リミックス禁止、自作発言禁止 第36話「森の長」 森の奥へ進むにつれ、空気が変わっていった。 灰の大地に漂っていた、あの重たい空気が消えている。 ネオが不思議そうに周囲を見回す。 「…灰がありませんね」 夢も地面を見る。 「ほんとだ。さっきまであんなに降ってたのに」 ケイは少し考え、前を歩くエルフに聞いた。 「この森には灰が降らないのか?」 エルフの男は軽くうなずく。 「はい、この森は結界に守られていますから...」 「そういえばその結界ってこの森全体を包んでいるようだがどうしてそんなことができるんだ?」 夢がふと疑問を投げた。 エルフの男は少し考えた後、口を開いた。 「エルフ族の中でも一番魔力が強い森の長が張ったからじゃないですかね」 歩きながら続ける。 「あなたたち人間にとっては気が遠くなるような長い年月をかけ、結界を構築し、安定するようになりました」 結界の規模を見る限りやはりエルフは人間には理解不可能なほどの魔力を持っている。 そうみんなが感じた。 しばらく進むと、視界が開けた。 そこには巨大な古木の上に築かれた村があった。 幹と幹をつなぐ木の橋、光る花、風に揺れる家々... 別世界のような光景が広がっていた。 これこそがエルフの里だった。 しかし、勇者たちの姿を見ると、村の空気が少しざわついた。 「人間だ…」 「勇者…?」 小さな声があちこちから聞こえる。 ケイは少し肩をすくめた。 「歓迎されてる感じじゃないな」 夢は苦笑する。 「まぁ灰の大地から来たしな」 やがてケイたちは、村の奥に案内された。 そこには、周りの木々よりも巨大な木が生えていた。 その根元に、1人の老いたエルフがいた。 長い銀髪、古いローブ、杖を手にしている。 体はやせており、顔は木のようにしわだらけだ。 しかしその瞳には、静かな力が宿っていた。 エルフの男が頭を下げる。 「勇者たちを連れてまいりました。アルフェン様...」 アルフェンはゆっくりケイたちを見る。 その時、夢が声を上げた。 「じいさん、あんたとは昔どこかであった気がする」 夢の言葉に反応したのか、アルフェンは少し笑った。 「気が付いたか、久しぶりじゃのぉ...闘技場があったあの町以来じゃ...」 闘技場、それはオルデュスと大地で戦う前にいた街。 夢はあのとき、アルフェンに会っていたのだ。 アルフェンは一歩前に出る。 「自己紹介をしてなかったな...」 ゆっくりと続ける。 「私の名はアルフェン...」 一瞬、空気が止まった。 「今から約1000年前...神話時代の勇者の仲間だった者だ...」 ケイたちが驚く。 「神話時代の...?」 「じゃあ、あなたは...伝説の勇者パーティ...」 とびねこが小さくつぶやく 「そんな昔なのに...まだ生きているの?」 アルフェンは静かに笑った。 「エルフ族は長生きだからな...」 アルフェンはゆっくりと視界を森の外、灰の大地にむけた。 「お前たちは、灰の大地を通ってきたな...」 ケイがうなずく。 「あぁ、そうだ」 アルフェンは強い目線でこちらを見る。 「あの封印跡地を見たか?」 アルフェンの表情が少し曇った。 「...あの大地は禁測地だ。誰も近づかない。」 KKが疑問を口に出す。 「どうしてですか...?」 アルフェンは静かに言った。 「神話時代...この世界は一度、滅びかけた」 全員が息をのんだ。 「強大な闇が現れたんだ。神々でさえおさえられない存在だったんだ...」 ネオが小さくつぶやく。 「それで...?」 アルフェンの声が低くなる。 ケイを見つめた。 「その時代にそなたのように...勇者に選ばれた者と、その仲間たち。そして各地の神々が力を合わせて封印した。」 ケイが灰の大地を思い出す。 あの灰、あの静けさを。 アルフェンは言った。 「灰の大地は、その封印の跡だ...封印魔法に使った魔力は残留し灰となり、今も降り続けている...」 ネオがぽつりと言う。 「つまり...とんでもない場所を通ってきたのですね...」 夢がまた疑問をこぼす。 「あの大地では何を封印したんだ...?その闇って何なんだ...?」 森の空気が変わった。 アルフェンは答えた。 「あの大地で行われた封印...そこで封印されたのは..」 アルフェンの声が静かに響く。 「闇に堕ちた女神だ」 森の空気が、静かに凍りついた。 ーーーーーーーーー第36話終わりーーーーーー
感想欲しいよぉ〜コメントしてって〜 スタジオ https://scratch.mit.edu/studios/51338519/ キャラクター紹介 「アルフェン」 エルフの森の長であり、神話時代の勇者の仲間の魔法使いである。 エルフの森全体に灰の大地の魔力を避ける結界を張るほどの魔力を持っており、大魔法使いと呼ばれる人物の1人である。 実は過去の話に一回登場している。