《大丈夫。きっと助かるよ》 …そうだよね 《いつか、きっと逃げ出せる》 君が言うなら、間違いないや 《信じてるよ、私》 …ありがとう 《逃げて、早く!》 それじゃ君が! 《ここまで来たのに諦めるの⁉︎そんなのだめ‼︎》 …でも 《お願い!早く行って!!》 《……廻嶺》 「…う、うぅ………っ⁉︎」 名前を呼ばれた様な気がして、飛び起きた。視界に広がるのは、ついこの前から滞在しているTHERDの基地の部屋。 「…また、あの夢…?」 いつからだろう、この夢を見る様になったのは。いつも、知らない女の子が出てくる。関係性もわからない。でも赤の他人だった様な気はしない。 「……誰なんだr」 『廻嶺、もう集合の時間だ!いつまで寝てる気だ⁉︎』 「わ、わかったよ零。今行く」 アメリカ合衆国コロラド州 2028年 7月2日- 02:19(大西洋時間) 世界滅亡まで、残り69時間41分 「Guys! Only three days left until the world ends!〔お前ら!世界の滅亡まであと3日もないぞ!〕」 基地全体に、拡声器を持ったヴィクターの声が響く。 「I'll give you time off to spend your final moments with family, friends, or lovers! But remember—what brought you here in the first place? To destroy Daylight!〔最期の時を家族や友人、恋人と過ごしたい奴には休暇をくれてやる!だが思い出せ、お前らがウチに来た目的はなんだ?デイライトをぶっ潰す為だ!〕」 ヴィクターの演説に、集まった兵士達が掛け声で応える。その中に、俺も紛れていた。ここにいる兵士達も、デイライトに大切なものを奪われた被害者なのかも。 (…俺と、同じなのかな) 何もかも奪われた。自由も、尊厳も、世界も……親友も。5000年前、政府直属の組織だったSWMに所属していた俺にとって、清仁は初めてできた“外の世界”の友達だった。ぶっきらぼうで皮肉屋だったけど、根は優しくて、クラスの逸れ者だった俺と、すっと仲良くしてくれた。零や梓苑や菁薇…あれ、もう1人いたっけ?とにかく、生まれてからずーっとSWMの中で過ごしてきた俺にとっては、かけがえのない存在だった。なのに……俺が見つけた頃には、ゾンビに食い殺されてた。 守れなかった。俺が弱かったばっかりに。 この世界で清仁と再会できたのは、紛れもない奇跡だった。だから今度こそ、絶対に、何があっても清仁を守る。そう決めたんだ。 「Today! We fight for the world!!〔今日!俺達は世界のために戦う!!〕」 再び、ヴィクターの声が響く。 「To end this calamity!〔この災厄を終わらせる為に!〕」 金の為に動くPMC達が、同じ“理念”を抱いて声を上げる。 「To put an end to “Ground Zero”!〔“全ての始まり”に終止符を打つ為に!〕」 遊夢が始めた、全てを終わらせる為の計画。今、それが完遂されようとしている。あの島…あの始まりの地で。 「Let’s roll fellas!〔ぶちかましてやろうぜ!!〕」 もう、後悔はしたくない。5000年の因縁は、ここで断ち切る。
《このミサイルが、世界の命運を握るカギだ》 《敵が、この世界を脅かすテロリストが、このミサイルを破壊しようと迫ってきている》 《なんとしてでも、守り通せ》 《仲間を失いたくないだろう?》 もちろんだ 《立ち上がれ、亡霊。お前こそが、この世界を救う英雄だ》 なぜ、廻嶺が向こう側にいた 頑なに世界を守ろうとしたあいつが、なぜ 俺は、本当に英雄なのか? __________________ 第十三章後半 https://scratch.mit.edu/projects/1238188117 第十五章 https://scratch.mit.edu/projects/1318421784