リミックス禁止、自作発言禁止 第35話「毒蛇のメリュシア」 本当の姿を現した彼女からは、静かな怒りと戦意があふれていた。 「勇者...今度は、あなたたちが失う番よ」 森と灰の境界で、毒蛇の怒りが、美しく牙を剥いた。 灰の大地に、紫色の紋様が広がった。 メリュシアの足元から、紫の光がじわりと滲み出す。 夢「...みんな逃げろ!」 次の瞬間、地面が爆ぜた。 紫の霧が一気に吹きあがり、空気を侵食する。 鼻の奥を刺すような甘く鋭い香りが漂った。 ネオはその匂いに顔をしかめる。 KK「毒か...!」 ケイはとっさに後ろへ跳んだ。 さっきまで立っていた場所の灰が、じゅぅっと音を立てて溶けてなくなった。 メリュシアはゆっくりと笑った。 「いい反応ね、勇者」 蛇の下半身が、灰の上を音もなく滑る。 その動きは、風より静かだった。 蛇の尻尾が通った地面の跡は紫色に変色していた。 「逃げても無駄よ...!」 その言葉と同時に地面の毒から影が伸びた。 影は黒い蛇となりケイたちに飛び掛かる。 ケイは蛇を剣で叩き落した。 しかし蛇は一匹ではなく、影から次々に飛び出す。 夢「数が多い...!燃えろ!ファイアーショット!!」 軽く舌打ちをしながら地面を蹴り上げ、魔法で蛇を倒す。 ネオも杖を掲げメリュシアの足元に狙いを定める。 「ファイアーショット!」 炎の魔法が弾け、紫の霧を焼き払う。 しかし、爆炎は毒に侵され灰となり風に消える。 メリュシアの金色の瞳が細まる。 「あなたたち、思ったより楽しませてくれるわね...」 彼女の尻尾が大きくうねった。 大地を滑るように彼女の姿が消えた。 「ケイ!」 夢が声を上げる。 ケイの喉元にメリュシアの爪が一直線に迫る。 「あぶねぇ!」 ガギィンッという鈍い音を立て、KKが間一髪で爪を剣で受け止め、軌道をそらした。 気が付くとメリュシアはさっきの場所に戻っていた。 メリュシアはゆっくりと笑みを浮かべる。 「うふふ...今の、どうだったかしら?」 金色の瞳がケイを見つめる。 「一瞬で間合いを詰めるあの動き...同じ経験があるんじゃないかしら...?」 その瞬間、ケイの頭の中にブリュナとの戦いの記憶がよみがえった。 ケイ「たしかあの時も...別の物に気を取られて...」 メリュシアの声は悲しむように低くなる。 「人間はたくさんの情報が一斉に来ると、認識が遅れるの...このことはあの子から教わったのよ...」 彼女の手に、紫色の光が集まる。 「私とあの子はよく似ていたわ...」 その声は、悲しそうでいて圧がある。 「でも私は、毒の使い手...氷のように美しく舞えない...」 メリュシアの瞳が鋭く光る。 声は怒りで震えていた。 「でも...」 紫の光はさらに強まり、あたりの空気を腐らせる。 「あの子は私を、美しいと言ってくれた!!」 その言葉と同時にメリュシアの手から放たれた巨大な光は、地面を腐らせ、えぐり、爆発した。 また毒の霧が濃くなる。 一番近くにいたケイはまともに毒をくらい、膝から崩れ落ちる。 助けようとKKは声を上げ走ろうとした。 「...っ!」 だが、濃すぎる毒にやられ、喉に焼かれるような痛みが走った。 とびねこも回復魔法を使おうとしたが、毒により魔力が乱れ、うまく魔法を放つことができなかった。 ネオが夢の手を引っ張る。 「と、とりあえず離れましょう!ここは危険です!」 だが夢はネオの手を振り払う。 「あんな状態の仲間を見捨てられるか!」 だが霧の濃さが二人の足を止める。 夢(くっそ...どうすれば...) ケイが意識を失いそうになったその時 森の奥から声が聞こえた。 「おい魔物!そこまでだ!ファイアーバースト!!」 巨大な魔法陣が展開され、大火球が霧を焼き尽くした。 途切れそうな意識で声のほうを見る。 ケイ「...エルフ?」 崩れた結界の奥、森のほうに一人の男が立っていた。 メリュシアは少し笑う。 「なるほどね...エルフが来ちゃったか...」 メリュシアはケイのほうを見る。 「今日は運がよかったようね...」 そういうとメリュシアは毒の霧を出し、溶け込むように消えた。 エルフ「大丈夫でしたか...?一応意識はあるようですね」 ネオ「た、助かりました...ありがとうございます..」 エルフ「あなたたちに癒しの魔法をかけたので少しずつ毒はよくなると思います」 KK「ありがとうございます!」 とびねこ「僧侶なのに何もできなかった...」 ちいさく落ち込むとびねこに夢が声をかける。 夢「まぁそう落ち込むなよ!毒は今までなかったから未知の領域だし、しょうがないって!」 とびねこ「そうだよね...」 エルフ「あなたたちは勇者ですね?」 ケイ「あぁ...そうだが...」 エルフ「森の長がこの先で待っています」 ケイ「森の長...?」 エルフ「神話時代...」 空気が少し変わる。 エルフ「森の長は神話時代の先代勇者パーティの魔法使いです」 森の奥を見るケイたち 神話時代の勇者パーティ。 伝説となった英雄たち。 その仲間が...まだ生きている? エルフ「森の長がすべてを話してくれるでしょう...」 こうしてケイたちはエルフの男に案内され、森の中を進むのであった。 ーーーーーーーーー第35話終わりーーーーーーーーー
感想欲しいよぉ〜コメントしてって〜 スタジオ https://scratch.mit.edu/studios/51338519/ 魔物辞典 「暗黒七人衆:毒蛇のメリュシア」 毒を操り、生み出し、蛇を扱う。 ブリュナとは親友であり、彼女を倒したケイたちを恨んでいる。 蛇のうねる動きで相手を翻弄し、毒で相手を徐々にむしばむ戦術が得意。