第三話:疑問 【和葉の部屋・机の前】 和葉は深いため息をつき、おもむろに算数のプリントを広げた。 和葉「……。しゃあない、宿題やるか」 中国「切り替え早いアルネ!!? さっきまでの混乱はどこ行ったアルか!」 和葉「えーっと……3÷6……。……」 和葉(は? なにこれ、意味不明。算数なんてこの世から消えてなくなればいいのに……) 和葉の背後からノートを覗き込んでいた中国が、顔を引きつらせる。 中国「答えは0.5アルヨ! というか、お前、心の中が物騒すぎて怖いアル……!!」 和葉「……0.5か。細かいことは気にするな☆」 和葉「次は……2+28……?」 和葉(はぁ……。マジで何言ってんのこれ。数字なんて概念、人類には早すぎたんだよ……) 中国「30アルネ! ……待つアル。もしかしてお前、算数できないアルカ?」 和葉「ギクッ! そ、そそそ、そんなわけないよぉ!? 余裕だし!」 中国「目が泳ぎまくってるアル……。わかりやすすぎるアルネ☆」 和葉「あーもう! 算数は終わり! 漢字やる、国語!」 和葉は乱暴にプリントをめくった。 和葉(ぼうくん……。暴れん坊の君主、暴君か。まさに目の前のこいつのことだな) 中国「ほう、国語は得意みたいアルネ! 我のことを書いてるアルカ?」 和葉「……国語は得意なんだけど。(イラッ)」 中国「……。……もしかして、我、怒らせちゃったアルカ!?」 和葉「気づくのおっせえよ!!(怒)」 ――30分後。 和葉「あー、やっと終わったわ……」 中国「算数、我がいなかったら全滅だったアルネ☆」 和葉「うっさい! 黙れ赤旗!」 和葉(もう8時か……。飯でも作るか。そういえば、こいつって飯食うのか?) 中国「我は食べるアルネ! むしろ大食いアル!」 和葉「はいはい分かったよ」 和葉(無駄に手間と食費がかかるな、この居候…!!) 中国「心の声でひどいこと言わないで欲しいアル〜!!!!」 ――15分後、キッチンにて。 和葉「ん、できたぞ。食え」 中国「おおっ! 水餃子アルカ!」 和葉「中国じゃ、餃子は焼くんじゃなくて茹でるのが基本らしいな」 中国「そうアルネ! このもちもち、ぷるるんとした食感が最高アルヨ!」 そう言うと、中国は器用に箸を使い、幸せそうに頬張った。 和葉「(自分も食べながら)焼いた方が早かったんだけどな☆」 中国「我に愚痴っても手間は変わらないアル!」 ふと、和葉は箸を止め、ずっと気になっていたことを口にした。 和葉「……もごもご。そういえばさ、カンヒュってあんた以外にもいっぱいいるんでしょ?」 中国「そうアルヨ? 賑やかな連中がたくさんいるアル。それがどうしたアルカ?」 和葉「じゃあ、なんで私のところに来たのがあんたなの? 他にも選択肢あったでしょ」 図星を突かれたのか、中国は一瞬だけ食べる手を止めた。
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