しばらく教室は重い空気と血の嫌な匂いに包まれていた。 それの空気感を変えるようにシュリカが声を上げた。 「みんな、気を確かに!ここでウジウジしてても、何も変わらない!」 こんな絶望的状況でもシュリカの瞳は自信と未来を映していた。 この言葉で数人が活気付けられたのだろう、下を向いてしくしくと泣いていた子、全てに絶望したように体育座りでうずくまっていた子がシュリカの話に耳を傾ける。 「まずは情報を集めよう、僕らには情報が必要だ。最近話題の黒い穴に落ちたのかその他地下の魔界にでも落ちたのかすらわからない。現状について知っている者、挙手!」 「地下の魔界って、そんなワケないでしょ!さっきのミロは走らなければ大丈夫、少し外に出てみない?」 真壁氷空が声をあげる。 それを筆頭に次々と意見が上がる 「単独の探索はリスク高くない?」 「大人数すぎても集団で事故はまずいね」 「チームとか、班を組んだら良くないか?」 「それいいね、チーム分けどうする?」 「まぁ落ちてる事は確かなんだし、上に上ってけばいいじゃん。しらんけど。」 「死なない?」 「人3人も死んでるのよ、軽率には動けないわ。」 「たしかに…これは、黒い穴現象?」 「うーん…わっかんない。」 … 「一通りまとまったね。とりあえず今、この現状は黒い穴現象の惨禍って事にしておこう。ただの陥没ならあのヴィーナスは現れる訳ないしね。各班30分後に周囲の探索をして帰ってくる。何か異常があれば帰還した時の結果報告会で報告。いいね?」 ・30分毎に戻ってくる ・毎回10分の結果報告会と休憩 ・廊下は絶対に走らない ・班分けは以下 a班 颯乃 辰巳もに 三島鏡 音留梓 b班 真壁氷空 佐藤赤夕 メディ 舞岳 日麻乃皇丙 c班 灰冥奏季 御手洗団子 龍崎友梨佳 夜山千景 d班 シュリカペントム 根凍鈴菜 アル 緑愛心海 「情報を集める事を第一に。生存者がいたら合流・共有、そして命を大切に。」 「じゃあ、今から三十分後、また会おう!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー d班【シュリカ視点】 あぁは言ったものの、実際情報ってどうやって集めるんだ?とりあえず分かれ道を潰していってる。 「みんな、何かあったら言ってね。小さな発見でも良いよ。涼菜さん、何か気づいたこととかある?」 「特に無いですね。強いて言うなら絶対ここは学校では無いこと。私達の校舎は単純なコの字のはずです。こんなに入り組んでない、見たことあるようで、無い場所ばかり。」 根凍の言う通り、壁の質感やタイルの模様は学校そのものだ。ただ、構造がまるで違う。迷路のように複雑に入り組んだ校内は探索を阻む。 「こっちの方向が終わったら帰ろう、君たちは異変があったらすぐ知らせて。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【第一回結果報告会】 「a班からは特に無いね。ただ校内がまるで異次元、滑落とか陥没したとは到底思えない。」 「ほんとに異次元レベルだった!」 「こっちb班もとくに所見なしよ、a班と同じでやっぱ学校がおかしいわ。」 「c班だが、床に粘液?を引き摺ったようなネバネバを発見した。怖くて触れなかったが警戒しておこう。」 「dのシュリカからは何もなし!…この後どうする?」 「異常があったのは床だけだろ?探索を続行しても良いんじゃないか?触ってないんだったら水とかかもしれないしな」 「じゃあ、床を気にしながら2回目の探索をしよう。気を付けて。」