ことしから受験生という実感がわかないディエスケッドです。私の小説はhero warsをやったらもっと楽しめるからみんなやったほうがいいよ 前回 https://scratch.mit.edu/projects/1276430766/ 次回 https://scratch.mit.edu/projects/1279496154 <注意書き> ・この作品はゲームHero Warsをもとにしてつくられた二次創作です。 ・キャラクターなどの説明は中にあります ・絵はAI作成です。 ・Hero wars本家の内容とは無関係です。
THE HERO WARS <贖罪の大鎌> <天空のさらに天空> 一日というのは早いものだ。 アスガルドへ行くのは簡単だ。ただ、願うだけ。そうしたら空を切り裂くように、黄金の光の道がアスタロス達の目の前におりてくる。 天界の、さらに天。この先は三人は誰も行ったことがなかった。 三人はその橋をわたってアスガルドへと足を踏み入れた。 セラフィム「....なんて美しいんだ....空がまるで青い宝石じゃないか!」 アナメント「へぇ、こりゃまた豪勢な町だな。石畳まで光っているぜ。」 橋の先には、天に浮かぶ壮大な都市が広がっていた。 高くそびえる白金の塔、空を舞う天使たちの声、そして聖堂から響く清らかな鐘の音ーー。 そのすべてがアスタロスの住む天界のどの都市とも違う、神々の世界の象徴だった。 しかし、アスタロスは驚きの言葉を口にせず、深くフードをかぶりなおした。 アスタロス「.....俺の姿はこの地では異質に映るだろう。 神に仕える者どもが、俺を快く思うとは限らぬ。」 セラフィム「大丈夫だろう。お前は正義の精霊。たとえここが神々の都でも。」 アナメント「そんなの大丈夫だって。考えすぎなんだよ。そんなことより、鍛冶職人を見つけりゃいい話だろう?俺はもう、腹減って限界だ。」 そういうとアナメントは屋台から漂ってくる焼き肉のにおいに鼻をひくつかせた。 どうやらアスガルドでも庶民的な店はあるらしい。 三人は石畳の大通りを歩きながら都市を進んでいく。 未知の両脇には天使たちが果実などを売り、自由気ままに過ごしていた。 少し、低い天界からやってきた者を珍し気に眺める視線もあれば、恐れを含んだ視線もある。 やがて、彼らは巨大な神を象徴している?のかはわからないが像にたどりついた。 その像の名は”星の預言者” 神々が集う違う世界へと続く入口であり、天使たちが入ることは決して、許されない。 入口で警護していた天使が、アスタロス一行に歩み寄った。 鎧は銀に輝き、背には純白の翼。いかにもアスガルドの誇る天使といった姿だった。 天使の衛兵「見慣れぬ顔だな。ここは神々の座する都市アスガルド。用を申せ。」 アスタロスは一歩進み、堂々と告げた。 アスタロス「我が名はアスタロス。炎の精霊。戦いにて刃を失い、新たなる刃をもとめてここまで来た。我らが求めるは、鍛冶師ファフニール。彼に会いたい。」 衛兵は一瞬目を細め、仲間と視線を交わした。 だが次の瞬間、意外にも柔らかく笑った。 天使の衛兵「....ならば工房街へ行け。ファフニールはこの都市では名の知れた職人だ。 ただし、気をつけろ。彼は気難しい。簡単には話を聞いてくれないだろうな。」 アナメントがにやりと笑い、アスタロスの背をたたいた。 アナメント「だそうだ。だがまぁ、お前の無茶な頼み事はいつものことだしな。きっと何とかなるだろうよ。」 セラフィム「口論になるのだけはやめてくれよ?」 アスタロスは微笑みながら言った。 アスタロス「そうだな。衛兵よ、感謝する。」 三人は敬礼をかわして工房街へ進む。 工房街ーーそこは、アスガルドの中でも異質な熱気に包まれた場所だった。 空には絶え間なく火花が散り、金槌の響きが重厚なリズムを刻む。 鉄と油のにおい、そして鍛冶師たちの怒号と笑い声が入り交じり、神々の都市とは思えぬほど荒々しい空気を漂わせていた。 アスタロスは通りすがりの住人に声をかける。 住人「ファフニールなら、一番奥の溶鉱炉の塔にいる。」 そう案内された三人は、重い扉を押し開け、燃え盛る炎の工房へと足を踏み入れた。 工房の中を少し歩いていると、奥には一人....いや一匹か?赤い、竜のような....人型の...男がカン.....カン.....と、重厚な音をたてていた。 その男。ファフニールは、振り返ることなく槌を振り下ろしながら言った。 ファフニール「....よく来たな、炎の精霊。お前の名は聞いている。アスタロス。」 アスタロスは一瞬目を細める。 アスタロス「....俺を知っているのか?」 ファフニールはようやく振り向き、ギラリと光る目でアスタロスを睨んだ。 ファフニール「忘れもしねぇ.....その瞳。その炎の気配。 俺は昔、炎のタイタンの軍勢と戦ったことがある。その時に、お前と同じオーラを発する存在を見た。」 アスタロスは驚きも怒りも見せず、ただ沈黙する。ファフニールは嘲笑し、巨大な鉄槌を肩に担いだ。 ファフニール「新しい鎌がほしいんだと?笑わせるな。 武器はただ与えられるものじゃない。己の力でつかむものだ。 ーーー証を見せろ。俺を倒してみろ、アスタロス!」 そう言い放つと、ファフニールは床を踏み鳴らし、迫力に満ちた構えをとった。 だがその足取りは、わずかに重く、不自然だった。 長年の戦いで負った古傷が、彼を蝕んでいるのだ。 セラフィムが心配そうに声をかける。 セラフィム「待て!あんたの体じゃーー!」 だが、ファフニールは豪快に笑った。 ファフニール「はっはっは!安心しろ!こんな傷で退くなら、鍛冶師なんぞやっちゃいねぇ!」 アスタロスはゆっくりと歩み出た。鎌を失った彼の手にはアスガルドに行く前に持ってきた木の棒が握られているだけだ。しかし、その木の棒に炎が宿り、瞬く間に赤熱した刃となる。 アスタロス「わかった....俺は誇りをもって、全力で戦う。」 戦いは一瞬だった。アスタロスが刃を振ると、ファフニールは冷静にその一撃を受け流し、鉄槌を振り下ろせば、周りの空気が振動した。空気をつたり、アスタロスの持っていた刃は手からはじきとんだ。 ファフニールは無駄のない美しい動きで見事、アスタロスに勝利した。 ファフニール「はっはっは!やはり噂通りだな、アスタロス!なかなかやるじゃないか!」 アスタロスは深く息を吐き、静かに頭を下げた。 アスタロス「見事な受け流し。お前は今もなお、戦士であり鍛冶師だ。 ……頼む、ファフニール。新たな鎌を打ってくれ。」 しかし、ファフニールの表情は険しくなる。 ファフニール「簡単に言ってくれるな。俺はただの職人じゃない。 武器を打つのは、等価の交換があって初めてだ。 ーー命、魂、あるいはそれに匹敵する何か。俺が納得するような何かを持ってこい。ただ、盗みなんぞしようもんなら。俺はそれを見ているからな。」 セラフィムが思わず息をのんだ。 アナメントは舌打ちし、低くつぶやく。 アナメント「やっぱり一筋縄じゃ行かねぇな.....」 工房の炎は赤々と燃え盛り、壁をはう影を巨大な怪物のように揺らしていた。 ファフニールはその陰の中に立ち、鉄槌を肩に担ぎながら、アスタロスを鋭い目で見つめる。 ファフニール「アスタロス。お前の求める鎌は、ただの鉄では作れん。 炎を超える炎ーー神々を結びつける”魔法の鎖”が必要だ。」 セラフィム「魔法の鎖....そんなのどうやって手に入れるんだよ。」 ファフニールは首を横に振る。 ファフニール「違う。鎖を手に入れるのは条件の一つだ。 だが、それだけじゃ足りねぇ。」 炎の揺らめきの中で、ファフニールの声はさらに低く重なる。 ファフニール「俺が求めるのはーーお前の”誇り”だ。」 アスタロスは目を細める。 アスタロス「.....誇り?」 ファフニール「そうだ。お前は正義を名乗り、罪を裁いてきた。 だが、裁きは迷いを生む。.....この前も、天使を斬ったことで動揺したんだろう?」 アスタロスの瞳が一瞬揺れる。 その反応を見て、ファフニールは確信めいた笑みを浮かべた。 ファフニール「新しい鎌を手にするなら、迷いは許されねぇ。 お前が本当に”正義”を掲げるのなら.....その証を差し出せ。 それが”等価交換”だ。」 アナメント「待て、アスタロスの誇りを失わせるなんて、そんなことしたら....」 ファフニール「誤解するな。俺は誇りを奪おうとしているんじゃない。 誇りを試しているんだ。 お前が思っている正義とは、神に従うことか?その正義を捨てる覚悟を持てるか。それを示せってことだ。」 セラフィムが笑い、アスタロスを見る。 セラフィム「.....結局はお前の覚悟次第ってことか。いいじゃねぇか、アスタロス。 その誇りが本物なら、試されても揺らがねぇはずだ。」 工房に、炎の音だけが響いた。 アスタロスはフードを少し上げ、その紅蓮の瞳をまっすぐファフニールへ向ける。 アスタロス「.....わかった。 誇りを試されるのなら、俺は受けよう。 正義の炎は揺らがぬことを.....その鎌に刻ませて見せる。」 彼の神に従うという正義は、セラフィム、アナメント、ファフニールの三人の言葉によって、神を罰するという正義に変わった。本当の正義は従うことだけではないのだ。 ファフニール「それでいい。魔法の鎖を手に入れろーーそして、己の誇りを証明して見せろ!!」 アスタロスはファフニールから自衛用の鎌を受け取り、ギルドレイド、と呼ばれる巨大な飛行船へ向けて歩んだ。