最近喉が痛いディエスケッドです。この作品をかいているのはシンプルに中二病こじらせてるからなんですかね。 前回 https://scratch.mit.edu/projects/1276426624/ 次回 https://scratch.mit.edu/projects/1278210918/ <注意書き> ・この作品はゲームHero Warsをもとにしてつくられた二次創作です。 ・キャラクターなどの説明は中にあります ・絵はAI作成です。
THE HERO WARS <贖罪の大鎌> <正義の命令> アスタロスは、前夜おきた襲撃のことはアナメントの作ってくれた肉のおかげで完全に忘れてしまった。腹が減っては戦ができぬってね。それからアスタロスは仕事をこなしていった。正直、神に反する者などいないと思っていたが、予想外にもたくさんいたということに驚いたのだ。 天使1「俺さぁ、正直神からの仕事めっちゃさぼってるんだけどなんも言われないんだ。」 天使2「本当か?やはり、今の神は無能だな。いつか殺して俺が神になってやるんだ」 天使1「ははっ。いいなぁそれ。」 そんな会話が耳に入った。仕事という名目で休憩をしているアスタロスの前でこんなことを言う不幸者が現れた。 アスタロス「...」 アスタロスはフードの下から轟くような声を発し、空気を震わせた。 アスタロス「我が名はアスタロス。真の正義の燃える精霊である!お前に我が裁きを下す!」 天使1「.....なんだぁ?こいつは。お前、見たことあるか?」 天使2「いや、見たことがないな。どうせ新人天使だろう。神が馬鹿だということを知らないんだろうな。かわいそ..」 言い終える前にアスタロスは鎌で天使の首をはねた。天使の首が宙を舞い、白色の美しかった翼が血に染まって散った。 空気は一瞬で凍りつき、残された天使の顔から血の気が引いていく。 アスタロス「我を侮る愚か者に、もはや言葉は不要だ。天使の恥よ.....お前の魂は、ここで燃やし尽くす!」 フードの中から瞳が紅蓮に輝き、アスタロスの鎧からは炎が出ている。 天使1「ま、待て!俺は...冗談だ!そ、そんな本気じゃ...!」 アスタロス「神を侮辱するものは罪。 冗談であろうと、誠であろうと、天を汚す言葉を吐いた時点で、貴様に未来はない。」 一瞬の間。アスタロスの鎌が弧を描く。 炎が走り、天使は叫ぶ間もなくその身を焼かれ、灰と化した アスタロス「.....」 炎の渦がおさまり、あたりに静寂が戻った。 アスタロスの手にある大鎌は、まだ赤くなっており、鉄を焼くような匂いを放っていた。 その刃先を見つめた彼の胸には、今まで感じたことのない重さが沈んでいた。 アスタロス「....これは....正しかったのか。」 彼の裁きは、今や神に逆らうものを始末するだけのもの。 だが、目の前で灰となったのは同じ天の民。本来なら仲間であるはずの天使だった。 その事実が、炎の精霊の心に冷たい影を落とす。 アスタロスは大鎌を強く握りしめる。 アスタロス「神は間違っておらぬ.....正義とは、揺るがぬ炎。 罪を犯すものに、慈悲は不要....そう、教え込まれたはずだ。」 神の命令なので、殺すことは正しい。そうわかっているはずのアスタロスは動揺を隠せないであった。 しばらくの時が流れた。アスタロスはタイタンの谷をほっつき歩いていた。風に舞う灰がまだ足元に残り、彼の大鎌にはうっすらと血の気配がしみついている。 だが、心は静まらず、ただ重苦しい沈黙だけが付きまとっていた。 やがて、いつの間にかとあるところにたどり着く。顔を上げてみれば、それはセラフィムの家だった。そして後ろから覚えのある気配が近づく。 振り向けば、セラフィムがそこに立っていた。 セラフィム「アスタロス!今日は来てくれたのか。 .....お前、ずいぶん顔色が悪いんじゃないか?何があった?」 アスタロスはうまく言葉にできず、フードを深くかぶった。重く沈黙するその姿にセラフィムは眉をひそめ、アスタロスに訊く。 セラフィム「.....まさか、仕事でなんかあったのか?」 しばらくの沈黙の後、アスタロスは低い声で語りだした。 アスタロス「....俺は....天使を斬った。 神を侮り、己が神になろうと語った愚か者を.....裁いたのだ。」 その言葉にセラフィムの目が大きく見開かれる。驚きと戸惑い、そしてどこか怒りのような声が帰ってきた。 セラフィム「....なに?天使を...? そんなこと.....神から命じられたのか!?同胞を裁けと!」 アスタロスはうなずきもせず、血の付いた大鎌を強く、握りしめる。 アスタロス「正義を守るための裁き.....そう教えられてきた.....」 アスタロスはこれ以上は言えなかった。 セラフィムは黙り込み、しばらくアスタロスを見つめていた。 やがて、大きく息を吐き、真剣な声で言い放った。 セラフィム「アスタロス....それは、神が間違っている。 正義の名の下に同胞を裁かせるなんて、本当に神が求めることなのか? 俺には......神は自分の利益しか求めていないようにしか思えない。」 アスタロスは目を伏せる。炎の精霊として、揺らがぬ心のはずなのに、親友の言葉が深く突き刺さった。 アスタロス「お前の言葉は、否定できない。もし、神が己のために正義をゆがめているなら.....俺は一体何のために殺めてしまったのだ....」 二人の間を風が吹き抜ける。その風は、灰のにおいを運びながらも、新たな問いと選択を告げているようだった。 セラフィム「....アスタロス。お前は神のためじゃなく、人のために炎を燃やすべきだ。それが本当の正義だと、俺は信じている。」 アスタロスのフードの下に、一瞬だけ迷いを破るような光が宿る。だが、その炎はまだ小さく、答えは出ていなかった。 光が降り注ぐはずの場所に、異様な気配が漂っていた。 アスタロスはセラフィムとの会話で揺れた心を抱えながらも、いつもそばに寄り添ってくれているので、何度も救われていた。 だが、その時、背後から聞き覚えのある言葉が響いた。 ルイ・ロデレール「へぇ....今日もセラフィムの後ろに隠れているのか。相変わらずだねぇ、アスタロス。」 ルイ・ジャド「”正義の精霊”だなんて呼ばれててもさ、結局は誰かに守ってもらわなきゃ何もできないんだよなぁ?」 アスタロスは振り向く。そこにはルイ兄弟が並び立っていた。 アスタロス「....また貴様らか。何しに来た。」 だが、その時...... 鋭い声がすぐ後ろから響く。 セラフィム「やめろ!放せ!」 その言葉が終わる前にルイ兄弟はアスタロスを突き放した。 振り返ったアスタロスの目に映ったのは鎖に縛られたセラフィムの姿だった。 彼の白い翼は汚され、光は失われていた。 ルイ・ロデレール「俺らはセラフィムの馬鹿げた行動にうんざりしていたんだ。お前が本気を出せば、こいつを殺す。どうする?”裁きの炎よ”。」 ルイ・ジャド「お前にはもう天使を着る勇気なんてないだろ?さっきの迷いの顔、俺たち見逃してないんだぜ。」 アスタロスの拳が震えた。 だが、彼の心には重くのしかかる”天使を斬った罪”が影のようにまとわりつき、力を縛り付けていた。目の前のセラフィムを救わなければ...しかし、その一歩が踏み出せない。 ルイ・ロデレール「哀れだな。お前はただの”神の犬”だ。正義を語りながら、何も守れはしない。」 堂々としたルイ兄弟に対してアスタロスは何もできないでいた。しかし、そんななかセラフィムはアスタロスにいつものように声をかける。 セラフィム「アスタロス。こういうときは本気でやってもいいと思うぜ。自分の力。信じてみろよ。」 セラフィムは完全にアスタロスを信頼しきっている。そのとき、彼の眼から光が戻った。 アスタロス「...そうだな。」 アスタロスは再び大鎌を握りしめ、大きく振りかぶった。しかし、簡単によけられてしまった。 ルイ・ロデレール「馬鹿が.....本当に....馬鹿だなぁ!!」 その刹那........。 鋭い刃が振り下ろされ、セラフィムの体が崩れ落ちた。 アスタロス「セラフィムっーー!!!」 叫びは炎となり、周囲を焦がした。 彼の目の前で最も大切な存在が倒れる。 しかし、これはアスタロスとセラフィムの心と心で通じ合った作戦だったのだ。 アスタロス「......この言葉に誓う。命尽きようとも、我が魂でお前を取り戻す....!」 大鎌が地に突きたち、紅蓮の炎が天を裂く。 それは「最後の言葉」 死した仲間をよみがえらせる力。 まぶしい炎がセラフィムの亡骸を包み、その体は再び呼吸を始めた。 双子はその光景に目を開いた。 ルイ・ジャド「ば、ばかな.....死んだはずだ....!」 ルイ・ロデレール「ありえないっ....そんな力!」 しかし、彼らが驚愕している間に、背後に影が迫っていた。 炎のごとき足音。振動する空気。 アスタロスが沈黙のまま、双子の背に立っていた。 その眼光は裁きの炎をも宿し、もはや迷いはなかった。 アスタロス「........俺は二度と失わぬ。セラフィムも。正義も.....誰にも渡さぬ。」 双子が振り返る間もなく、大鎌の柄が振り下ろされた。 燃えるような衝撃が双子を地にたたきつける。 殺すことはしない。 だが、肉体も、誇りも砕けるほどの一撃を受け、彼らはうめき声をあげた。 アスタロス「去れ。次に同じ罪を犯せば、その時こそ、お前らの裁きは終焉を意味する。」 炎に包まれた影の中で、双子は恐怖に耐えきれず、退散していった。 残されたのは荒い息をするアスタロスと、笑みを浮かべるセラフィムだった。 セラフィム「よかったぁー!あの言葉伝わったみたいで!」 セラフィムは少し、ため息をついた。 アスタロス「お前がいなければ、俺は正義を見失っていた。そしてお前は俺を信用しすぎなのではないか?」 その言葉とともに、アスタロスの炎はようやく静まりを取り戻した。 しかし、その中でひときわ鋭い音が響いた。 ーーカラン......カラン....。 アスタロスの手から滑り落ちたのは、愛用していた漆黒の大鎌だった。 刃は赤く焼け崩れ、柄はひび割れ、ついには地面で崩れ落ちてしまった。 アスタロス「....俺の力を受け止められなかったか....幾度も戦場を共にした刃であったが....もう、終わりだな.....」 アスタロスは悲しそうにつぶやいた。 セラフィム「お前の力が強すぎて、この鎌ではもう持たないらしいな...だが、これでお前の炎の真の姿が証明されたともいえる。武器に頼らずとも、その魂こそが刃なのだ。」 アスタロスはセラフィムの言葉に頷きつつも、沈痛な気持ちを隠せなかった。 アスタロス「だが、この力を制御するためには、新たなる器が必要だ。炎に焼かれず、魂に耐えうる”真の鎌”が。」 セラフィム「....まさか、アスガルドへ行くつもりか?」 その名が口にされた瞬間、空気が張り詰めた。 アスガルドーー天空都市。 神々が多く住み、新人の天使が空気により立ち入ることを恐れる場所。 そこにはどうやら腕のいい鍛冶職人、ファフニールがいるとのこと。アスタロスの愛用していた漆黒の鎌こそ、その腕利きの鍛冶職人の先代が作ったものらしい。 アスタロス「あそこには腕利きの鍛冶職人がいる。そいつに訊けば、なにかいいのを作ってくれるだろう。」 セラフィム「お前ひとりでは行かせることができないな。お前はすぐに無理をするからなぁ。俺もついていく。」 と、そのとき。軽い声が聞こえてきた。 アナメント「話....聞かせてもらったよ。俺もいくぜ。」 アスタロスとセラフィムは驚いた。 アスタロス「アナメント!いつからそこにいたのだ?まったく気配がしなかったぞ....!」 アナメント「お前の帰りが遅すぎるんだよ!せっかく飯を作っていたのによぉ!」 セラフィム「はっは。やっぱりお前らは仲がいいなぁ。そうだよ。せっかくなら三人で楽しくいこうぜ。」 アスタロスは少し、乗り気ではなかった。二人を巻き込むわけには.... アナメント「...そういうことだ!お前が無茶をするのは知っている。だが、お前を止められるのは仲間だけだろう?」 アスタロスは二人を見つめ、ほんのわずかに微笑んだ。 アスタロス「.....やれやれ、暇人どもだなぁ。では、明日。向かうとしよう....明日、俺たちはセラフィムの家に向かう。ここで待ってろ。」 セラフィムは深くうなづいた。あげた顔は嬉しそうだった。