三回目の小説。 注意:この小説は、架空の世界の話です。 実際の団体とは関係ありません。 また、不快な表現を含む描写があります。 _________________________ 誰もいない、静かな路地裏の夜。 そこに一つ、長い影が落ちていた。 オレンジの髪は、 廃屋の隙間から漏れる月明かりに照らされ、 キラキラと輝いていた。 彼女は小さな溜め息をつき、 煙草に火をつける。 細い煙が立ち上る。 彼女は、 「まるで狼煙のようだな。」 自分の手元から上がる煙に、そう呟く。 _________________________ …俺には、何もないからな。 俺は、そう言う様に、鼻で笑った。 目から、一つ、涙が落ちた。 ぽつりと、小さな音を立てて、涙は影にぶつかった。 影は嫌がるように、小さく動く。 その間も、小さな狼煙は上がり続ける。 それでも、どうせ、ただの煙草の煙だ。 小さな狼煙は、少しのぼって、消えてしまう。 人に届くはずが無い。 廃屋の多い路地裏では、尚更だ。 悪夢から逃げようとして、 自分のした事が、 大切な人達を巻き込んでいった。 右手で、頬にできた傷をなぞる。 その時の痛みが、蘇る。 その時を少し、思い出す。 「なあ、いい加減、出てこいよ。」 二本目の煙草に火をつけ、 影に向かって、俺は声を出す。 地面に張り付いていた影が動く。 「ハはha、バレてタ?」 影がカタコトで言い、起き上がる。 少し間をあけ、アイツに話しかける。 「バレてるもなにも、知ってんだよ。」 自分でもわかる。呆れた声が出る。 影は、アっそう、というような顔をしやがる。 そんな影に、俺は問いかける。 「あんたがいなかったら、俺は、 アイツらは…幸せだったんだろ?」 「そンナノ愚問daネ。 悪魔にムカッテ何言ってんダ?」 嘲笑うように、間を開けず、悪魔は言葉を返す。 アイツは核心をついてきやがる。クソ野郎が。 「…そうだろうな。確かに愚問だ。」 そういって、煙草の煙を吐き出す。 悪魔は、煙を嫌がる様に、顔を顰めた。 「煙草、好きダねェ、、、俺ニャ分かんネェヤ、、」 そう言って、苦笑い。 「はは、そうかい。 もうやめたくてもやめられねえよ。 特に、お前のせいでな」 感情的になったのか、少し、声が震える。 一方、影の方は、ヘラヘラと笑ってやがる。 「あlaアら、そンnaに感情的に、 ナラ無くテモいいじゃんか。ソンなに嫌だったの?」 そんな奴に、舌打ちをする。 ________________________ これは、ほんの少し、前の話だ。 俺は、暖かい家族のいる、ただの店長だった。 ある日、事故が起こった。居眠り運転の車に、 撥ねられそうになった仲間を、 庇って一人いなくなった。 そこからあいつは堕天。 仲間を一人。俺の頬を打ち抜いて、あいつは自殺。 そこからは、カフェの営業も俺一人。 寂しい。俺の口からは、 そんな言葉しか出てこない。 でも、心の中は、ずっとあいつらの顔がある。 だから、俺は今日も息を吸う。 ________________________ 朝日が登り始めた頃、 オレンジの髪を靡かせ、一人の女性が道を進む。 そして、こう呟いた。 「いつか、この街で出会ったら、 笑って愛してくれませんか? それだけで俺はいいんだ。わかっているだろう?」 彼女の心の中には、まだ、暖かい時間が流れている。 ________________________ END.
♪狼煙/John とても残酷で、ステキなモノガタリでしょう?