不機嫌なみんなを差し置いて目を開く。 ご機嫌な僕だけが朝のお迎えに間に合う。 君のためだけに僕らは動く、だのそんなことはどうでもいい。 君たちのために僕は動く! 味気のない不幸を噛み潰して 灰色でできた日常を飲み干して 極彩色のパレットを取り出してその額に穿つ。 鮮やかな赤ばかりが迸り、その上からなびく虹色が 静かに僕に、画材たちの歓声を見い出させるのだ! 赤のために画材を裂き 橙のために君の腕を引き 黄のために一度筆を置く 愛する君よ、これこそ傑作だ 緑のために血肉を調え 碧のために思索に耽り 蒼のために持論を語る 大切な子よ、それこそ芸術さ 紫のために人ならざる姿で 黒のために 白の瞳が 今日も恋をする