◆魔術学 【魔術】 人為的に奇跡を再現する行動の総称。 またの名を「錬金術」とも呼ぶ。 魔術師は魔術(プログラム)を組み、魔力神経(電源)から魔力(電力)を魔術に流して、あらかじめ組まれた魔術を実行する。 魔術は万能では無く、基本的には等価交換で奇跡を起こす技術である。 一般的に見れば万能ではあるが、不可能を可能にはできない。 魔術とはあくまで「過程」を短縮し「結果」を前倒しにするだけである。 魔術に失敗しても、ただ失敗するだけであり、魔力神経には何も起きない。 【魔力】 魔術を起動させるための電力、または燃料。 それ単体ではあまり意味を為さず、なんの奇跡も起こせない。 魔力は自然に存在する粒子であり、魔術師の素質があるものはそれを感じることができる。逆に、魔術師の素質が無いものは感じることも見ることも出来ない。 【魔力神経】 魔術師の全身にめぐる、疑似神経。 魔術を構成するうえで欠かせないものである。 空気中の魔力を汲み取り、体内に保有する”バケツ”の役割をしている。 神経ではあるので、壊れると命に関わる。 体内に保有できる魔力の容量は、魔力神経の多さによって決まる。 魔力神経は受け継がれるものであり、受け継がれるたびに、その代の人間の保有する魔力回路に先代の魔力神経が足されていく。 なので、ちゃんとした魔術師の家系の人間なら、その魔力神経の数は普通の魔術師の数倍にもなる。 魔力神経は魔術(プログラム)を構成するシステムであるため、何かしらの遺伝子のバグによって極稀に「生得魔術」を持つ者が現れる。 【生得魔術】 先ほど話した何かしらの遺伝子のバグによって発現する、生まれつき魔力神経に刻まれた魔術。 生得魔術の効果は人それぞれだが、代表的な特徴は以下の二点。 魔術を使うために必要な魔力量を数値化した場合、なんの生得魔術を持っていない人が火を出す魔術を使用する時に必要な魔力量は10である事に比べると、「火を出す魔術」が生得魔術の人がその魔術を使用するときに必要な魔力量は5になる。 魔術を使用するとき、魔術を組む速度を数値化した場合、なんの生得魔術を持っていない人が武器を出す魔術を使用する時に必要な時間は3秒である事に比べると、「武器を出す魔術」が生得魔術の人がその魔術を使用するときに必要な魔力量は1秒になる。 つまり生得魔術は特定の魔術の「効率」などを上げる、いわば”才能”である。 稀に、独自の魔術が生まれることもある。 【属性】 魔術師が得意な魔術系統を定めるもの。 魔術師個人が持つ、どのような系統の魔術が扱いやすいか、自身の魔力神経に合うかを決める。属性を持つ魔術は属性魔術という。 属性には熱・水・空(自然)・電・体(精神)の5つの「基本系統」と、虚無・呪の「特殊系統」の合計7つがある。例外として、呪属性の魔術は「呪術」と呼ばれる。 中には複数の属性を得意とする者もおり、それらを「多重属性使い(アンデージ・アーク)」という。 中には独自の属性を持つ者もおり、その場合は他の属性魔術とは相性がとても悪く、魔法の様に一つの事にしか特化できない。極めるという事においては他の属性よりもいい。これも生得魔術の一つ。
◆魔法 その時代の文明力では、数多の資金や時間を注ぎ込もうとも、絶対に実現不可能な”奇跡”をもたらす魔術(その他も含む場合がある)を「魔法」と呼び、それを使う者を「魔法使い」と呼ぶ。 「魔術」は一見あり得ない”奇跡”をもたらしている様に見えるが、結果だけなら別の方法でも代用が出来る。 例えば「火を出して物を燃やす」ことは、一見あり得ない様に思えるが、ライターや火炎放射機でも物を燃やせる。 だが、魔法はそういった「誰もが出来る事」をするのではなく、誰もが出来ない事を可能とする万能の力。 現代の科学や魔術学ですら説明出来ない”神の御業”であるが、一つのことしかできず汎用性がほぼ無いため、限界がある。 例えば「異世界へ移動する」魔法は「異世界へ移動する」事しかできない為、攻撃 などには使えない、みたいな限界がある。まぁそれでも十分”奇跡”なのだが。 つまり、他の方法では決して出来ないことをやってのけるのは「魔法」であり、他の方法でも代用可能なのが「魔術」である。 つまり、技術が発展して、魔法でしか出来なかった事が科学や魔術学でも出来る様になれば、その魔法は魔術へと格下げされる。 ◆魔術法会 アイク・ビル・オーデンによって創設されたこの組織は、世界に存在する魔術師を統括・管理する唯一の公的機関であり、一般には「協会」と総称されている。 協会の最大の役割は、魔術という危険かつ強大な技術を秩序のもとに置き、「誰が、どの程度の魔術を、どの立場で扱うことを許されるのか」を明確に定義することと、「一般社会に”魔術”という危険性が伝わらない様に各国と協同して隠ぺいする」事である。故に一般人は魔術という存在を噂・都市伝説レベルでしか知らない。 魔術による事故は秘匿され、大規模な事故はガス会社の責任やテロリストの犯罪として処理される。 協会に正式に登録され、「魔術師」として認定された者のみが、合法的に魔術の行使を許可される。 この認定を受けずに魔術を使用する者は、たとえどれほどの功績や結果を残していようとも魔術師とは見なされず、単なる違法行使者、あるいは「よそ者」として扱われる。 功績は記録されず、称号も与えられない。魔術において“存在しない者”として切り捨てられ、違法行使者には正導協会の執行者が派遣され、見つかり次第即時処分にされる。 協会に認定された魔術師は、その後に残した偉業や研究成果、社会への影響度に応じて階位を授与される。 階位は下位より順に、 初位(フェアーズ)、中位(リトア)、解位(リアーズ)、展位(ティア)、誇位(ブランド)、王位(グランド)、導位(ロード) の七段階に分類される。 この階位は単なる実力順ではなく、「魔術史にどれほどの痕跡を残したか」を基準とする評価体系である。 そのため、いかに強力な魔術師であっても、功績が認められなければ階位は上がらない。 一般魔術師にとっては展位や誇位に到達するだけでも極めて優秀とされ、名門の魔術師家系であっても、多くは王位止まりである。 最高位である導位に到達した者は歴史上でも指で数えるほどしか存在せず、その名は魔術史そのものとして扱われる。 また、協会には通常の階位制度とは別に、「保護指定」と呼ばれる特別な認定が存在する。 これは魔術法会――協会中枢の判断機関――によって選定されるもので、 「既存の魔術理論では原理的に再現不可能な能力」 もしくは 「その個体しか持ち得ない、完全な唯一性を持つ才能」 を有する魔術師のみが対象となる。 表向きには、この保護指定は“希少な奇跡を後世へ残すための措置”とされている。 指定された魔術師は手厚く優遇され、敵対勢力や外部からの干渉から保護される――そう説明されている。 しかし実態はまったく異なる。 保護指定とは、対象を「魔術師」ではなく「貴重な研究資源」として扱う宣告に等しい。 指定を受けた魔術師は、協会の権限によって強制的に拘束され、自由を剥奪される。 その身体は生存したまま、あるいは段階的に分解・保存され、才能の正体が完全に解明されるまで研究対象として扱われる。 奇跡が失われないようにする、という名目のもとで、人格も尊厳も切り離され、能力だけが抽出されるのである。 この制度は極秘事項とされ、協会内部でも限られた者しか全容を知らない。 だが、魔術という力が世界秩序を脅かし得る以上、協会はそれを「理解し、管理し、再現可能なものへ落とし込む」ことを最優先としている。