【本文】 訪日中国人について昨今話題となっていることに対する持論にはなりますが、698万人という年度の訪日中国人の数値は、そこまで問題ではないと思います。2025年のデータとなりますが、政府観光局および観光庁によると、訪日外国人のうち4分の1(約700万人)を中国人が占めているそうです。また、こうした訪日中国人による国内消費額は1〜2兆円にのぼるとされています。そして、みずほリサーチ、野村総研及び観光庁のデータによると、訪日中国人の約8割が観光・レジャー目的だそうです。(残り2割はビジネスなど)こういったことから訪日中国人の存在は、日本政府が2000年代初頭より掲げる「観光立国」(観光立国推進基本法(2007年1月施行)の定める、21世紀の日本において観光を政策の柱と位置付け、国際競争力の高い観光地形成、インバウンド促進、持続可能な観光地域づくりなどを目指す法律に基づく用語)においても重要であると思います。 実際、訪日中国人含めた訪日外国人が日本でモノ・サービスを購入して経済を回すことは、日本経済にとって有益です。観光業は地方の経済活性化(観光収入増・税収増・コミュニティ活性化など)にも一役買います。また加えて、"訪日中国人700万人"が中国へ行く日本人の数倍という対比がなされることもありますが、言い方を変えれば中国の人がそれだけ日本にお金を落としているということです。もし単純に海外から日本に来る人の数が、消費額に直結するとするならば、訪日外国人が多ければ多いほど、日本は擬似的な"貿易黒字"の状態にあると言えます。つまり観光業で日本が儲けている状態にあるということです。日本のモノ・サービス・人の温かさが高く評価されれば、それだけ来客とリピーターが増え、日本人の儲けが増えるということです。ここで問題になることといえば、「オーバーツーリズムによる問題」と「文化的・政治的齟齬による問題」だと思います。 オーバーツーリズムとは観光地のキャパシティーを超えた数の観光客が殺到することによって、現地の環境が悪化することです。この問題は、"観光客の数"だけでなく"観光客の日本に対する理解"にも大きく影響を受けます。日本の法律・マナー・文化・習慣etc.を理解していないと、さまざまな場面でトラブルが起こりやすいです。必要な対策が講じられないまま、観光客を無尽蔵に受け入れれば、住民の負担はとてつもなく重くなります。これでは、観光がもたらす利益が帳消しになってしまうので、もし「観光立国」を実現するのであれば、「責任ある観光立国」であるべきです。「責任ある観光立国」とは、観光産業によるメリットを国民が享受できるシステムを整えることから始まります。"観光地ごとのキャパシティーを把握して受け入れ数にリミッターをかける"、"空港などで外国人向けにルール・マナーを要約したリーフレットを配る"、"初めての訪日客にはツアー型観光を促進することで、まずは日本に対する理解を深めてもらう"などなど、できることは山ほどあります。 したがって、訪日中国人・外国人の数を規制するよりも、システムを正しく構築することによって、観光産業のメリットを最大化する方が日本にとって有益であると考えます。
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