【破損データ復元:voice_fragment_03】 ……これが再生されているなら、 私はもう「事故死」になっているはずだ。 でも爆発は事故じゃない。 あれは切断だ。 第三極が出力経路に接続された瞬間、 私はログを見ていた。 座標は3になった。 観測値も3だった。 なのに、次の瞬間―― 「補正完了:2」 何かが消された。 いや、消されたのは"記録"のほうだ。 R.Uesawaは知っていた。 外部出力ポートを座標候補に追加したのは彼女だ。 警告も読んでいたはずなのに。 あれはミスじゃない。 実験だった。 分裂は細胞だけじゃない。 接続された瞬間、 何かが"外"へ出た。 爆発は、それを隠すための遮断処理だ。 お願いだ。 培養炉の仕様書の旧版を探してくれ。 「余剰構造体」という言葉が消された理由を見つけろ。 もし第三極がまだ存在するなら、 それは装置の中にはいない。 ログの外だ。 それは"中にある"はずだ。 ……時間がない。 あれはまだ"分配"を続けている。 Y.Ishida