すてくりでビジュと関係 使い方⇨メモクレ の順 いつもの日常が、ドッと暗転してなくなる。こういう光景を最近よく夢に見る。生活に害が出るわけではないので、放置していた。でも、これがこんなことになるヒントだなんて、気づきもしなかった。 いつもの夢を見て、目が覚める。時計を見ると朝6時。7時のバスに乗るので、安定だ。私は着替えて朝ごはんを作る。うちは母子家庭で、あまり母に負担をかけたくない。お金も自分で稼いでいるし、家のことは大体自分でやっている。それに勉強も両立させているのでよく心配されるが、私にとって家事と勉強は自分を埋めてくれる大切なものだ。6時50分になり、私は親友とお揃いで買ったさくらんぼのヘアゴムを持って家を出た。このヘアゴムは、さくらんぼの実が一つだけついていて、二つが揃うと完全なさくらんぼになる。私はこれをいつもはお守りとして持っていて、体育の時はポニーテールにして結ぶため使っている。宝物だ。 田舎で1時間に一本しか通っていないバスを待っていると、幼馴染の愁に急に話しかけられた。家が近いので、使うバスと時間が同じだからだろう。 (優衣)びっくりした。急に話しかけないでよ笑 (愁)ごめんって笑笑 ていうか、こないだの鈴木やばくなかった?w (優衣)それな。普通に怒られてたし。そういえば美奈がさ… (愁)お前さ、美奈の話しかしないよな。ほんとに仲良い 自分でもあまり自覚していなかった事実を突きつけられて、少しドキッとした。確かに美奈とは仲がいいが、そんな無意識に美奈の話をたくさんしているとは思っていなかった。気をつけよう。 そんなしょうもない会話を続けていると、バスがやってきた。この時間のこのバスにいつも乗っているお爺さんの柏木さんとは、すっかり仲良くなりいつも話している。今日もずっと柏木さんと愁との3人で話し、学校についた。柏木さんに挨拶をしてからバスを降りると、バス停で美奈が待っていた。美奈は少し家が離れているから、いつも待ってくれている。 (美奈)おはよう!! (優衣)おはよ。相変わらずうるさいね、美奈は (美奈)そーお?笑 (愁)朝から元気だな。うわっ、時間やべえ! 少しゆっくりしすぎたせいか、知らない間に時間がギリギリだった。今日は朝から体育があるから、すごく憂鬱だった。 (3人)急げー!!!!! 3人で校門をくぐり抜けて廊下を走って教室に入った。ギリギリ間に合ったが、廊下を走ったことは指摘されてしまった。でも相変わらず美奈は、怒られても切り替えが早く「へーい」で済まして、また走っていた。流石に私と先生は驚いてしまった。 1限目の体育は、バスケだった。私はトイレの鏡の前でさくらんぼのゴムで髪を結っていた。すると足音が聞こえそちらに視線を移すと、ニコニコの美奈がいた。 (美奈)こーやってさ、二人で仲良くニコニコいられるって、幸せだね! (優衣)急にどうしたの?笑 だよね、日常ってすごい幸せ。 二人でよくわからないことを話しながら体育館に向かっていると、愁がいた。 (愁)今気づいたけどさ、お前らのつけてるさくらんぼのヘアゴム、もしかしてお揃い? (美奈)そーだよ!これね、二人揃ったら完全なさくらんぼになるの。 (愁)おおお!!すげええ、仲良しの証拠だな!これだと地球が滅亡しても来世で会えそうだな笑 (優衣)ちょっと、縁起でもないこと言わないでよ。まあ、それは事実だけど (美奈)そーそ、うちらは来世でもこのさくらんぼを目印に会えるの! (優衣)いいね、それ。約束。 (美奈)約束!!来世でもうちらは親友!さくらんぼゴムを目印にね。 (愁)ほんと、仲良すぎだろ… 体育の時間になり、私たち3人は同じチームだった。愁は中学生の頃バスケ部で、すごくバスケが上手い。美奈は活発だからもちろん運動神経が良くて、きっと上手だ。私はお母さんに昔バスケを教わっていたので、まあまあできる。だから、もちろん私たち3人がいるチームは圧勝した。他のクラスメイトが私が運動できることに驚いていたが、まあそうだろう。いつもあんまり動かないから。美奈は、ふんわりした茶髪を揺らし、笑顔で喜んでいた。その茶髪に添えられていたツヤツヤのさくらんぼが、より笑顔を引き立てていたように感じた。 憂鬱な体育が終わり、なんとなくで過ごしていたら学校の終わりの時間が近づいてきた。ぼけっとしすぎたのだろう。時間の流れがとても早い。下校のチャイムが鳴り、キーホルダーだらけのスクールバッグを手にとり、美奈を誘って帰ろうとした時。話しかけたときの美奈の顔は、不安で埋もれそうな顔だった。 (優衣)どうしたの?不安そうな顔だけど (美奈)優衣、どうしよう。さくらんぼのヘアゴムがない (優衣)え (美奈)どうしよう…… 来世の目印が… 一瞬私はびっくりしたが、こんな時でも来世を気にしているのは美奈らしいなと少しほっとした。でも、お揃いの宝物。その片方がなくなったのは、かなりまずい状況だ。 (優衣)探そう。手がかりとかある?最後の記憶とか。 (美奈)うーん… 1限目で使って、3限目の写生の授業のとき、はちゃけたからそこ、かも……汗 (優衣)美奈らしいね。よし、探しにいこ (美奈)えっ、いまから?! (優衣)当たり前じゃん。ほら、行くよ? (美奈)あっ、うんっ!! さっきまで涙目だった美奈は、すぐに切り替えいつものニコニコ笑顔になっていた。すごいな。 私たちは写生授業で行った海へと向かった。田舎だからこその綺麗な海が見れる。まずは、写生授業で美奈が座っていた砂浜のベンチを探した。しかし、どこにもない。もうあたりは日が沈み始め、夕焼けが綺麗だった。夕陽に照らされた美奈の横顔は、不安と申し訳なさでいっぱいの顔だった。 (優衣)美奈。その顔、だめ。ほら、ニコニコの美奈はどこいったの?笑 (美奈)えっあっ、ごめ、ん!!ほんとにごめんなさい、巻き込んじゃって (優衣)何言ってんの、ふたりでひとつ、でしょ? (美奈)うん、そうだね…… うん! 自信を取り戻したのか、美奈はいつものニコニコ笑顔になっていた。それを見た私はより勇気をもらい、海へと走った。海に反射した太陽が、綺麗だった。 (美奈)えっちょ、なにしてんの!? (優衣)美奈、どうせ海で遊んだでしょ。 (美奈)うっ… (優衣)なら海にあるに決まってんじゃん。 美奈はそれを聞いて海まで向かってきた。そして私たちは海の浅いところから少し深いところまで、足を突っ込み徹底的に探した。その時だった。夕陽に照らされてよく見えなかったが、かすかに赤く光った球体がチラッと見えた。私はそこめがけて全速力で走り、手を突っ込んだ。そこには、お揃いの、半分のさくらんぼのヘアゴムがあったのだ。 (優衣)美奈、美奈、美奈!! 私は大声で美奈を呼ぶと、美奈はこっちへと全速力で走ってきた。 (美奈)え、それ… (優衣)うん。ほら、ふたりでひとつだよ 私は美奈に拾ったさくらんぼのヘアゴムを渡し、自分のヘアゴムと隣り合わせた。自分の顔は見えないが、きっとくしゃくしゃに笑っていただろう。美奈はそれを見て泣き喚いた。 (美奈)ほん、とに、ありがっ… とう… (優衣)来世でも目印にして会うんでしょ?ね、約束 (美奈)うん…っ!!! 帰り道はもう完全に日が沈んでいて、周りの家からいろいろな夕飯のにおいが漂ってきた。 その日の暗いはずの帰り道は、いつもより明るく感じた。 次の日私は、やはりいつもの夢を見て目が覚めた。時計を見ると午前6時半。7時のバスに乗らないといけないのに30分前に起きてしまった。このままでは大遅刻だと思い小さいおにぎりだけ作りさくらんぼのヘアゴムを持って家を出た。田舎なので乗り遅れたら大変なことになる。バスに乗って、バス内でこっそりおにぎりを食べながらテスト勉強をしていたら、親友の美奈から電話がかかってきた。バスで飲食と電話となると流石にまずいので電話を切ってメッセージでバスにいることを話した。私はバスを降りて学校の500m前くらいに着いた時電話をかけ直した。 《美奈》おはよう。朝早くにごめんね 《優衣》ううん。何かあったの? 《美奈》………… 《優衣》? 《美奈》…あのね、地球が、消えちゃうんだって 世界が…………消える…? 《優衣》え?地球が消える、ってどういうこと? 《美奈》そんなのわかんないよ、でもニュースまで取り上げてるっぽい。 私は美奈から送られてきたニュース動画をタップした。見た感じ本当っぽくてフェイクニュースではなさそう。周りの空気もしんとしていて、結構ガチかも。 《優衣》見た。今日ってエイプリルフールじゃないよね? 《美奈》うん。8月だから全然違うよ。 《優衣》ほんとに、…世界が終わるのかな…… 《美奈》…学校も休みになってる 私は学校から来たメールを確認した。確かに休みだ。理由についてはあまり書いていない。パニクったんだろうな。正直バスを待ってまた帰るのがめんどくさいという気持ちが強い。 《美奈》とりあえず……切るね、また 《優衣》うん。 電話を切ったあと、1時間に1本しか通っていないバスの時刻表を見て苛立っていたら、また愁が話しかけてきて、私は驚いて変な声を出してしまった
《愁》よっ。 《優衣》愁…びっくりした… 《愁》聞いたか?その…地球が消えるって話。 《優衣》さっき聞いたよ。ほんとなのかな… 《愁》………お前はさ、信じてんの? 《優衣》…半信半疑って感じかな。ニュースはガチっぽいけどうさんくさいし 《愁》あーね。でもさ、地球が消えるなんてありえねーよな?… 《優衣》まあ科学的に見たらそうかもね。隕石とか地震とか、テロとか? 《愁》お前、現実的に見すぎだろ!!もっと宇宙人が侵略してきたりゾンビにみんな喰われたりとかさー?! 《優衣》………そっちこそSFの見過ぎ。 《愁》はぁ?!隕石の方がSFだろうが! そうこう愁と話しているうちに、やっとバスが来た。愁とは家が近いので降りる駅が同じなのでバス内でもずっと話していた。 家に着いてから少し休憩していると、クラスラインの通知がえげつないことになっていた。 《地球が消えるとかやばくね?!wwww》 《それなーーーこれはやばい》 《警察何してんの?!!》 《そんなフェイクかもしれないやつで動かんやろ》 《学校休みさいこー》 《えー地球消えるまでに何しよー》 《えw金使い切ろーぜ》 《何にだよw》 《ゲーセン》 《お前やばwwwww》 バカみたいな会話が続いてるだけだった。見て損だなと思っていたらニュースはどうなんだろうと思いリアルタイムのニュースを開いた。ニュースではいろいろなことが追加報道されていた。 《速報です。明日の17時、地球が消えます。これは政治家、未来予知者、占い師によって同時に発表されたもので、現在科学者達が原因や終り方などを少しずつ発表している模様です。そこでnews▪︎▪︎はこの事態を発表した人の一人である占い師、●●様に話を聞きました。》 《●●様。この状態は今どのようなものですか。》 《はいそうですね。地球が消えるというのは具体的にはあまりわかっておりませんがとにかくこの地球が何もなかったかのように消え去るということであります。この事態はーーーーー…………》 私はスマホを閉じた。脳内がバグりそうだ。ニュースや専門家によると、地球が生まれたのはビッグバンによるもので、それは「はじまりのビッグバン」。でも明日の17時には、地球が消える爆発、いわゆる「おわりのビッグバン」という現象が起きるらしい。ただ地球は少し経てば元通りになる可能性が高いが、記憶は少なくとも消えてしまい、「自分」としての人生は明日の17時までだろう、という話だった。「おわりのビッグバン」かぁ。なんか、非日常的だな… 自分でも、こんなに冷静な自分に驚いていた。 少し小腹がすいた私は近くのコンビニにお菓子を買いにいった。しかしコンビニのお菓子棚はもちろん、米や売れ筋商品、パンなどが全て売り切れになっていた、店員さんによると、地球が消えると聞いてコンビニの売れ筋商品や日本の美味しいお米を食べておきたい人がたくさんいてこうなったそうだ。私はがっかりして駄菓子屋に行ってみたが、そこも全部売り切れていた。おそらく箱買いして食べきれない野郎どもが買ったんだろう。商店街も全て売り切れで、売り切れていないものといえば誰も食べないであろうミドリムシパンや不味いと有名な変な色のジュースだった。これは家の冷蔵庫でもたせるしかないな…と思い私は家にとぼとぼ帰った。時計を見ると既に13時。時間の流れって早いな… もしこの話が本当なら、もっとやりたいことやっておけば良かったな。彼氏だって作りたかったし、友達とカラオケ行ってプリ撮りたかった。最近話題のジュースも飲みたかったな…………とか思っていると、スマホが振動した。美奈と愁、私のグループラインの通話が始まっているみたいだ。通話に参加すると、2人がすでに入っていた。 《美奈》ね、3人で遊ばない? 《愁》うおー!いいじゃん 《優衣》いいね、いつ遊ぶ? 《美奈》ふふ、やっぱり優衣の誕生日っしょ 《優衣》え? 《愁》え、お前まさか自分の誕生日忘れて…… 《優衣》あ、そうだった、そう言えば世界が終わるとか言われてる日だね、私の誕生日。 自分の誕生日を忘れることはあまりないが、今日は色々なことが重なって忘れてたみたいだ。 《美奈》そうだね。どこ行く? 《愁》ゲーセ………… 《美奈》愁はちょっと黙って 《愁》?! 《優衣》ドンマイ。私、最近できたテーマパーク行きたい。 《美奈》あー!◆◆パークね!いきたかったんだよね、あそこ 《愁》俺も賛成!!行こうぜ 《美奈》おっけい!じゃあ、明日の午前9時、◆◆パーク集合で。 《愁・優衣》はーい。 そう言って私は電話を切った。ふう。どうせ世界が終わるんだったら思いっきり遊んだほうがいいよね。私は終わってない課題や予習復習を進めていた。窓を見るともう空が赤色に染まっていて綺麗だなと思った。この景色ももう見れないってことなのかな…時計を見ると16時。さっさとご飯作ってお風呂入って寝よう。私はご飯とお風呂を済ませた後、ベッドに横になりながらスマホのネットニュースを開いた。やっぱりニュースはだいたい同じ話題で埋まっている。世界が終わる、と。今まではくだらないと思っていたけど、こんだけ真面目に言われると信じちゃうのは人間だから?私はモヤモヤしたまま眠りについた。 次の日。8時に起きてしまったので少し焦りを感じながら準備をした。今日、誕生日か。もう、誕生日に友達と遊べるだけで幸せだなぁ。こんな幸せ、全然感じたことないや。と思いながら9時前に家を出て◆◆パークに向かった。門の前に着いた時、スマホの時間を見ると8時58分。ギリセーフだ。遠くから声がする。美奈の声だ。やっぱり愁は遅刻魔だからな。あたりまえだ。 《美奈》ごめーん!遅れたー 《優衣》全然。時間前だよ 《美奈》愁は……… あ、遅刻か! 《優衣》当たり前になってるよね、ほんと 《美奈》わかる。遅刻魔すぎ。 そんな会話をしていると、5分後くらいに愁が走ってくるのが見えた。 《愁》ふっふ、セーフだ!ドヤ 《美奈・優衣》大遅刻だわ!!!!!!!!! 《愁》え、やっべ!!笑 3人で顔を見合わせて笑ってしまった。こんなに笑えたのいつぶりだろうな…… まず私たちはパークに入ったあと、お目当てのジェットコースターに乗った。このパークで一番人気があって、一番並んでいる。ネットですごく有名で、楽しそうだった。実際に乗ってみるとやはり本当に楽しかった。ところどころ仕掛けがあったり飛び出してきたり、坂が多かったりたくさんの面白い部分があった。流石流行り。嘘つかないな。 3人で楽しかったね、と話しながら歩いていると、明らかに怖そうなお化け屋敷を見つけた。 そして、私はお化け屋敷が余裕だ。するとさっそく、お化け屋敷に入ったとたん、誰かが叫んだ。うわぁ、と思っていたら、叫主はまさかの愁。今まで強がっていたが意外と無理らしい。一方美奈は余裕ぶっているが少し震えてる。大丈夫かな。お化け屋敷を最後まで行き、出れたのは私だけだった。途中でリタイアドアがいくつかあったのだが、愁ははじめらへん、美奈はゴール前らへんでリタイアした。私はなんとも思うことなくゴールした。2人に「すごいな」って言われたけどあんまりお化け屋敷怖くなかったな。なんてことを言うと地雷なので黙っておいた。 意外と時間は早く経ち、もう午後になろうとしていた。お昼ご飯だねとなったので、近くのベンチでお互いのお弁当を交換しあって食べると言うことをした。私は美奈のお弁当をもらい、美奈は愁から、愁は私から、と言う感じだった。私は毎日自炊なので、お弁当を作るのは楽しかった。愁は蓋を開けた途端目を輝かせて喜んでくれた。よかった。でも愁が作ったお弁当は、意外と美味しそうで家庭男子なのかなと思った。私は美奈からもらったお弁当の蓋を開けた。なんとお弁当にはのりで「おめでとう」とかいてある。あの不器用な美奈がこんなことできるなんて相当頑張ったんだろうな。私は嬉しくてにやけてしまった。もちろんおいしくて、完食できた。 私は小さい頃からあまり食べないほうだったので少食だが、美奈のお弁当は気持ちがこもっていて美味しかった。そろそろ14時。はあ。本当に地球が消えるのかな………嫌だな… 最後に、3人で観覧車に乗ることになった。なんと観覧車は2時間待ち。しょうがないが3人で並ぶことにした。2時間も待つと疲れるんだなと思いながらあと2、3組になってきた。やっと観覧車に乗り、3人で写真をとった。 すると、美奈が「お誕生日おめでとう」といい、私にピンクの箱を渡した。開けてみると、メッセージカードと欲しかったリップ。愁は少し照れながら「おめでと」と言っている。かわいいな。「ありがとう」と私は口にした瞬間、今までのことが走馬灯のように頭に浮かんできた。誕生日を祝ってくれた、私の行きたいところに行かせてくれた。遊びに誘ってくれた。一緒に笑ってくれた。それ以外も色々なことが頭にフワッと浮かんできて、私は涙がぼろっとこぼれた。愁は焦って「え?え?!」ってなっている。「ご…ごめん…私、幸せで…泣いちゃ、って…」と、はっきりしない声が出た。情けない。でも今は涙が永遠に出てくるような感じがする。幸せいっぱいだ。 《美奈》優衣、大好きだよ これからも幸せでいてね 《愁》そ、そうだぞ!人間は幸せでいることが当たり前だ! 《優衣》あ、当たり…前…… 私はその言葉でもっと涙が出てきた。嬉しくて死にそうだ。観覧車がそろそろ地面に着く。もう5時になろうとしている。あと5分……、悲しいな… 優衣も愁も時間に気づいたのか、目が悲しそうだった。そろそろだね、と3人で目を合わせた。すると美奈も愁も涙が出てきていた。愁は、「あれ、あれ?!なんで」て感じだ。美奈は笑いながら泣いている。もうすぐだぁ、ああ、あと5分。私たちは、3人で笑い合いながら目を閉じた。あぁ、私は予知夢を見てたんだ……そっか…………… ドッ。真っ暗になる。暗転する。楽しかったな。 ーーーー 私は前世の記憶を持っている。やっぱり、「おわりのビッグバン」は本当だったみたいで、地球は何事もなく復活していた。同じように記憶を持っている人はいるのだろうか。今は新しい人生を歩んでいる。私は、「来世でも会うための目印」、その言葉を思い出して、前世、美奈と一緒に行ったさくらんぼのヘアゴムが売っている店へ行った。買いたい。買いたいと思い私はヘアゴムに手を伸ばした、すると、右の方からも手が伸びてくる。右の方を見ると、なぜか、名前のない懐かしさに襲われた。もしかして。 《今世の優衣》美……奈……? 《 》優、衣…?