主人公:白石 蒼空(しらいし そら) ヒロイン:月島 心春(つきしま こはる) 蒼空の幼馴染で大親友:黒川 蓮(くろかわ れん) 心春の幼馴染で大親友:水瀬 莉子(みなせ りこ) ※サムネはAIで作った ※サムネに第1話入れたかったけど上手くできんかった
第1話「いつもの放課後」 放課後の教室は、少しだけ静かだ。 窓の外には、やわらかい夕焼けの光が広がっていて、 教室の床や机をオレンジ色に染めている。 「……終わった」 白石蒼空は、最後の問題を解き終えると小さくつぶやいた。 机の上のノートを閉じて、軽く息をつく。 周りでは、まだ数人が残って話していたり、帰る準備をしている。 でも蒼空にとっては、もう頭の中は別のことでいっぱいだった。 (今日のイベント、たぶん時間ギリギリだな) 放課後はいつも通り、家に帰ってゲーム。 それが蒼空の“いつも”だった。 「おい蒼空、帰るぞ」 後ろから声をかけてきたのは、黒川蓮だった。 「ん、今行く」 蒼空は立ち上がって、カバンを肩にかける。 蓮はもうすでに帰る気満々で、教室のドアの前に立っていた。 「今日、絶対勝つからな」 「何に?」 「昨日のリベンジ。あの対戦」 「ああ、それか」 蒼空は少しだけ笑った。 そのとき―― 「白石くん、ちょっといい?」 呼び止める声がした。 振り返ると、そこにいたのは月島心春だった。 夕焼けの光を背にして立っているその姿は、 どこかやわらかくて、静かな雰囲気をまとっている。 「これ、ノート。昨日休んでたでしょ?」 「あ……」 蒼空は少しだけ驚いた顔をした。 「ありがと」 「ううん、大丈夫。困ってるかなって思って」 心春は軽く笑った。 そのやりとりを見ていた蓮が、ニヤッとした顔で近づいてくる。 「おー、やさしいじゃん月島」 「別に普通だよ」 少し照れたように、心春は目をそらした。 その横で、水瀬莉子がひょこっと顔を出す。 「てかさ、どうせなら一緒に帰らない?」 「は?」 蓮がすぐに反応する。 「なんで?」 「なんでって、たまにはいいじゃん。4人で」 莉子はにこっと笑った。 心春は少しだけ迷ったように蒼空を見る。 蒼空は――ほんの一瞬だけ考えた。 (まあ、たまにはいいか) 「……いいよ」 その一言で、少しだけ空気が変わった気がした。 「決まり!じゃあ行こ!」 莉子が元気よく先に歩き出す。 その後ろを、心春が静かについていく。 蒼空と蓮は、少しだけ顔を見合わせてから、 ゆっくりと歩き出した。 いつもと同じはずの帰り道。 でもその日、蒼空はまだ知らなかった。 この何気ない帰り道が、 少しずつ“特別”に変わっていくことを。