水菜譚 兎章-終- |||||||||||||||||||||||||||||| 「さて、どうしようかな?」 依頼の遂行か、情に流されてみるか。 「起きて~。朝だよ~。」 「ぁ...。っ!!親父が...!?うわぁぁっ!?」 自分の父の死骸を見た後に、 目の前の殺し屋に目が行ったらしい。 「あ...こ...殺さないでくれ!! 親父の金なら好きにしていいから!! 殺さないで!!殺さないでぇ...!!」 「あ、もういいよ君。」 「ま、待って──────」 首を掻っ切る。 なんか生かす気が失せた。 「あ。場所くらい聞いてもよかったなぁ... しくじった。」 殺してしまった後で失態に気付く。 てへぺろ。 まぁ、どうせ亜嶋に聞けば分かる。 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 「どうしたの~?私の声聞きたくなっちゃった?」 スマホ越しにいつものうざったい声が聞こえる。 「裕司とそのガキの一人殺ったんだけど、 残りどこ?」 「も~。愛し甲斐のない子ね~。 なんで私に聞くのよ~?」 「亜嶋以外に分かる奴知らんもん。」 「私を頼りに...??」 「はいはいそうですそうです。で?どこ?」 「意地悪ぅ...。ちょっと待っててね~?」 殺害対象の場所が分からなくなった時は いつも亜嶋に聞く。 亜嶋はドジやらかさない限りなんでもできる。 むっちゃくちゃ腹立つが事実。 共同での初仕事でやらかしたので評価はSー。 やらかさなかったらSSだった。 やっぱ喋り方がウザイのでどっちにしろSー。 「えっとね?今は...6.8km先にいるわね。 北東に進んだ所にいるわよ。」 「おけ。ありがと。おやすみ。」 「もっとなんか言うこと──」 無視して切る。 優しくすると2時間ぐらい無駄にする。 それはそれとして。 「意外とあの人馬鹿なのかな?」 自分の嫁と息子をそのままにするとは。 いの一番に逃がすと思ったが。 仕事が楽になるので逆に嬉しいが。 ||||||||||||||||||||||||||||||| 6.8km。 信号待ちで結構時間をくったが、なんとか来た。 この間に逃げられてないといいが。 「にしても凡だな~。」 社長の家なんてバカでかい豪邸だと 思っていたが、思ったよりも普通。 40代くらいの家族が貯金して買った感じの家。 半〇直樹の社宅みたいな。 どうでもいいわ。早く入ろ。 ||||||||||||||||||||||||||||||||| ドアをピッキングする。 外にいたSPは正直弱かったのでカット。 それでも30くらいはいた。 10人は暗殺。20人はなるべく静かに殺った。 ちょっとだけうるさくはなったが。 「失礼しまーす。」 中にいた恵美と息子は気付いてるだろう。 「来ないで...。」 包丁を構えた女。 「そんな怖がらないでくださいよ。 殺しに来ただけですって~。 そっちの部屋に息子さんが?」 「もし私がいないと言ったら 帰ってくれるんですか?」 「んなわきゃないでしょう。」 「でしょうね。分かってます。 裕司さんはどうなったんですか。」 「殺したよ~。」 「秋久は...。」 「えーと?息子?殺したよ。」 「そうですか...。秋久...裕司さん...。」 女が包丁を落とした。 そして後ろに下がり布框戸の前に立った。 「私を殺すのでしょう?その後に誠のことも殺す。 違いますか?」 誠?...次男の方の名前か。 「うん。そうだよ。」 「どうか見逃してもらえませんか。」 「なんで?」 「私を殺すならどうぞ。 ですが...誠はまだ11歳の子供なんです...。 そんな子供になにができると...??」 「僕だってまだ14だけどね、 赤ん坊だって殺せって言われたら殺せるし、 子供だって殺してきたよ?」 「それでも...どうかお願いします。 誠を殺さないであげてください...。」 夫婦揃って聖人。好かれるわけだ。 「う~ん。気が向いたらね。じゃ、さいなら。」 可哀想だけど、まあしょうがない。 職務放棄してまで助けようとは思えない。 父親同様痛くないようには殺してやるが。 「でもやっぱ...心にくるものはあるなぁ。」 何度やっても裕司の言葉が喉に引っ掛かる。 それでも仕事は仕事。 そう割り切って布框戸を開けた。 そこに居たのは──────。 理知的な印象を相手に抱かせる可愛い 顔立ちの少年だった。 |||||||||||||||||||||||||||||||||||| 布框戸を開き、そこに居た少年を見た後、 すぐに近くの布団に座って煙草に火をつけた。 「受動喫煙ですよ。」 「この状況でそんなこと言えるんだ?」 「あがいても殺されるだけです。 余計な事する必要がないので。」 少年がそう言いながら引き出しを開けた。 「しないとは、言いませんが。」 少年が銃を構え、こちらに向けた。 安全装置も外れている。 「いいね。好きだよ?そういう子。」 「そうですか。手を上げて後ろを向いてください。」 「やだ。」 「撃てないと思われてますか?撃ちますよ。」 布団から立ち上がり、少年に一歩一歩近づいていく。 ドン、と銃声が響く。威嚇射撃。 「動かないで欲しいんですが。」 「やだって言ってるじゃん。やだよ。」 少年が銃を下ろした。 「下ろすんだ?」 「銃が脅しになるならSPの方々が 制圧していないわけがないので。 意味がない、と判断しました。」 「うん。正解。賢明な判断だよ。」 「父と兄はどうなりましたか?」 「僕がぶっ殺したよ?」 「そうですか。煙草、臭いのでやめてくれませんか。」 「あー。いいよ。ごめんね?」 何故だか知らないがこの子の言う事を 聞いてあげたい。なるべく、だが。 「ありがとうございます。」 互いに無言の間が生まれる。 「殺すならどうぞ。」 「なんでそんなにあっさりしてんの? 死にたくないとかないの?」 「死にたくはないです。」 また間が生まれる。 「一個、提案があるんだけど。」 「何ですか?」 「君、僕のところに来てみない?」 「誘拐ですか?」 「うん百人殺してるから誘拐とか今更よ。 いや、別に来ないなら来ないで殺すけど。」 「...あなたに何のメリットがあるんですか?」 「全くもってないね。でも...」 「でも?」 「君、可愛いから連れて行きたくなっちゃった。」 さっきから自分は何を言っているのか。 「...分かりました。行きます。」 「あぁ、そう。じゃ、来て」 何でだ?何してるんだ?僕。 まぁ、過ぎたことだしいっか。 「あの。」 「どした?」 「父の居たビルに取りに行きたい物が あるんですが...。」 「いいよ~。先にそっちに行こうか。」 色々と自分にツッコみたい。 さっさと仕事終わらせて帰ればいいのに。 まぁ...仕方がないか。自分の心に反抗はしたくない。 ||||||||||||||||||||||||||||||| 「未成年なんですよね?」 「そうだけど免許あるから大丈夫だよ。 僕のお師匠さんが色々してくれてね。」 「そうですか。今更でした。すみません。」 車に乗り込む。だが、一つ気になった。 「助手席に乗るんだね?」 「嫌でした?」 「いや別に。こういう時って、助手席に乗るの 嫌じゃないのかな~って思って。」 「気にしないでください。」 「あーい。余計だったね。」 僕も子供の頃は助手席に乗りたかったし そういう事かな? 助手席の方が特別感あるし。 十数分経った。特に会話も無し。 なのでこちらから切り出してみる。 「親からの愛情とか受けてた?」 「はい。甘やかし過ぎず、厳しすぎずだったと 思います。」 「お兄ちゃんはどうだった?」 「兄からは嫌われてましたね。」 「何があったの?」 「自慢みたいですが、僕が優秀過ぎました。 兄も優秀だったんですが、兄ができることを 僕は1,2年早くできてしまって。 それで行き場がなく感じたんだと思います。 兄がああなったのは僕のせいとも言えます。」 性根が腐っているだけだと思うが。 「僕からも質問していいですか?」 「うん。別にいいよ~。ついでに煙草取って。 火も点けてくれたら嬉しいな。」 さっき臭いと言われたが、吸いたいので吸う。 勿論、窓は開けている。 「分かりました。質問なんですけど...」 誠君が煙草に火を点けてくれる。 ワンチャン髪とかにやってくるかもと思ったが この子はそういうことしないだろう。 車の中でも大人しかったし。 「煙草って一日に何本吸ってますか?」 「う~ん...。40~50くらい?」 「吸い過ぎです。せめて20にしてください。」 「うん...。」 何でこの子僕の事心配してんの?可愛いんだけど。 「それと、お酒も飲んでますか?」 「お酒はそんなにかな。焼酎を日に1瓶くらい。」 「それも半分に抑えてください。 できれば三日に1瓶くらいにしてほしいです。」 「気が向いたらね~。」 健気な子だな。 というか、親兄弟殺した相手の心配するなんて 珍しいにもほどがある。 「最後に一つ。僕のことどう思ってますか?」 「急に!?...まだ定まってないかなぁ。」 「そうですか...............。」 すんごいがっかりしてるように見える...。 中学生とか高校生なら俺に気あんじゃね? ってなるやつ。 「そろそろ着きますよ。」 「うい~。安全運転で頑張りま~す。」 なんというか...不思議な子だな。 |||||||||||||||||||||||||||||||||||| 「わ~お。これはめちゃくちゃはちゃめちゃ想定外。」 「僕は何もしてないです。」 「分かってる。」 三鷹裕司の居たビル前に立っていたのは、 過去に一度だけ見たことのある 有名な殺し屋、龍王伟(ロウワンウェイ)だった。 兎章、終。 matya_machaの一言 ドウモ!!マッチャデス!! 三鷹誠...聞いたことのある名前だぁ。(棒) あの大人気キャラ!龍 王伟来た~!(誰やのん?) 今は「誰?」かもしれないけど、 次の幕間で人気になります。(確定事項) 次章からは兎章:裏になります。次は幕間だけど(小声) 序,中,終のみっつでまとめんのムズイ。てか無理。 スクラッチの文字数の限界のせいで...!! てかここまで見てる人いないか。 まあ、この小説おもんないもんな。 コメント、☆,♡、拡散、宣伝等励みになります! 是非してください...。
兎章-中-(前回) https://scratch.mit.edu/projects/1284276488/ 兎章-序- https://scratch.mit.edu/projects/1283712450/ 幕間:師弟と女-序- https://scratch.mit.edu/projects/1279166950/ 己章-序-(一話的な) https://scratch.mit.edu/projects/1277548111/ 小話。 龍王伟は僕がめっちゃ好きなタイプのキャラです。 実力は世界3位です。(ガチ目の大ネタバレ)