングナイトをゴンザレス化する。 プレイグザレスから聞いた情報によればスペクターナイトはもはや霊同然…ゴンザレス化は効きそうにないのでチャンプと同時出発したプレイグザレスがリッチの庭にて爆弾を投げ込み討伐する、こんな感じだ。 「今スグニ出発シヨウ。プレイグザレス、準備ハ大丈夫カ?」 「モチロン。ヒッヒッ!サァ行クトシマショウ…。」 適当な住民からひったくった地図が示すままに村から出てしばらく歩き、チャンプは北へ、プレイグザレスは南へと別れた。 「ココガ…プライドムーア城…。」 壁は黄金の輝きを放ち、トラップが数多く仕掛けられ、何より…敵の数が以上に多かった。 偵察の羽付きネズミはチャンプを見るなり上昇し、最も高い塔の最も高い窓に辿り着くとするりと入っていった。 あそこがキングナイトの居場所だろう。 チャンプはバリケードをよじ登り、その窓に向かって叫ぶ。 「オーイ!!ボクゴンザレス!!!キミヨワソウダネww!!」 これは歴としたゴンザレスとしての敬意を払った挨拶だ。 ただ、平均より価値観が違う者同士が会っても気が合うことにはならないということがたった今証明された。 「貴殿!!よもや我に宣戦布告というのか!?いい度胸だ!!こっちに登ってこい!決着をつけようではないか!!」
【↓続き↓】 チャンプがもう一度顔を上げると王冠も含めて金色の輝きを放つカブトがこちらを見て叫んでいた…あれがキングナイトだ。 そう…こちらを見ている。チャンプは両腕を上げた。 「ヒッヒッ…所詮ハ一度滅ンダ元人間…相手ニナランナ。」 「リッチの庭」という名前とはいえ広さの規模は庭じゃない。そして…幽霊やゾンビやスケルトンが彷徨う地帯だ。比喩ではなくそのままの意味である。 プレイグザレス…元プレイグナイトの本分は戦闘ではなく、あくまでも頭脳だった。戦闘時にはこの爆弾を乱用する。 ガラクタに見えた小さい山が「うぅ…」と呻きながら大きなスケルトンへと変貌する。プレイグザレスは爆弾の中身を1秒もたたずに入れ替え、そいつの足元に投げ込んだ。たちまちピンクの炎が上がり、スケルトンはは姿を消した。 「ヒッヒッ…ソコニイルノダロウ、スペクターナイト?」 数秒後、大きな雷が遠くの方で起きた。ピカッ!と光ったがサングラスとずいブリキの人形が出現したのをしっかりと確認した。 「その口調…そのマスク…そのフード…その爆弾…そのムカつく佇まい…随分滑舌が悪くなったな?プレイグ。」 大鎌を持った死神は最初からこちらを見ていなかった。プレイグザレスは答える。 「ヒッヒッ!正シイ主トイウモノヲ見ツケタノダ!オマエモコッチ側ニツクカ?」 「おまけに背も高くなると俺のように論理的な説明ができなくなるのか…ひとまず、俺はお前を敵とみなしていいんだな!?」 スペクターナイトはマントを翻し、別の位置からプレイグザレスへ鎌をブーメランのように投げたプレイグザレスは足元で大爆発を起こし、スペクターナイトより高い位置まで浮遊した後に爆弾を3発投げ込む。降りかかる爆弾を見据え、スペクターナイトは小型の鎌でそれぞれを跳ね返した。 「お前がよく使ってた『ショート型』の爆弾は全部その主とやらに盗られたか?」 まもなく空中で爆弾が作動し、スペクターナイトが反撃にかかる。首をもぎ取る構えで少し後ろへ下がり、ありえないほどのスピードで接近してきた…少なくとも一般人にとっては。 「隙ダラケダ!」 プレイグザレスは少し身を屈めたのち、煙玉を地面に投げて姿をくらました。 見事死から逃れ、スペクターナイトが冷静に煙の外から脱出し、敵を見つけようと辺りを見渡した。 …灯台下暗し。 「オ仲間ハキミを焼却シ忘レタヨウダナ!私ガ代ワリニヤッテヤル!」 再度爆弾を跳ね返そうとてもう遅い。すでに爆薬はマントの内側に捩じ込まれていた。 闇に包まれた庭の中心から炎柱が昇る…新しい主を見つけた錬金術師はマシュマロを探していた。 「プレイ…グ…」 瀕死の死神が炎柱を真っ二つに斬り、力尽きてその場にへたり込んだ。 「ソノマントガ耐熱性ダトハナ…ヒッヒッ!狙イノ物ト一緒ニソノマントノ切レ端モ頂コウジャナイカ!」 「…なんの御用で?」 「キングナイト、プレイグナイト…2人の騎士団が寝返りました。」 「!?」 薄暗い部屋に黒いオーラを纏った声が響き渡る。深く、重みがあって今にも3人の“騎士“が押しつぶされそうになっていた。 「こちらに敵対している輩は未知の洗脳能力を持っています。もはや…この世界のものではありません。あなた達でさえも1対1で対峙するのは危ういでしょう…無論、私も例外ではありません。」 エンチャントレスの1tの声は冷静を保ち、冷酷なまでもあった。世界最強の彼女を現段階で覆す力とはなんなのだろう? 「待っ…待ってくれエンチャントレス様!!俺たちは3人だ!今聞いた中でもスペクターナイト、モールナイト、トレジャーナイトは残ってるはずだろう!?」 「モールナイトとトレジャーナイトを招集するのは間に合いませんでした…スペクターナイトに関しては…寝返ったわけではないでしょうがですね…? あなた達3人が向かえば彼らなんて敵じゃないでしょう?」 エンチャントレスの言葉選びは自尊心の高いプロペラナイトを味方につけているようだった。 「ふっ…3人で?同時に?向かう?下民なんて要りませんねぇ!この私だけで十分です!…が、そんなにこのエリートについて行きたいなら同行させてやっても良いでしょう。」 プロペラナイトの言動も加わってマシンナイトはキレる寸前だった。 「あぁ!もう!行けば良いんだろ!?行けば!?そんで、フロストナイト!お前はどうするんだ!?」 フロストナイトは終始無言だった。結局口は開かずに 「…フン。」 と鼻を鳴らした。この場にいる全員がこれを「同意。早く行くぞ。」と解釈した。 「…よろしい。作戦は…わざわざ言う必要もありませんね?用意なさい。」 運命の塔の最上階には大きな飛行船が停めてあった。 【To Be Continued】