|概要 DARPAが開発したLGM-30 Minutemanの後継となるICBM |諸元 全長:11.5m 最大速度:マッハ23 射程距離:10,000㎞以上 誘導方式:QA-INS、GPSなど 再突入体:Mk21A(機動再突入体) 弾頭:W87-1
1.QA-INS (Quantum Accelerometer / Inertial Navigation System) 1. 原子の冷却 ルビジウムやセシウムなどの原子を真空チャンバー内に閉じ込め、レーザーを当てることで絶対零度近くまで減速・冷却する なぜ冷やすのか: 原子の熱運動を抑えないと、後述する「波としての測定」がボケてしまうから。 2. 原子を波として分割する(干渉の準備) 冷却した原子に対して特定のパルスのレーザーを照射すると、静止と移動という、2つの量子状態に同時に重なり合う状態になる このとき、原子は「粒」としてだけでなく「波」としても振る舞い、2つのルートに分かれて飛んでいく。これをド・ブロイ波と呼ぶ 3. 位相差の検出(干渉計の働き) 分かれた2つのルートは、再びレーザーによって合流させられる。この際、ミサイルが移動や回転をしていると、慣性力(加速度やコリオリ力)の影響で、2つの波の到達タイミングに位相差が生じる 2つの波が合わさったとき、このズレが干渉し合い、明暗の模様(干渉パターン)として現れる。このパターンを読み取ることで、ミサイルがどれだけの加速度で、どの方向に動いたかを、原子レベルの精度で算出できる 4. 姿勢・位置の算出(計算のループ) この算出結果を、搭載されているAIプロセッサが絶え間なく積分していきます。 なぜ誤差が累積しにくいのか:従来の慣性航法装置は、機械的摩擦や光の強度のゆらぎなど、外部要因による誤差が避けられませんでしたが、量子干渉は物理定数を基準にしているため、原理的に極めて高い安定性を誇る 2.DSMAC / ATR (Digital Scene Matching / Automatic Target Recognition) トマホークにも採用されているDSMACを採用 ATRは自動目標認識のこと。 なぜDSMACなどが採用できたのか: 1.画像ではなくパターンを比較する マッハ15で飛ぶMk21Aが、ビデオカメラのようにフルカラーの動画を撮影し、それをすべてメモリ上の地図と照合しようとしたら、計算が追いつかずパンクしてしまう 原理の要点:弾頭のプロセッサは「画像全体」を比較するのではなく、地上のランドマークだけを抽出する。橋の形、滑走路の交差角、山脈の稜線といった輪郭線だけを抽出し、それを数学的な数値データに変換する。 なぜ可能か:この「輪郭線」のデータであれば、大気圏突入時の激しい熱やブレ、あるいは多少の天候不良があっても、形状さえ崩れていなければ照合可能 2.AIによる即時判断(ATRの役割) かつてのミサイルは「地図上の座標」に合わせるだけだったが、ATRはそこに何があるかを理解する 原理の要点:AIが、事前に学習したターゲット(サイロ、格納庫、艦船など)の形状モデルをメモリに保持している。センサー(ミリ波レーダーや赤外線)が取得した信号が、そのモデルとどれくらい合致するかを毎秒数千回という超高速でスコアリングする。 なぜ強いか:従来の「座標照合」では、もし目標物が少し移動していたり、周囲にダミー(デコイ)が置かれていた場合に騙されていた。しかし、ATRは「形状的な特徴」でターゲットを識別するため、偽物には目もくれず、本物の弱点部位をほぼ確実にロックオンできる。 3.MaRV (Maneuverable Reentry Vehicle) MaRVとは、機動再突入体のこと つまり、機動性のある再突入体のこと 機動の制御→バラストによる重心移動など