第一話:招待 【和葉の自宅・玄関】 夕暮れ時。和葉が重い足取りでドアを開け、 薄暗い部屋に足を踏み入れる。 私(いつもの日常。つまらない毎日……) 私「ただいまー……」 返ってくるのは静寂だけ。 私は小さくため息をつき、靴を脱ぎ捨てる。 私「……って言っても、誰も返してくれないか」 その時、暗がりのリビングから、 場違いに明るい声が響いた。 中国「おかえりアルネ!」 私「ぎゃああああっっっ!!?」 驚愕のあまり、私は尻餅をつく。 そこには、派手な服に身を包み、頭に国旗をあしらったような奇妙な男がどっしりと座っていた。 中国「我の名前は中国アル!中国呼ぶヨロシ!」 私(中国……? もしかして、ネットで見たカンヒュの……?) 私「……チャイナ? なんで……え、偽物? コスプレイヤー……?」 中国「混乱してるようアルネ! 隠さなくていいアルヨ!」 私「な、ななな、なんで心の声が!? 読まれてる!?」 中国は自信満々に胸を張り、鼻を高くして言い放つ。 中国「我はなんでもできるアルネ! いわば神アル!」 私「……ナルシストかよ。痛すぎる……」 中国「ひどいアル! 我とあのアメリカを一緒にしないで欲しいアル!」 私「いや、どっちもどっちでしょ」 中国「そんなわけないアル! 我の方がずっと高潔アル!!!」 地団駄を踏んで抗議する中国を、私は冷めた目で見つめる。 私「……というか、なんであんたがここにいるのよ。想像上のキャラクターが現実にいるなんて、絶対におかしいでしょ」 中国は一瞬きょとんとした顔を見せ、ニヤリと不敵に笑った。 中国「……? もしかして、我のことをただの創作だと思ってたアルカ?」 私「え? 違うの?」 中国「普通に実在してるアルヨ☆」 私「どんな原理だよ……(物理法則無視かよ)」 中国「けど、長時間この現実に留まるのは難しいアル。だから我は通常、契約した奴らの夢の中に現れるアル!」 私(……ストーカーかよ。気味悪すぎでしょ) 中国は私の引き気味な視線を気にする様子もなく、ずいっと顔を近づけてきた。 中国「そこで! いつも独りで寂しそうにしているお前に、特別な契約を持ちかけにきたアル!」 私「け、契約……?」 私(っていうか、独りって言った? さりげなくディスられてる気がするんだけど……) 中国は懐から、何やら古めかしくも怪しい一枚の紙を取り出した。 中国「難しいことは言わないアル。この書類に、名前を書くだけでいいアルネ!」 差し出されたペンと紙。 奇妙で騒がしい日常への招待状だった。
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